冬のドライブ準備:タイヤ以外にそろえたいアイテム
- HOW TO
- 2026.11.04
朝晩の冷え込みが一段と厳しくなってくる季節。冬用タイヤへの履き替えを済ませて、「これで今年の冬支度はひと通り終わった」とひと息ついている方もいるかもしれません。
この記事では、タイヤ以外にそろえておきたい冬の備えを「安全」「快適」「防寒」「非常用」の4つのテーマに分け、JAFのテスト結果を交えながらわかりやすく解説していきます。
目次
スタッドレスタイヤに履き替えたら、冬支度は完了?
タイヤを替えれば、雪道を走るための足元はひとまず整います。では、車内の備えはどうでしょうか。
冬に走行するクルマでは、タイヤだけでは防ぎきれないトラブルも起こります。フロントガラスが凍って出発できない、走行中に窓が曇って前が見えにくくなる、大雪で立ち往生してしまう──いずれも冬ならではの困りごとです。
足元が整ったら、次は車内に目を向けてみませんか。ここからは、4つのテーマごとにおすすめのアイテムをご紹介します。
※発炎筒など法令で備え付けが義務づけられているものは、すでに積んである前提として本記事では扱いません。また、雪の多い地域へ出掛けるなら備えておきたいタイヤチェーンについては、チェーン規制とは?冬用タイヤ規制とは別物?で詳しく解説しています。
【安全】曇り止め──走行中の視界をクリアに保つ
冬は、走行中に窓が曇りやすい季節です。安全運転に直結する視界の確保から見ていきましょう。
窓が曇るのは、乗っている人の呼気や汗に含まれる水蒸気が、外気で冷やされたガラスに触れて水滴に変わるためです。フロントガラスが曇ると前方が見えにくくなり、歩行者や前のクルマに気づくのが遅れるおそれがあります。
曇ってしまったときは、まずデフロスター(ガラス内側に風を当てて乾かす装置)を使うのが基本です。冬の空気は乾燥しているので、外気導入も効果的でしょう。
また、市販の曇り止めは「曇らせないための準備」として役立ちます。塗る前に内窓の汚れを落としてしっかりと乾かしてから、ムラにならないように薄く伸ばすのがコツです。曇り止めには、スプレーで吹き付けるタイプやシートで拭き取るタイプなどがあります。効果がずっと続くわけではないため、冬の間は定期的に塗り直しておくと安心です。
【快適】フロントガラスの凍結防止カバー──冬の朝の支度を短くする
冷え込んだ朝、出掛けようとしたらフロントガラスが真っ白に凍っていた、という経験はありませんか? この氷を溶かして視界を確保するには、思いのほか時間と手間がかかります。
JAFが行った寒冷地での長時間駐車テストでは、フロントガラスにカバーをかけていたクルマはガラスが凍っておらず、凍結防止に最も有効だったとされています。
凍結防止カバーは、フロントガラスを外側から覆うシート状のアイテムです。選ぶときは、まず自分のクルマに合ったサイズかどうかを確認しましょう。固定方法には、ドアに挟み込むタイプや磁石で留めるタイプなどがあり、風で飛ばされにくいものを選ぶと安心です。
また、凍ってしまったときの解かし方も、先述のJAFのテストで比較されています。解氷剤を使うと1分ほどでガラスの氷が解けたのに対し、デフロスターだけでは視界を確保できるまでに10分ほどかかりました。
カバーをかけ忘れた日に備えて、解氷スプレーを1本積んでおくと心強いでしょう。なお、凍ったガラスにお湯をかけて解かすことは絶対に避けてください。急激な温度差でガラスが割れたり、解けた水がすぐに再凍結したりするおそれがあります。
さらに、駐車するときはワイパーを立てておくと、ワイパーゴムがガラスに凍りつくのを防げます。前の晩のひと手間で、慌ただしい朝の10分にゆとりが生まれます。
【防寒】毛布──エンジンを止めても暖がとれるように
雪の多い地域へ出掛けるなら、大雪による立ち往生も想定しておく必要があります。そのときに体温を守ってくれるのが、毛布をはじめとする防寒グッズです。
立ち往生すると、車内を暖めるためにエンジンをかけ続けたくなるかもしれません。しかし、クルマのまわりを除雪できない状況や、仮眠をとるときには、エンジンを必ず切るようにしてください。暖房が使えない車内では、防寒着や毛布が欠かせない備えになります。
