長距離ドライブでのお出掛けの際、熱中症とあわせて予防したいのが「エコノミークラス症候群」です。そのネーミングから「飛行機の中で起こるもの」とイメージする人も多いかもしれませんが、ドライブ中に起こる可能性も十分にあります。
今回の記事では、エコノミークラス症候群の症状や予防法について詳しく見ていきましょう。
目次
エコノミークラス症候群の症状
長時間座りっぱなしの姿勢でいると、血行不良になり、脚の静脈に血栓ができやすくなります。席を立った拍子にその血栓が血液の流れに乗って体内を移動していき、肺動脈をふさぐことによって呼吸困難などを起こして、最悪の場合は死に至ります。これが「エコノミークラス症候群」です。「旅行者血栓症」や「肺塞栓症」、「肺血栓塞栓症」とも呼ばれます。
エアコンなどで乾燥した環境に長時間いたり、水分補給を怠っていたりすると、血液の粘度が増して、さらに血栓ができやすくなるといわれています。
ロングドライブ症候群
エコノミークラス症候群と似た言葉に、「ロングドライブ症候群」があります。こちらは明確な定義がありませんが、一般的には長時間のドライブや同じ姿勢の継続、水分不足などによって起こる健康上のトラブルの総称として扱われています。具体的な症状としては、頭痛やめまい、吐き気、食欲不振などが挙げられ、予防にはこまめな休憩と水分補給が有効だといわれています。
エコノミークラス症候群の危険性
脚の静脈に血栓ができると(深部静脈血栓症)、血栓ができた方の脚に痛みやむくみ、発赤などの症状が現れます。さらに危険なのは、血栓が血流に乗って肺に到達し、肺動脈をふさぐ可能性があることです。エコノミークラス症候群を発症すると、胸の痛みや呼吸困難など、重篤な症状につながることがあります。
エコノミークラス症候群の原因
エコノミークラス症候群の主な原因は、長時間同じ姿勢でいることによる血行不良です。狭い車内で十分な水分や食事をとらずに長時間運転を続けると、血液の水分が失われて固まりやすくなり、脚の静脈で血液の流れがよどんでしまいます。このような状態が続くと血栓ができるリスクが高まります。
エコノミークラス症候群を防ぐ方法
エコノミークラス症候群を予防するには、以下のような方法が効果的です。
正しい姿勢での運転
運転中は、できるだけ同じ姿勢を長く続けないようにしましょう。ときどきストレッチや軽い体操を行うことで、血行を促進できます。例えば、かかとの上げ下ろしや、足の指を動かす運動が手軽で効果的です。
計画的に休息を取る
2時間ごとを目安に、15分程度の休憩を取りましょう。休憩時には車外に出て、軽く体を動かすのがおすすめです。なお、休憩の際の喫煙はなるべく避けたいところです。喫煙は血管にもダメージを与えるため、静脈血栓だけでなく心筋梗塞や脳卒中の原因にもなります。
意識的に水分補給を行う
水分補給をして血液の巡りをよくすることで、血栓形成のリスクを下げられます。1日に500mlのペットボトル2本程度を目安に、こまめに水分をとるようにしましょう。
ストレッチやマッサージを行う
ふくらはぎを軽くマッサージしたり、片方ずつ膝を抱えて足首を回したりするのも効果的です。また、ゆったりとした服装を心がけ、衣服やベルトなどで血流を妨げないことも大切です。
まとめ
エコノミークラス症候群は、長時間同じ姿勢を続けることで起こる危険な病気です。長距離ドライブだけでなく、車中泊や災害地域の避難生活でも発症するリスクがあるので注意しましょう。
エコノミークラス症候群の対策には、正しい姿勢での運転、こまめな休憩と水分補給、ストレッチやマッサージなどが効果的です。長距離ドライブに出掛ける際などは、ぜひ今回ご紹介したポイントを意識してみてください。