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冠水時に慌てないために!車が浸水したときの対処法を知ろう!

冠水時に慌てないために!自動車は水深何cmまで走行できるかを知ろう!
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台風による集中豪雨のときなど、冠水した道路を水しぶきを上げながら車が走って行くニュース映像がよく見られます。運転中、実際に冠水している道路を目の前にしたとき、このまま行くべきか引き返すべきか判断に迷ったことはないでしょうか。

基本的には冠水路の走行は避けるべきですが、今回の記事では、冠水路を走った場合にどんなことが起こるのか、そして、冠水路を走行する際の注意点を紹介します。

水深何cmまで走行できる?

冠水時に慌てないために!自動車は水深何cmまで走行できるかを知ろう!

大雨などで冠水した道路を見つけたとき、急いで渡れば、あるいはゆっくりと慎重に進めば走り抜けられるのでは…と思ってしまうかもしれません。しかし、思いのほか水深が深く、車内への浸水によって立ち往生してしまったり、車に深刻なダメージを与える可能性もあります。それでは水深何cmくらいならば車は走行できるかという目安はあるのでしょうか。

JAFが行ったユーザーテストでは、集中豪雨などでアンダーパスが冠水した場合を想定し(冠水部分の水平部の距離は30m)、車両が冠水路を走りきれるかを検証したところ、水深30cmではセダン、SUVタイプとも時速10km、時速30kmで走行が可能でした。

水深60cmの場合でも同様のテストを行った結果、セダンタイプはフロントガラスの下端まで水をかぶり、時速10kmでしばらく走ることはできましたが、途中でエンジンが止まってしまいました。SUVタイプは時速10kmでは走行可能だったものの、時速30kmでは走行できませんでした。

自動車はある程度の冠水や浸水に耐えられるよう設計されていますが、一般的には「乗用車であればドアの下端、つまりクルマの床面が浸からない程度」が走行可能な水深とされています。

このテストによれば、車種などによっても変わりますが、水深30cm以下であれば、ゆっくり走行すれば冠水した道路を走行できる可能性が高いことが分かりますが、「水深30cm」はあくまでも目安にとどめ、状況がわかりづらいアンダーパスや高低差のある道路などは侵入を控えましょう。

浸水・冠水した車は注意が必要!

冠水時に慌てないために!自動車は水深何cmまで走行できるかを知ろう!

水に浸ってしまった車は見た目には問題がなさそうに見えますが、車の内部は深刻なダメージを受けている可能性があります。

どんな不具合が発生しやすいのか

国土交通省のWEBサイトでは、浸水・冠水被害を受けた車両は感電事故や、電気系統のショート等による車両火災が発生するおそれがあるため、以下の対処を奨励しています。

  1. 自分でエンジンをかけない。
  2. 使用したい場合には、お買い求めの販売店もしくは、最寄りの整備工場にご相談下さい。特に、ハイブリッド車(HV)や電気自動車(EV)は、高電圧のバッテリーを搭載していますので、むやみに触らないで下さい。
  3. なお、使用するまでの間、発火するおそれがありますので、バッテリーのマイナス側のターミナルを外して下さい。

国土交通省「浸水・冠水被害を受けた車両のユーザーの方へ」

また、電気が通る海水による浸水・冠水の場合、電気系統のショートで火災が発生する恐れもあるので特に注意が必要です。

浸水・冠水したときの対処法

冠水時に慌てないために!自動車は水深何cmまで走行できるかを知ろう!

冠水路は見た目では水深が分からないため、そのまま進んでしまうと深みにはまってしまう恐れがあります。その際に、エンジンの吸気口に水が入ったり、排気管が水圧でふさがれたりしてしまうと、エンジンが停止し、そのまま身動きが取れなくなってしまう可能性も。

特にゲリラ豪雨のときは短時間で水がたまることもあります。万が一、冠水し車内にまで浸水してしまった場合には、車を停めて、車外に出るためにドアが開くか確認します。安全のために窓を開けて避難経路を確保し、エンジンを切りましょう。そのうえでどのように対処したら良いのか、3つのポイントをご紹介します。

浸水した車から脱出する

浸水車から脱出する際はまず片足だけ浸けて水深を確認します。安全な深さであることを確認してから両足をつき、もと来た方向へ歩いて戻りましょう。水が濁っていると道路の状況がわかりにくく、ふたの開いたマンホールや側溝などが見えないことがあるので、一歩一歩ゆっくりと確かめながら進みましょう。傘や杖など棒状のものがあれば足元を確認するのに役立ちます。

窓が開かない場合浸水してからドアを開ける

ドアや窓が水圧で開かない場合、浸水が進んで車内外の水圧差が少なくなると開きやすくなります。車内の水面が胸や首あたりにまでくるのを待ち、大きく息を吸い込んでからドアを開けて車外に脱出します。

1度浸水した車はエンジンをかけない

1度でも浸水した車は、エンジンをかけると破損や感電のリスクがあります。浸水した車は水が引くまでその場に放置し、ロードサービスやディーラーなどに連絡して指示を仰ぎましょう。

冠水車は修理できる?

車が浸水・冠水した場合、修理可能な状態かどうかを見極めるポイントとしては「浸水位置」が挙げられます。

  • タイヤ下半分までの冠水:修理費は比較的安く、目安としては数万円程度。
  • タイヤ上半分まで冠水:修理費目安は10~20万円程度。
  • マフラーまで冠水:50万円以上の高額な修理費がかかるケースも。
  • フロアまで:修理困難。修理できても再び不具合が出たり、買い替えよりも高くつく可能性も。

基本的にはマフラーまでの冠水なら修理できる可能性がありますが、浸水位置が高くなればなるほどより多くのパーツに影響するため、修理費用は高くなります。ただし、車両への影響は形状や設計によっても違いがあるので、フロアまで浸水していなくても廃車となってしまうケースもあります。特に車高の低い車種は浸水の影響を受けやすいので注意しましょう。

修理以外にも、シートなどに付いた汚れや臭いのクリーニングが必要になる場合もあります。運よく故障しなかったとしても、一度浸水した車は価値が大幅に下がるため、その後の売却で不利になる可能性があることも覚えておきましょう。

車両保険による補償は?

もし浸水トラブルに見舞われても車両保険に加入していれば、「エコノミー型」と「一般型」どちらのプランでも補償を受けられます。修理可能な場合は修理費が補償され、修理不可能な場合や修理費が保険費用を超えた場合は全損扱いとなります。洪水による浸水で車両保険を使った場合、一般的に「1等級ダウン」の事故として扱われます。

ただし、補償の対象となるのは台風や高潮などによる洪水で、地震や津波など一部の自然災害が原因の場合は補償対象外となるのでご注意を。詳しい補償内容や手続きの方法は、ご加入の自動車保険の契約内容をご確認ください。

まとめ

もちろん大雨の日はできるだけ運転しないに越したことはないのですが、ゲリラ豪雨に見舞われてあっという間に冠水してしまうこともあるでしょう。上で取り上げたJAFの試験結果でもわかるように、水深が60cmもあれば多くの車は走行が困難です。故障で高額な修理費用の損害を負うだけでなく、大きな事故にもつながりますので、冠水路を見つけたときの対応は「無理して侵入せずに迂回する」が鉄則です。「ただの水たまりかと思ったら予想以上に深くて浸水した」なんてトラブルもあるので、慣れない道では特に注意しましょう。

また、事前にできる対策として、国土交通省のハザードマップなどを利用してあらかじめ冠水しやすい場所の情報をキャッチしておくと安心です。万が一のときに備えて、頭の片隅に入れておいてくださいね。

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