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アイスバーンの運転が怖い人へ。滑る原因を知って防ぐ冬道のコツ

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冬の運転で注意したいことの1つが、路面凍結です。特に冬道に慣れていないドライバーにとって、アイスバーンは極めて危険な状況です。スタッドレスタイヤを装着しているだけでは、スリップを防げないときもあります。

この記事では、滑りやすい路面の種類から危険なスポット、そして実践的な運転テクニックまで、安全な冬のドライブに必要な知識を分かりやすくお伝えします。

そもそも「アイスバーン」とは?危険な路面の種類と特徴

アイスバーンとは、氷のように凍結した路面状態のことです。雪が降った翌日に気温が上がり、夜間に再び冷え込むと、溶けた雪が凍結してアイスバーンが発生します。実はアイスバーンには、路面の状態や気象条件などによって以下の3種類があり、それぞれ危険度が異なります。

圧雪アイスバーンとミラーバーン、ブラックアイスバーンの違い

名称路面の状態
圧雪アイスバーン積もった雪が走行するタイヤで
踏み固められて凍った状態
ミラーバーン圧雪アイスバーンがさらにタイヤで磨かれ、
鏡のようにツルツルになった状態
ブラックアイスバーン濡れたアスファルト路面のように黒く見えるのに、
実は表面が凍りついている路面のこと。
ウェット路面との区別が難しい

まず「圧雪アイスバーン」は、積もった雪がクルマのタイヤで踏み固められて凍った状態です。3つの中では比較的走りやすい部類ですが、日中に溶けたり雨で濡れたりすると一気に滑りやすくなるため、決して油断はできません。

次に「ミラーバーン」は、雪道が鏡のようにツルツルになった路面のことを指します。タイヤで踏み固められた雪がさらに磨かれることで発生し、交通量の多い幹線道路や交差点で起こりやすいのが特徴です。

そして最も厄介なのが「ブラックアイスバーン」です。これは濡れた黒い路面に見えて実際には凍結している状態で、濡れた路面(ウエット路面)と見分けがつきにくいという恐ろしい特徴があります。

JAFの実験では、時速40kmで走るクルマの、ブラックアイスバーン上での制動距離は、濡れた路面と比べて約6倍も伸びたという結果が出ています(濡れた路面11mに対し、ブラックアイスバーンは約70m)。夜間は特に判別が難しく、雨の後にも発生しやすいため、冷え込みの厳しい朝晩や日陰では十分な警戒が必要です。

気温が氷点下でなくても凍結する理由

「水が凍る温度は0度」と学校では習いますが、気温が0℃を下回れば必ず路面が凍るわけではありません。夏の気温が30〜40℃のとき、直射日光を浴びたアスファルトは60℃以上になることがあります。黒いアスファルトには熱を蓄える性質があり、冬も同じことが起こります。つまり、気温が氷点下であっても日光が当たっていれば路面温度は上がり、凍結しにくくなるのです。

ところが、日の出前や日没後など太陽が出ていない時間帯、また降雪で路面が長時間雪に覆われている状況では、気温よりも路面温度の方が低くなります。この状態が続くと、路面は凍結しやすくなります。

凍結しやすい危険スポット「橋の上・トンネル出入り口・日陰」

路面凍結が起こりやすい場所には、いくつかの特徴的なスポットがあります。

まず市街地では「交差点の停止線付近」に注意が必要です。圧雪アイスバーンの上を多くのクルマが通行すると、ツルツルとした路面になります。車道に積もった雪はタイヤで押し固められ、さらにクルマの熱で溶かされたり、停車と発進を繰り返すタイヤで磨かれたりすることで、やがて鏡のように滑らかなスケートリンク状態になります。特に交差点でのミラーバーンは、追突などの深刻な事故につながる危険性が高いので注意が必要です。

また、「トンネルの出入り口付近」も危険なエリアです。トンネル内部は風や日光の影響を受けないため放射冷却が起こりにくく、雪は解けにくい環境にあります。しかし出入り口付近は日光や強風などの影響で、解けた雪が凍結していることがあるのです。

そして特に注意したいのが「橋の上」です。水面を渡る橋は大地に接していないため地熱の影響がなく、さらに川などの上には風を遮る地形や建造物もないことから、上下を風が通り抜けて路面温度が下がりやすくなっています。

これらの場所では、解けた雪が夜間の気温低下によって再び凍結を繰り返すことで、氷が厚くなったり、凍結範囲が広がったりしている危険性があります。

事故を防ぐために:スタッドレスタイヤの残り溝と製造年をチェック!


