スタッドレスタイヤの季節が終わったあと、いつも同じ夏タイヤに履き替えているのなら、まだ知らない乗り心地があるはず！ 同じクルマでも、その性能や乗り心地を左右するタイヤを替えれば、知らなかったクルマの性能や魅力をもっと引き出せるのです。
目的が明確なスタッドレスタイヤ、バリエーション豊富な夏タイヤ
スタッドレスタイヤがめざすのは「冬道を、安全に走行する」ことです。車種別に分かれていても目的は同じ。そのため、アイス路面での制動性・コーナリング性能を高めるトレッドパターンや、特殊なトレッドゴム配合を駆使して「アイス路面の水膜を吸収する」「タイヤと路面を密着させる」「氷をひっかく」という機能を高めるため、タイヤ性能のバリエーションは狭くなってしまいます。
いっぽう、夏タイヤはというとスタッドレスタイヤに比べるとさまざまな種類がラインアップされています。例えば、乗り心地を重視したものや高いグリップ力を備えたもの、燃費性能や静音性を高めたもの、ドライ路面でもウエット路面でも快適に走れるもの、オフロードでも安定して操縦できるものなど、走る路面や運転者の走り方に合わせて選べます。つまり、自分のクルマや、走りたいシチュエーションに応じてタイヤを選ぶことで、クルマの性能を引き出せるのが、夏タイヤの魅力なのです！
夏タイヤの醍醐味、インチアップ！
もう一つ、夏タイヤの楽しみといえば、インチアップ。ホイールの径を大きくすることで、足元の印象をシャープに、スタイリッシュにドレスアップできるだけでなく、タイヤの運動性能やグリップ感を変化させて、走り心地も変えることができるのです。これは、ほとんどの人が純正サイズのホイールを用いる冬タイヤでは味わえない、夏タイヤならではの醍醐味といってもいいでしょう。
オリジナルのホイールとタイヤの組み合わせからインチアップすると、足元だけの変化なのに印象はガラリと変化。道行く人や対向車のドライバーから向けられる視線も変わりますよ。
例えば、クルマに標準で装着されているホイールには、スタッドレスタイヤを装着。冬タイヤシーズンが終わったら、インチアップしたホイールと夏タイヤのセットを取り付け。余分なホイールやタイヤを抱えずに、タイヤ交換の季節に合わせてイメージチェンジしてはいかが？
インチアップ時に注意すべきこととは？
手軽になったとはいえ、注意すべき点は変わりません。特に、インチアップによってタイヤの外径が変わらないように気をつけましょう。タイヤの外径を変えてしまうと、速度計に表示される速度と、実際の速度とに差が生じてしまいます。これは大変キケン！ 速度計の速度と実際の速度との差が一定の範囲を超えてしまうと、もちろん車検も通りません。
また、タイヤの負荷能力を表すロードインデックスの値はタイヤサイズによって変わりますし、同じサイズでもタイヤの規格が違うとロードインデックスが異なる場合もあります。また取り付けの際には、ディーラーやタイヤ販売店に相談して、空気圧の設定を間違えずに正しく装着することも心がけましょう。