家族で出掛けるときは毛布を人数分用意しておくのが理想ですが、かさばるため、いつも積んでおくのは大変です。ふだんはトランクに1枚、スキーや帰省で雪国へ向かうときは人数分、と使い分けるのがおすすめです。寝袋もあれば、さらに心強いでしょう。
なお、クルマの電源で使える電気毛布もありますが、エンジンを止めた状態で使い続けるとバッテリーが上がるおそれがあります。立ち往生への備えとしては、電源のいらない毛布を基本にしておくと安心です。
次の項目からは、立ち往生したときにエンジンを止める理由を、さらに詳しく見ていきます。
【非常用】スコップ──立ち往生のとき、マフラーまわりの雪をかく
エンジンを止める理由は、クルマの排ガスに含まれる一酸化炭素にあります。その対策として積んでおきたいのが、雪をかき出すためのスコップです。
クルマが雪に埋もれると、マフラー(排気管の出口)がふさがれ、行き場を失った排ガスが車体の下にたまります。その排出ガスが、車体のすき間などから車内に入り込んでしまうのです。
JAFのテストでは、ボンネット付近まで雪に覆われたクルマでエンジンをかけたまま、エアコンを外気導入で稼働させて車内の一酸化炭素濃度を測りました。何も対策をしなかったクルマでは、16分後に短時間暴露限度とされる400ppmに達し、その6分後には測定上限の1,000ppmまで上がっています。これは、車内に人がいれば3時間ほどで死に至る濃度です。
窓を5cmほど開けたクルマでも、約40分後には400ppmに達し、その後すぐに800ppm台まで上昇しました。一方、マフラー周辺を除雪したクルマでは、テスト実施中は一酸化炭素がほとんど検知されませんでした。
またエアコンが内気循環であっても、クルマの床下にたまった排ガスが、車体の隙間から入り込むため、安心はできません。
ただし、駐車場所や風向きなどによって状況は変わるため、除雪していれば必ず大丈夫というわけではありません。立ち往生したときは、「マフラー周辺の雪をこまめに取り除くこと」に加え、「除雪が難しい場合や仮眠をとる場合はエンジンを停止すること」の2つを心がけましょう。
スコップは、マフラーまわりの雪を取り除くだけでなく、雪にはまったクルマを脱出させるときにも役立ちます。車載用には、折りたたみ式や組み立て式など、コンパクトに収納できるタイプが便利です。雪国へ向かう日は、トランクにスコップが入っているか確認しておいてください。
夜間や吹雪の中での作業に備えて、防寒手袋や懐中電灯もあわせて用意しておきましょう。このほか、携帯トイレや水・食料、スマートフォンを充電できるモバイルバッテリーもあれば、長時間の立ち往生でも落ち着いて過ごせます。
まとめ──足元と車内、両方そろえて冬の道へ
最後に、今回ご紹介した4つのアイテムを振り返っておきましょう。
- 【安全】曇り止め:内窓の汚れを落としてから塗り、走行中の視界を確保
- 【快適】凍結防止カバー:前の晩にかけておき、朝の解氷の手間を短縮
- 【防寒】毛布:エンジンを止めても暖がとれるよう、雪国ドライブでは人数分を用意
- 【非常用】スコップ:立ち往生のときにマフラーまわりの雪をかき、排出ガスが車内に入り込むリスクを軽減
どれも大がかりな準備ではありませんが、積んでおくだけで冬のドライブの心配ごとを一つずつ減らせます。
もちろん、冬の安全の土台になるのはタイヤです。冷え込む季節は空気圧が下がりやすいため、TOYO TIRESでも月に一度の空気圧チェックをおすすめしています。慣らし走行や冬の交通規制の確認は初雪に備える!スタッドレスタイヤ準備のタイムライン完全版の記事をご覧ください。またスタッドレスタイヤの早期購入については「『まだ早い?』が買い時。スタッドレスタイヤを10月に買うべき理由」で紹介しています。
足元と車内、両方の備えがそろえば、窓の外に広がる雪景色を眺める余裕も生まれるはずです。白く染まった山並みを横目に、冬ならではのドライブを楽しんでください。