ミラーバーンによる事故を防ぐためには、スタッドレスタイヤの装着はもちろん、タイヤのメンテナンスも重要です。スタッドレスタイヤには、「プラットホーム」と呼ばれる使用限界を示すサインがあります。これはタイヤのサイド部分にある「↑」マークの延長線上、溝の中に設置されており、摩耗が進むと露出してくる仕組みになっています。

プラットホームが露出するのは、溝の深さが新品時の半分(50%摩耗)になったときです。このサインが1カ所でも現れたら、そのタイヤは冬道での性能を十分に発揮できなくなるため、冬用タイヤとしては使用できません。上の画像のように100円玉を使うと、残り溝の深さを簡易チェックできます。100円玉の端から「1」の数字までは、約5mm。スタッドレスタイヤの溝に100円玉を差し込んだときに「1」の数字が見えたら、タイヤ交換のサインです。

なお、スタッドレスタイヤは走行場所や使用頻度などによって寿命が変わりますが、一般的に3〜5シーズンは使用できるといわれています。ただし、走行距離が少なくてもタイヤのゴムは経年劣化します。JATMA(日本自動車タイヤ協会)では、使用開始から5年以上経過したタイヤは点検し、製造から10年以上経過したタイヤは交換することを推奨しています。製造年と週はタイヤ側面に刻印された番号の下4桁からわかるので、必ず確認しておきましょう。また、ヒビが入っていないかどうか、見た目の経年劣化のチェックもお忘れなく。

実践!アイスバーンを安全に走るための「3つの操作原則」

アイスバーンを安全に走るための基本原則は3つあります。

アクセル・ブレーキ・ハンドル:「急」操作がNGな理由

雪道に限ったことではありませんが、急ブレーキや急ハンドルなど「急」のつく動作は避けましょう。雪道ではさらにブレーキの効きが悪くなるため、焦って急ブレーキを踏むとタイヤがロックして操作できなくなり、クルマの動きが非常に不安定になります。

それを防ぐためにも、ブレーキを小刻みに踏む「ポンピングブレーキ」でゆるやかに停車させる意識をもつことが大切です。また、車間距離を普段よりも長めに取り、カーブ前の減速も早めに行いましょう。

ABS搭載車のブレーキ術

路面の状態に異変を感じたら、緊急時に備えて、低速(30km/h程度)で減速する際にブレーキを強めに踏んでABSの作動を確認しておくと安心です。ABSは「ブレーキを踏んでからの制動距離を短くする装置」と誤解されがちですが、本来は「衝突しそうな状況での急ブレーキ時に、タイヤをロックさせず、緊急回避のハンドル操作を可能にするもの」であることも心得ておきましょう。

クリープ現象を有効活用した発進・停止コントロール

発進時のアクセルの踏み込みは、ゆっくりと慎重に行いましょう。雪道や凍結路では、急発進でなくてもタイヤに駆動力がかかりすぎて空転してしまうことがあります。そんなときは、AT車であればクリープ現象を利用して発進することも可能です。アクセル操作は、タイヤが少し動いてから操作するくらいの気持ちで行いましょう。アクセルを踏むのではなく、靴底を押す(靴の中で足指を動かす)イメージで、そっと行うとスムーズです。

万が一スリップしてしまったら?パニックを防ぐ心構え

もしも実際にスリップしてしまった場合、身体がこわばってハンドル操作もままならず、ブレーキを踏むので精一杯になることも考えられます。まずはクラクションを鳴らすなどして、周囲に危険を知らせましょう。そうすることで二次被害を軽減できる可能性が高まります。

アイスバーンの上ではクルマが浮いているような感覚になり、タイヤから聞こえる音も変わります。このようなちょっとした変化に気づくためにも、日ごろからオーディオの音量は控え、正しい姿勢で運転するように意識したいところです。

冬の運転では、「凍っているかもしれない」「滑るかもしれない」「止まれないかもしれない」「信号が変わるかもしれない」「前のクルマが減速するかもしれない」といったように、さまざまな状況を常に予測しておくことも大切です。

まとめ:正しい知識と準備で、冬のドライブを安全・快適に

アイスバーンの恐怖は、その正体を知らないことから生まれます。路面凍結のメカニズムを理解し、危険なスポットを把握し、適切な運転技術を身につければ、冬道への不安は大きく軽減できます。

何より大切なのは、スタッドレスタイヤの状態を定期的にチェックし、常に「かもしれない運転」を心がけることです。正しい知識と準備で、この冬も安全で快適なドライブを楽しみましょう。

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