新型コロナウイルスの感染拡大により、人々の生活が一変した2020年。高速道路の交通量の低下や、交通事故件数の減少など、クルマを取り巻く環境にもさまざまな変化が起こっています。今回は、コロナ禍での運転免許事情について紹介します。
コロナ禍で運転免許を取る人が増加に転じる
警察庁が発表した「運転免許統計」(令和2年版)によると、2020年に新たに運転免許を取得した人の数(新規運転免許証交付件数)は118万6873人。前年にくらべると約1万人増えており、長年減少傾向にあった免許取得者数は久しぶりに増加へと転じました。
理由としては、新型コロナの影響で人と接触しない移動手段に注目が集まったことや、オンライン授業やリモートワークによって空き時間が増えたこと、さらに2020年10月まで合宿免許がGoToトラベルのキャンペーンの対象となっていたことなどが考えられます。
高齢者の自主返納件数は減少に
運転免許を取得する人が増えた一方で、高齢者の自主返納件数は減少しています。2020年に運転免許証を自主返納した人の数は、55万2381人。過去最多となった前年に比べて約5万人の減少となりました。
感染防止のために外出を控え、返納手続きを行う高齢者が減ったものと見られています。
自動車教習所の講習にも変化が
ちなみに、新型コロナウイルスの影響で自動車教習所の風景も変わりつつあります。
これまで学科教習は道路交通法施行規則に基づき教習所内での集団講習が行われてきましたが、新型コロナ感染対策やデジタル化の流れを受けて、警察庁は2020年12月にオンライン学科教習を解禁。今年に入ってから導入する教習所が全国で徐々に増えてきています。
オンラインでの学科講習は、感染リスクを抑えられるだけでなく、通学の負担解消や、大人数で受講できるなどさまざまなメリットが注目されています。新型コロナ終息後も、運転免許を取る人が増える1つのきっかけになるかもしれませんね。