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クルマのエンジンブローについて解説!原因や危険性とは

クルマのエンジンブローについて解説!原因や危険性とは
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「エンジンブロー」という自動車用語をご存じですか? レース中継などで耳にすることはあっても、一般道を走行するドライバーさんにはあまりなじみのない言葉かもしれません。

今回の記事ではエンジンブローの危険性や原因、対策について詳しく解説します。

エンジンブローとは?

「エンジンブロー」とは特定の故障をあらわす言葉ではなく、何らかの原因でエンジンが破壊・破損された状態を指します。「ブロー(blow)」は英語で「殴打」「一撃」「強打」といった意味をもち、英語圏では「engine blow-out」や「engine blow-up」とも呼ばれます。クルマに限らずバイクや飛行機などにも使われる言葉です。

エンジンブローの危険性

具体的にはコネクティングロッドが折れたり、シリンダーブロックに穴が空いたりといったように、エンジンブローはエンジンにとって最も重いトラブルであり、修理不能であることも少なくありません。場合によってはエンジン交換や廃車になる可能性もあります。走行中に起これば重大な事故にもつながるので注意が必要です。

エンジンブローの原因

クルマがエンジンブローを起こすのにはさまざまな原因があります。ここでは代表的な原因をご紹介します。

エンジンオイル不足

クルマのエンジンブローについて解説!原因や危険性とは

1つはエンジンオイルの不足や劣化です。エンジンオイルはエンジン内の潤滑・密封・冷却・洗浄・防さびという5つの重要な役割を担っています。オイル不足のまま、またはオイルが劣化したまま走り続けると、エンジン内のピストンやシャフトがスムーズに動かず、また、エンジン内のスラッジや水分を洗い流す効果が下がります。その結果オーバーヒートやエンジンの焼き付き(高温になった金属同士がくっ付くこと)の原因になり、エンジンブローにつながるのです。

エンジンは一度焼き付きを起こすと、オーバーホール(パーツを分解して清掃・交換を行うこと)や部品交換などが必要になるため、修理費用も高額になります。エンジンオイルの交換時期は車種や運転状況などによって変わるので、お使いのクルマに合わせて定期的に点検・交換しましょう。

オーバーヒート

2つめはオーバーヒートです。オーバーヒートとは、冷却機能が追い付かなくなることでエンジンが過熱して動作不良が起こる状態のこと。オーバーヒートの原因としては、冷却水やエンジンオイルの漏れ・不足、ウオーターポンプやラジエーターなどの冷却システムの不具合、高負荷な運転などが挙げられます。

オーバーヒートに気づかず走り続けるとやがてエンストを起こし、場合によってはエンジン交換が必要になる可能性もあります。特に液体類のメンテナンスは日頃から忘れずに行いましょう。

MT車のシフトダウン(オーバーレブ)

クルマのエンジンブローについて解説!原因や危険性とは

MT車の場合、シフトミス(シフトダウンのミス)によるオーバーレブでエンジンブローを起こすこともあるので注意が必要です。オーバーレブの“レブ”とは「revolution」の略で、「革命」などのほかに「回転」という意味もあります。つまりオーバーレブとはエンジンの回転数が限界を超えることを意味します。具体的にはタコメーターの赤色の領域(レッドゾーン)まで回している状態です。

レッドゾーンに入ったからといってすぐにエンジンブローを起こすわけではありませんが、オーバーレブが続くことでピストンやバルブの破損などを起こす可能性があります。クルマにやさしいシフト操作を心がけましょう。

異常燃焼

急激な燃焼によって打撃音が発生するノッキングや、燃焼の伝播速度が異常に速くなるデトネーションといった異常燃焼もエンジンブローの原因になります。

車種に合ったオクタン価のガソリンを入れる、燃料添加剤を使用するなどの対処法がありますが、気になる症状があればお近くのディーラーや整備工場に相談しましょう。

エンジンブローの前兆

エンジンブローが起こる前兆として多いのが異音です。「カリカリ」という音ならオーバーヒート(「カンカン」「キンキン」という音になったら末期症状)、「ガラガラ」「ゴロゴロ」という音ならエンジンオイルの劣化や不足、「キュルキュル」という音ならファンベルトの破損・不具合などが考えられます。


また、エンジンオイルが不足したりオイルポンプが故障したりすると油圧警告灯が点灯します。点灯したまま走行を続けると、エンジンの焼き付きや車両火災につながることもあるので、すみやかに点検しましょう。エンジンが焼き付くと、焦げたような異臭がすることもあります。

エンジンブローの防止策

クルマのエンジンブローについて解説!原因や危険性とは

エンジンブローの主な原因はオイル不足です。エンジンオイルはオイル漏れなどの故障がなくても、走行しているうちに劣化・消費していきます。エンジンが十分に冷えている状態のときにボンネットを開けてオイルの汚れ具合や量を確認し、必要に応じて補充や交換を行ってください。セルフでの点検方法に自信がなければ、カー用品店やガソリンスタンドなどの無料点検を利用しても良いでしょう。

まとめ

エンジンブローは危険な事故を引き起こす原因になるだけでなく、高額な修理費用で手痛い出費にもつながるトラブルです。定期的なメンテナンスをお忘れなく!

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