クルマを運転する方なら、「青切符」という言葉を一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。しかし、手続きの流れを正確に理解している方は少ないかもしれません。今回の記事では青切符の基本的な内容から、無視することのリスク、そして運転免許更新への影響まで詳しく解説します。
目次
青切符(交通反則通告制度)とは
交通違反処理の負担を軽減するために1968年に設けられた「交通反則通告制度」は、告知書の紙の色から「青切符」とも呼ばれます。比較的軽微な交通違反をした人が、反則金を納付することで刑事処分を免れるという制度です。
青切符の対象となる比較的軽微な交通違反の例としては、一時停止違反・駐停車違反・速度超過(30km/h未満)・信号無視などが挙げられます。これらの違反をした人は、決められた期限までに銀行や郵便局で反則金を納付することになります。
違反対象
2024年現在、青切符の対象となっているのは「自動車」と「原動機付自転車(特定小型原動機付自転車を含む) 」の運転者です。なお、2024年3月には自転車の運転者(16歳以上)にも青切符を導入する道路交通法改正案が閣議決定され、2026年までに導入される見通しとなっています。
後日に送付されるケースについて
多くの場合は取り締まりの現場で警察官から「交通反則告知書(青切符)」と「反則金仮納付書」が交付されます。オービス(自動速度違反取締運転装置)によって速度超過などの交通違反が確認された場合、後日送付されることもあります。
赤切符との違い
比較的重い交通違反を犯した場合は青切符(交通反則通告制度)の対象外となり、「道路交通法違反事件迅速処理のための共用書式」が交付されます。こちらは赤色をした書式のため「赤切符」とも呼ばれます。
赤切符の対象となる交通違反は、速度超過(30km/h以上、高速道路では40km/h以上)・無免許運転・酒気帯び運転などです。これらの違反をした場合は反則金ではなく罰金刑の対象となり、免許の停止や取り消しなどの処分が下されます。
赤切符を切られた場合は指定された場所に出頭し、警察官と検察官から違反に対する取り調べを受けた後、裁判所の略式命令を経て、罰金を納付します。
青切符を切られた後の手続きの流れ
ここでは青切符を交付された後の手続きについて解説します。
違反点数
青切符の対象となるのは違反点数5点以下の交通違反です。例えば信号無視であれば2点、駐車禁止場所での駐停車違反であれば1点といったように、それぞれその違反に対応する点数が付きます。
反則金
反則金についても、違反行為や車種ごとに異なります。例えば普通車の場合、信号無視(赤色等)なら9000円、指定場所一時不停止等違反なら7000円の反則金となります。
青切符の交付と同時に「反則金仮納付書」が渡されるので、その日から8日以内に銀行や郵便局などで反則金を納付しましょう。もしこの期限を過ぎてしまった場合は「通告」を受けることになります。通告書を受け取った日を含めて11日以内に反則金(通告書が郵送された場合は送料も加算)を納付すると手続きが完了します。
反則金を納付しないと逮捕される
通告を受けた後も反則金を納付しないと、刑事手続きに移行します。検察官から起訴されると裁判を受けることになり、その場で違反行為があったと判断されれば罰金などの刑事罰が科されます。また、警察や検察からの出頭要請を無視し、逃亡のおそれがあると判断されれば逮捕される可能性もあります。
青切符はゴールド免許に影響する
青切符の内容によっては、ゴールド免許にも影響するかもしれません。ゴールド免許の条件のひとつが「過去5年間の無事故・無違反」です。たとえ小さな違反行為でも点数がつくものならば次回の更新時にゴールド免許をはく奪されてしまうので注意しましょう。
なお、「泥はね運転違反」や「免許証不携帯」など点数がつかず反則金のみの交通違反は免許に影響しません。事故に関しても、人のケガを伴わない物損(自損)事故の場合はゴールド免許に影響することはありません。
まとめ
青切符(交通反則通告制度)は、比較的軽微な交通違反を犯した人が反則金を支払うことによって刑事手続きを回避できる制度です。軽微な違反とはいってもゴールド免許には影響しますし、反則金を支払わず放置すれば逮捕されることもあります。可能なかぎり青切符が交付されることのないように、安全運転に努めたいところです。