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夏タイヤとスタッドレスタイヤの違いは「水深」にアリ

夏タイヤとスタッドレスタイヤの違いは「水深」にアリ
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6月に入り、いよいよ全国的に夏タイヤのシーズンになりました。多くのドライバーさんはすでに「スタッドレスタイヤ」から「夏タイヤ」へ履き替え済みのはずですよね。

そういえば、スタッドレスタイヤは凍った路面の水膜を取り除いて、滑りづらくなるのだから、梅雨のぬれた路面でも使えるんじゃ…なんて思っている人、周りにいませんか? 今回はその誤解を解消するために、夏タイヤとスタッドレスタイヤの違いについて解説します。

水の膜の厚さ(水深)は、夏と冬とでは大違い!

夏タイヤとスタッドレスタイヤの機能の差として、もっとも大きい違いは「水はけ」能力です。その理由は、夏と冬との路面にある水の量。雨天時の路面には、厚さにして1〜2mmの水膜が生じます。

路面の凹みにできた水たまりであれば数センチに達するところも。一方、冬の凍結路面で、氷の上にできる水膜はわずか数ミクロン。同じ水膜といっても季節によってその厚さは大きく違うのです。

厚さが違うため、水膜を取り除く方法も、夏タイヤとスタッドレスタイヤとでは違ってきます。

  • 夏タイヤは厚い水膜をはじき飛ばす
  • スタッドレスタイヤは極薄い水膜を吸い上げる
(左は夏タイヤ:TRANPATH ML、右はスタッドレスタイヤ:OBSERVE GIZ2

この差は、タイヤのトレッドパターンやゴム剛性の違いにもつながります。トレッドバターンを見比べると一目瞭然。夏タイヤに比べ、スタッドレスタイヤのほうが細かなサイプ(溝)が多いのがわかります。

このサイプで数ミクロンの水膜を吸い上げるのがスタッドレスタイヤ。一方夏タイヤはサイプが少ないため、スタッドレスタイヤよりも硬く、水膜に対して高い圧力を加えられるようになっています。

またトレッドのゴム剛性にも大きな違いがあります。スタッドレスタイヤのゴムは夏用タイヤに比べて柔らかく、氷の路面にぴったりと引っ付くように作られています。密着するからこそ水膜の吸い上げが可能なのですが、柔らかい分だけ厚い水膜をはじき飛ばす力は当然少なくなります。

一方、夏タイヤは、灼熱の路面でもゴムがフニャフニャになることがないよう、しっかりとした剛性を備えています。その分路面にたまる厚めの水膜も、力強くはじき飛ばして排除し、スリップを防止します。

「吸い上げる」と「はじき飛ばす」。スタッドレスタイヤと夏タイヤでは、そもそも水膜除去のメカニズムが違うのです!

もし、スタッドレスタイヤのまま夏の雨の日にドライブしたら…?

夏のぬれた路面を、スタッドレスタイヤで走行しても、水膜は取り除けるのでしょうか? 答えは「グレー」…取り除けないわけではありませんが、夏タイヤほどのウェット性能(グリップ力)は期待できません。

それだけでなく、乾いた路面においてもグリップ力は夏タイヤより劣ってきますので、春を迎え、積雪路やアイス路面への不安がなくなったら夏タイヤへの履き買えを済ませたいものですね。「もうちょっとで履きつぶせるから…」と、季節が変わってもスタッドレスタイヤを使用される方もおられますが、その場合には特にご注意を! 乾いた路面・ぬれた路面ともに、夏タイヤのような性能発揮が期待できないことを念頭に置き、コーナリングやブレーキングなどはいつも以上に慎重に運転してくださいね。

最後に、水膜ネタとしては、ハイドロプレーニング現象というものもあります。梅雨や夏のゲリラ豪雨時には、こちらにも十分ご注意ください。

夏タイヤとスタッドレスタイヤの「水膜除去機能の差」を理解して、季節に応じたタイヤ選びをすることは、事故の防止にも直結します。梅雨の時期を前に交換忘れをチェックしておきましょう!

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