クルマ選びの際、カタログなどで「2WD」や「4WD」といった言葉を見かけたことはありませんか? これらはクルマの駆動方式を表す言葉で、2WDは前輪駆動(FF=フロントエンジン・フロントドライブ)や後輪駆動(FR=フロントエンジン・リアドライブ)などの二輪駆動、4WD は四輪駆動のことを指します。
今回の記事では、「4WD」の特徴や運転で注意したいポイントなどについて詳しく解説します。
4WD車とは
4WDとは「Four Wheel Drive」の略で、メーカーによってはAWD(All Wheel Drive=全輪駆動または総輪駆動)とも呼ばれます。2WDが前方または後方の2輪が駆動するのに対して、4WDは前後4輪が駆動するという違いがあり、未舗装路や雪道などの悪路でも走破性が高いのが特徴です。
また、4WDには、スイッチで二輪・四輪駆動を切り替えられる「パートタイム4WD」と、常に四輪駆動の「フルタイム4WD」があり、現在の乗用車では後者のフルタイムのタイプが主流となっています。
ちなみに4WDのルーツは諸説ありますが、レース用としては1902年のスパイカー社製、軍(業務)用としては1903年のダイムラー社製、乗用としては1907年のダイムラー社製が、それぞれ世界で初めて開発されたといわれています。
4WD車のメリット・デメリット
次の項目からは、4WD車を選ぶうえでのメリットとデメリットをご紹介します。
メリット
4WDは駆動力を4つの車輪に分けて走るので、凍結した路面や雪道、デコボコ道などの悪路でも空回りしにくく、走行安定性に優れています。また、2WDと比べて登坂能力が高いのも大きな魅力です。
デメリット
一方、4WDは車体の重量が重いため、2WDと比較すると下り坂での制動距離が長くなるほか、同じ理由で燃費もやや劣ります。
また、同じ車種とグレードでも2WDよりも4WDのほうが車両価格が高く設定されていたり、自動車税、自動車重量税、車検代といった維持費が高くなるのもデメリットといえるでしょう。
ただし、近年は4WDにハイブリッド車のシステムを搭載した「ハイブリッド4WD」も多く販売されているので、維持費や燃費を抑える方法として検討してみても良いかもしれません。
雪道での性能
雪道では、2WDではスリップしてしまうような勾配のきつい坂でも4WDなら安定して上りきれるというメリットがあります。ただし制動距離に関しては、4WDだからといって2WDより短い制動距離で止まれるわけではありません。上記でも触れた通り、むしろ車重のある4WDのほうが止まりにくい場合もあります。
「雪道といえば4WD」というイメージを持つ方も多いかもしれませんが、すべての面で走行性能が優れているわけではないので注意が必要です。もちろん、4WDでもスタッドレスタイヤやチェーンなどの雪道対策はお忘れなく!
4WD車はこんな人におすすめ
通勤通学や買い物など街乗りとしての利用が多ければ2WDで十分対応可能ですが、日常的に雪道を走ることが多い人や、オフロード走行などのアウトドアをアクティブに楽しみたい人には4WDを搭載したクルマがおすすめです。
4WDと一口にいっても、近年人気のSUVや軽自動車、コンパクトカー、スポーツカー、セダンなどさまざまな種類のクルマに採用されています。また、車種によっては2WDと4WDのどちらかを選択できるモデルもあります。運転スタイルにあわせて購入の参考にしてみてくださいね。