タイヤのサイドウォールには、タイヤのメーカー(ブランド)名をはじめ、スリップサインの位置など、タイヤにまつわるさまざまな情報が刻印されています。以前ON THE ROADでは、タイヤサイズ表記の読み取り方をご紹介しましたが、今回はタイヤの製造時期を週単位で見分ける方法と、タイヤ交換の目安もあわせて解説します。
目次
タイヤの製造年週などがわかる「セリアル記号」
最初にタイヤの製造年週を確認する方法を見ていきましょう。タイヤの側面には、アルファベットと数字からなる「セリアル記号」が刻印されています。この中の「4桁の数字」部分から、そのタイヤが製造された時期がわかるようになっています。
なお、メーカーにより記載方法は異なりますが、トーヨータイヤの場合は数字の前のアルファベットが工場などを識別するコードとなっています。
セリアル記号の読み方
タイヤの製造時期を知るには、セリアル記号の下4桁の数字にご注目。例えば「1208」なら、前半の12は製造週(「12」週目)、後半の08は製造年(20「08」年)を示し、つまり2008年の12週目(3月17日~23日)に製造されたことを意味します。
(※1999年以前の製造番号の場合は下3桁。例えば「159」なら、1999年の15週目(「15」週目・199「9」年)を意味する)
タイヤの寿命、許容範囲は
それでは、この製造時期からどれくらいの期間がたったらタイヤ交換が必要になるのでしょうか。
製造から5年以上経過したタイヤ
タイヤを点検するうえで、摩耗状態の確認(プラットフォームが露出したら冬タイヤとしての使用NG、スリップサインが出たらノーマルタイヤとしても使用NG)は基本中の基本ですが、タイヤの経年劣化にも注意が必要です。
タイヤに使用されているゴムは時間の経過とともに硬くなるため、それにつれて性能も低下します。使用条件によって疲労度合いや劣化具合は変わりますが、一見、溝が十分残っていて問題ないように見えても、実は想像以上に劣化が進んでいることも……。
JATMA(日本自動車タイヤ協会)は、使用開始後5年以上経過したら継続使用に適しているかどうか、タイヤ販売店などですみやかに点検、製造後 10 年経過したら(スペアタイヤ含む)新品タイヤへの交換を推奨しています。
走行距離
例えばエンジンオイルには「3,000km~5,000km程度」といった交換時期の目安がありますが、タイヤ交換においては走行距離に基準はありません。
ただし、タイヤの状態を知る意味でも5,000km、10,000kmの節目で摩耗具合をチェックする習慣を付けておくことをおすすめします。
その他タイヤの交換基準
製造時期のほかにも、タイヤの交換基準になるものがあります。
スリップサイン
タイヤの溝の中には、タイヤの使用限界をあらわす「スリップサイン」があります。溝底から1.6ミリ盛り上がりを設置した部分で、サイドウォールに表示された三角印の延長線上に見つけることができます。これが1つでも出た状態で走ると法令違反になるだけでなく、車検にも通りません。
スリップサインが完全に露出していなくても、溝の深さが3ミリ程度になったあたりで余裕をもってタイヤ交換を検討しましょう。
ひび割れ
タイヤの「ひび割れ(クラック)」は、そのままにしておくとバーストやパンクなどのトラブルを引き起こす場合があるので注意が必要です。空気圧不足・過多や外部刺激のほかに、経年劣化もひび割れの原因になります。
ひび割れがタイヤ内部のコードに達していなければ継続して使用可能ですが、達した時点ですみやかに交換が必要です。ひび割れの発生を見つけたら、こまめにタイヤの状態を確認するようにしましょう。
タイヤ交換のタイミングと注意点
最後に、タイヤ交換をするうえで適切なタイミングと注意点についてご紹介します。
タイヤ交換の適切なタイミング
タイヤを買い替えるなら、ノーマルタイヤとスタッドレスタイヤの履き替えタイミングに合わせると効率的です。また、法定12カ月点検ではブレーキ点検でタイヤを外すことになるため、定期点検のタイミングでの交換もおすすめです。
タイヤ交換で気を付けるべきこと
タイヤを交換する際は、適切なローテーション(装着位置の入れ替え)を行うことでタイヤの偏摩耗を防いで長持ちさせることができます。ローテーションは前後左右の入れ替えが基本ですが、クルマの駆動方式や種類によって少しずつ方法が異なるので、詳しくは他の記事を参考にしてみてください。
また、方向性タイヤ(非対称パターン)を履いている場合はタイヤの回転方向が決まっているので、取り付ける際はタイヤの内側と外側の向きにご注意ください。
まとめ
今回の記事では、タイヤのセリアル記号からタイヤの製造時期を知る方法とタイヤ交換の目安についてご紹介しました。ちなみに、セリアル記号は中古車を買うときにも役立ちます。例えば1本だけ新しいタイヤだった場合、パンクや事故など何らかのトラブルも予想できるので、大きな判断材料となるかもしれませんよ。