新型コロナウイルスの感染拡大が引き続き懸念されていることもあり、なかなか思うように遊びや旅行に行けない日々が続いていますね。そろそろストレスがたまっている方も多いのではないでしょうか。
そこで、「密」になりにくそうなドライブスポットとして「可動橋」をご紹介します。川や海に架かる数ある橋の中から、貴重な「可動橋」を渡りに行きませんか。
日本に約30カ所ある「可動橋」とは
その名の通り、一部または全体が移動することのできる橋。日本の可動橋は現役で稼働するもの、現在は稼働してないものも含めて、30カ所ほどしかなく、歴史ある橋も多いのでとても貴重な場所です。今回はその中から4カ所をご紹介します。
夢舞大橋(大阪府大阪市)
「夢舞大橋(ゆめまいおおはし)」は、大阪北港の2つの人工島、夢洲(ゆめしま)と舞洲(まいしま)を結ぶアーチ橋です。2009年に夢咲トンネルが開通し、一般車両も通行できるようになりました。
世界初の浮体式旋回可動橋で、通常は橋の下を小型船舶しか航行できませんが、事故などにより大阪港の主航路で大型船が航行できなくなったときなどの緊急時には避難航路(国際航路)となっており、可動部を旋回させることで大型船舶の航行も可能な構造になっています。
また、アジ、イワシ、タチウオ、チヌなどが釣れる、人気の釣りスポットになっているようです。
- 所在地:大阪府大阪市北港廃棄物処分地第4工区(夢洲)~此花区北港緑地1丁目(舞洲)
- 橋長:876.6m(410.0m)
- 有効幅員:31.2m
- 橋梁形式:旋回式浮体橋(ローゼ橋)
- 行き方:阪神高速5号湾岸線 北港西出口より此花大橋・夢舞大橋を通る。または、阪神高速5号湾岸線 天保山出口より咲洲トンネル・夢咲トンネルを通る
長浜大橋(愛媛県大洲市)
「長浜大橋」は、1935年(昭和10年)に竣工した、愛媛県大洲市を流れる肱川の河口に架かる橋です。日本国内において近代につくられた可動橋のうち、現在でも可動している橋は3橋しかなく、そのうちの2橋は鉄道橋で、長浜大橋が唯一の道路可動橋です。橋桁が片側に開閉する単葉式の跳開橋で、橋上に載せられたカウンターウエイトと呼ばれる約82tの重りにより、約54tもある橋桁をスムーズに開閉できます。
戦後、赤く塗装され、地元では「赤橋」と呼ばれ親しまれています。1998年に国の登録有形文化財に登録され、2014年には国の重要文化財に指定されました。現在は、開閉設備の故障により橋の開閉は中止されていますが、初冬には白い霧を伴った冷たい強風が河口を吹き抜ける「肱川あらし」などの絶景が見られます。また、青空や海に映える橋の赤色がすてきです。
- 所在地:795-3401 愛媛県大洲市長浜甲
- 橋長:232.3m
- 有効幅員:6.6m
- 開閉部分の長さ:18メートル
- 橋梁形式:バスキュール式鉄鋼開閉橋
- 行き方:松山自動車道大洲ICより約20分
廻旋橋(京都府宮津市)
「廻旋橋(かいせんきょう)」は、「天橋立」と文殊堂のある陸地をつなぐ橋。1923年(大正12年)に手動でまわる廻旋橋が誕生し、1960年には現在の電動式の橋が竣工しました。
宮津桟橋発の天橋立観光船が通る9時55分頃、大型船が通行するとき(不定期)には、中央の橋脚を軸に橋桁が水平方向に90度回転します。多いときには1日50回ほど回転することがあるそうです。
日曜日には観光用で1日に数回決まった時間に回転しています。観光船「天橋立パーク&クルーズ」に乗れば、船に乗った状態で「廻旋橋」が回転するのを見ることもできます。
所在地:626-0001 京都府宮津市文珠
橋長:36.63m
有効幅員:3.50m
橋梁形式:旋回橋
行き方:宮津天橋立ICから約10分
勝鬨橋(東京都中央区)
「勝鬨橋(かちどきばし)」は、東京都中央区にある隅田川に架かる1940年竣工の橋。中央の橋桁が跳ね上がる勝鬨橋は、完成当時は跳開橋として東洋一の規模を誇っていました。
当時の最先端の技術を駆使して建設されており、日本の橋梁技術史上、高い価値がある橋梁として隅田川に架かる「清洲橋」「永代橋」と共に2007年に国の重要文化財に指定されています。
隅田川を航行する船の減少、交通量の増加などによって、1970年の跳開を最後に、現在は橋は稼働していません。橋を開くために使用していた変電所を改修し、勝鬨橋をはじめ隅田川の橋について、貴重な資料や関連情報等を展示・公開している「かちどき 橋の資料館」は、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため休館中ですが、勝鬨橋橋脚内見学ツアーなども行われていますので、再開時にはぜひ、足を運んでみてくださいね。
- 所在地:東京都中央区築地6丁目~中央区勝どき1丁目 晴海通り
- 橋長:246m
- 有効幅員:22m
- 橋梁形式:シカゴ型双葉跳開橋
- 行き方:東京高速道路新京橋IC、都道304号経由で約10分
開閉の仕方も橋によって変わり、実際に動いているところを見たり、その構造からどのように動くか想像したりするのも楽しいかもしれません。ぜひ、次のドライブは可動橋へ行ってみませんか?