そろそろ雪のシーズンも終わりに近づき、タイヤの履き替え時期も到来間近。ところでみなさんは、オフシーズンのタイヤをどのように保管していますか? 自宅や貸倉庫などで保管している方は、タイヤをどの向きで積むか一度は迷ったことがあるのではないでしょうか。 今回はタイヤの「縦積み」と「横積み」、それぞれのメリット・デメリットについて解説します。
タイヤにやさしい縦積み × 省スペースの横積み
タイヤを立てて並べる「縦積み」は、タイヤ側面に力がかからないためサイドウォールの傷みを防止できるというメリットがあります。この方法はタイヤ単体での保管に適しており、ホイール付きで縦積みするとホイールの重さで接地面が平らに変形してしまう場合があるので注意しましょう。
また、タイヤを横に寝かせて積み上げる「横積み(平積み)」は、省スペースで安定感があり、ホイールを付けたまま保管できるというメリットがあります。ホイール付きで保管する際は、タイヤのゴムやコードの緊張状態を和らげるため、空気圧を通常の半分程度に調整して、エアバルブにキャップを取り付けておきましょう。
縦積み・横積みの、それぞれのデメリットとは
反対に、「縦積み」は横積みに比べてスペースをとり、安定感に劣るというデメリットがあります。専用のタイヤラック(スタンド)があると見栄えよく収納できて便利です。
また、「横積み(平積み)」は、タイヤのみで保管する場合一番下のタイヤに負荷がかかるというデメリットがあります。変形を防ぐために、定期的な配置換えが必要です。
タイヤの形が崩れないよう、積み方に工夫を
タイヤを長持ちさせるための保管ポイントは主に2つ。1つは「ゴムの劣化を防ぐこと(汚れをしっかり落として水分を拭き取り、湿気の少ない冷暗所で保管する)」。そしてもう1つは、「タイヤの形が崩れないようにすること(タイヤに合った積み方で保管する)」です。
先ほどご紹介したメリット・デメリットを踏まえると、タイヤ単体で保管する場合は「縦積み」、ホイール付きで保管する場合は「横積み」が理想的と言えます。
なお、タイヤをコンクリートやタイルの床などへ直接置くと、保管中に内部の薬品が染み出して、床や壁を汚す可能性があるので注意が必要です。ラックやスタンドを使わない場合は、必ず段ボールやベニヤ板を敷いた上にタイヤを置くようにしましょう。もしうっかり汚してしまったら、市販の「タイヤ痕リムーバー」などで除去できます。
タイヤはゴム製品である以上、経年劣化は避けられません。しかし適正に保管すれば2シーズン前のタイヤでも同等の氷上制動性能を保つという試験データもあります(※)。正しい保管方法で、できるだけ長くタイヤと付き合っていきたいものですね。
※タイヤ公正取引協議会・TOYO TIRE株式会社共催「年製別の氷上制動試験」(2019年)
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