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路面凍結は気温何℃で発生する?

路面凍結は気温何℃で発生する?
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天気予報の予想気温が氷点下になる日も多くなり、本格的な冬が到来しています。ドライブするうえで気になるのが路面状況。気温が0℃以下になったら、路面凍結にも注意しなければなりません。しかし、気温が0℃以上だからといって路面凍結しないとは限らないのです。今回は、路面凍結によって生じるアイスバーンと、路面凍結の始まる温度について紹介します。

路面凍結による氷盤路(アイスバーン)と種類

路面が凍結した道路を氷結路(アイスバーン)と呼びます。路面に積もった雪が気温の上昇によって解け、雪解け水が夜の冷え込みで凍って発生します。さらに道路状況などによって状態が変化し、以下のような種類に分類されます。

圧雪アイスバーン(圧雪路)

圧雪アイスバーン(圧雪路)

降り積もった雪の上を何十台もの車が通行し、踏み固められた雪が凍った路面を圧雪アイスバーン(圧雪路)と呼びます。スタッドレスタイヤの制動能力が発揮されやすいのが、この圧雪路。路面が白くなって一見、雪が積もっていて滑りにくくに見えるかもしれませんが、実は凍った路面だったということも。思わぬ箇所でハンドルを取られないよう用心しましょう。

ミラーバーン

ミラーバーン

圧雪アイスバーンの上をさらに多くの車が走行して、鏡のようなツルツルとした路面になると「ミラーバーン」と呼びます。交通量が多い道路や交差点などに発生しやすく、特に交差点のミラーバーンはスリップの原因になり、複数の車を巻き込む大きな事故につながる危険性があります。

ブラックアイスバーン

ブラックアイスバーン

アイスバーンの中でも特に危険なのが、黒いウエット路面に見えてしまう「ブラックアイスバーン」です。ただのぬれた路面だと誤認したまま走行して、ブラックアイスバーンに差しかかってから凍結路面だと気付くケースが多いためです。

JAFの実験では、ぬれた路面とブラックアイスバーン路面とで制動距離を比べたところ、ぬれた路面の約6倍に制動距離が伸びるという結果が公表されています。見た目には区別がつきにくいため危険度が高いのです。特に夜間走行中のブラックアイスバーンは見えづらいため、日没後はブラックアイスバーンになっていることを予測しながら走行しましょう。

路面凍結は気温0度以下で起こるとは限らない

路面凍結は気温0度以下で起こるとは限らない

水が凍結するのは0℃からですが、気温が0℃以下になれば路面凍結が起きるのかといえば、そうとは限りません。例えば夏の気温は30〜40℃ですが、直射日光に照らされたアスファルトの路面の温度は60℃以上にもなります。黒いアスファルトには蓄熱効果があり、冬も同様で気温が氷点下でも日光が当たっていれば、路面温度は上がるため凍結しにくいのです。

しかし、日の出前や日没後の太陽が顔を出さない時間や、また降雪などで路面が雪に覆われる時間が続くと、気温よりも路面温度のほうが低い状況が長くなり路面は凍結しやすくなります。「冬の路面温度と車のすべり」との関係についての論文のデータによると、夜間になると気温と路面温度との差は広がり、気温が5℃〜7℃程度あっても路面温度は0℃以下になるケースがあることが分かります。

また場所によっても、気温と路面温度との差は違ってきます。気温と路面温度との相関を調べた別の研究では、「郊外」「山間」「橋梁」では気温が0℃でも路面温度が0℃以下になるケースがありますが、「アンダーパス」「トンネル」では気温が0℃でも路面温度は0℃以下になるケースがほとんどなく、路面凍結の起こりやすい箇所・起こりにくい箇所があることが分かります。

つまり、気温が低くても日差しの当たる場所は路面凍結が起こりにい一方、気温が高くても日差しの当たらない場所や風の強い場所などは路面凍結が起こりやすく、気温が5℃程度あっても路面温度が氷点下になり凍結が起こるケースがあります。車載の温度計や電光掲示板の気温が氷点下でなくても、路面凍結によってアイスバーンが発生する可能性はあるため、気温だけで判断しないようこころがけましょう。

アイスバーン走行時の安全対策

装備面の対策:スタッドレスタイヤ・チェーンの装着

装備面の対策:スタッドレスタイヤ・チェーンの装着

まず基本となる対策は、足元の装備。アイスバーンでタイヤがスリップするのは、凍った路面が滑るのではなく、凍った路面をタイヤが圧力をかけて氷が解け、タイヤと氷との間に生じる水の膜によって摩擦が小さくなるためです。この水膜を瞬時に取り除き、路面にしっかりとタイヤを密着させてスリップを防ぐのがスタッドレスタイヤです。初雪が降るころまでには、冬用タイヤのスタッドレスタイヤへ履き替えて雪道ドライブに備えましょう。雪の深い地域では、チェーン規制が出される道もあるので、タイヤチェーンの準備もお忘れなく。

運転方法の対策:「急」のつく運転をしないこと

運転方法の対策:「急」のつく運転をしないこと

運転方法の対策は、「急ブレーキ」「急ハンドル」「急発進」など「急」のつく運転・操作をしないことです。ミラーバーンやブラックアイスバーンのような、摩擦が小さい路面では、少しの操作ミスやラフな操作で車の挙動を乱れさせ、コントロールできない状況に陥りがちです。いつも以上に慎重で落ち着いた運転を行いましょう。

また車間距離をふだんよりも長くとったり、アクセルペダルの踏み方も足首を動かして踏むのではなく、靴の中で足の指を折り畳むくらいの優しい力でゆっくりじわじわと踏み、ゆるやかに発進するのも、アイスバーンや雪道を安全に走行するコツです。

2つの対策で、路面凍結時も安全運転を

アイスバーンは、雪道につきもの。トンネルの出入り口などで、運転中に気付かないままアイスバーンの上を走行してしまうことも少なくありません。タイヤの備えと、運転方法の備え。2つの対策をしっかりと準備して、今シーズンの冬のドライブも安全運転を行いましょう! 

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