ON THE ROAD
  • TOP
  • HOW TO
  • タイヤの空気圧の確かめ方は?点検の頻度や手順、注意点を解説!
TOYO TIRES

タイヤの空気圧の確かめ方は?点検の頻度や手順、注意点を解説!

タイヤの空気圧の確かめ方は?点検の頻度や手順、注意点を解説!
heart

クルマの安全や乗り心地アップに欠かせないメンテナンスのひとつが、タイヤの空気圧管理です。適正空気圧を維持することで、燃費の向上やタイヤの長寿命化にもつながります。ところが実際には、タイヤの空気圧管理を十分に行っているドライバーは少ないのが現状です。

今回の記事では、タイヤの空気圧の基本的な知識から、正しい点検方法、空気の入れ方まで詳しく解説していきます。

なぜタイヤの空気圧の点検が必要なのか

クルマの走行距離にかかわらず、タイヤは時間の経過とともに自然に空気が漏れ出していくため、定期的な補充が必要です。

空気圧の変化は外見上では判断しにくく、運転中に違和感を覚える頃にはすでに深刻な問題になっている可能性があります。定期的な空気圧点検によって、タイヤのさまざまなトラブルを防ぎ、快適な乗り心地を保つことができるのです。

タイヤの空気圧が不足している場合のリスク

タイヤの空気圧の確かめ方は?点検の頻度や手順、注意点を解説!

空気圧が不足した状態での走行には、さまざまなリスクがあります。

まず、タイヤがつぶれて両端部分に負荷がかかることで、偏摩耗(両肩摩耗)が発生しやすくなり、タイヤの寿命が大幅に縮んでしまいます。また、空気圧不足で転がり抵抗が増えることで燃費が悪化し、ランニングコストの増加にもつながります。

さらに危険なのは、走行中の安全性に関わる問題です。雨天時にはハイドロプレーニング現象が起こりやすくなってスリップの危険性が高まるほか、高速走行時にはスタンディングウェーブ現象が発生しやすくなり、タイヤの異常発熱でバーストやセパレーション(内部構造の剝離)を引き起こす可能性があります。また、タイヤが過度に変形することで、ホイールからタイヤビード部が外れやすくなり、重大な事故につながる恐れもあります。

乗り心地の面でも、空気圧が不足しているとタイヤが揺れるような感覚を覚えることがあります。

タイヤの空気圧が過多の場合のリスク

タイヤの空気圧は高過ぎてもさまざまな問題が発生します。

空気圧過多の状態では、タイヤの中央部分に荷重が集中して偏摩耗(センター摩耗)が発生しやすくなり、タイヤの寿命が短くなります。

また、タイヤのクッション性が低下し、路面の凸凹や段差などの衝撃が直接車体に伝わりやすくなるため、乗り心地も悪化します。

さらに空気圧が高いとタイヤのゴム部分が過度に張った状態になるため、縁石との接触や路面の突起物によるカット傷を受けやすくなり、パンクのリスクも高まります。

「空気圧を高めに設定すると燃費が上がる」という説もありますが、これらの問題を踏まえるとそのメリットは微々たるものです。

タイヤの空気圧を点検する頻度は?

一般的に、タイヤの空気圧は1カ月間で5%程度減少するとされています。また、気温の変化も空気圧に大きく影響し、気温差20℃で約7%の変化が生じます。

これらを考慮すると、最低でも月1回の点検が理想的といえるでしょう。目視だけでは正確に判断できないため、必ず専用のエアゲージで測定することが大切です。

スペアタイヤの点検はどうすればいい?

タイヤの空気圧の確かめ方は?点検の頻度や手順、注意点を解説!

多くのドライバーが見落としがちなのが、スペアタイヤの空気圧点検です。緊急時に使用するスペアタイヤが空気不足では、いざという時に役立ちません。

スペアタイヤを積んでいる場合は、年に1回程度点検しておくことをおすすめします。指定空気圧は、タイヤ側面などに記載されているため、必ず確認してから調整を行いましょう。黄色いホイールの応急用タイヤ(テンパータイヤ)は、通常のタイヤの約2倍の空気圧が指定されています。

タイヤの適切な空気圧を知る方法

タイヤの適切な空気圧(指定空気圧)は、一般的に運転席ドアの開口部に貼られているラベルで確認できます。見つからない場合は、給油口の蓋や取扱説明書などで確認しておきましょう。

空気圧の単位はkPa(キロパスカル)で表示されており、クルマの種類によっては前輪と後輪で異なる数値が設定されている場合があります。これは車両の重量配分や走行特性を考慮して設定されているものなので、必ず指定された数値に合わせることが大切です。

ケースによって適切な空気圧は変わるのか

基本的には車両に記載された指定空気圧に合わせることが前提ですが、特定の条件下では異なる設定が必要になる場合があります。例えば以下の2つのケースが考えられます。

1:インチアップを行った場合

インチアップとは、タイヤの外径をほとんど変えずにホイールサイズを大きくすることです。タイヤの断面の高さが小さくなると内部の空気も少なくなるため、純正タイヤの負荷能力を維持するためには空気圧を高めに設定しなければいけない場合があります。

2:規格の異なるタイヤを装着した場合

また、エクストラロード(XL)規格やリインフォースド(Ref)規格などのタイヤを装着した場合も、通常と異なる空気圧設定が必要になる場合があります。適切な空気圧設定を行わないと、本来の負荷能力を発揮できないので注意しましょう。

なお、インチアップや規格の異なるタイヤを装着した場合の空気圧はタイヤメーカーなどのWEBサイトに掲載されている「空気圧別負荷能力一覧表」から調べられますが、具体的な設定についてはタイヤ専門店やディーラーに相談することをおすすめします。

自分でタイヤの空気圧を点検する方法

タイヤの空気圧の確かめ方は?点検の頻度や手順、注意点を解説!

タイヤの空気圧点検は、基本的な手順を覚えてしまえば誰でも簡単に行えます。ガソリンスタンドなどでも無料でできるので、普段から給油のついでに点検する習慣をつけておくとスムーズです。ここからは具体的な手順について解説します。

タイヤの空気圧を点検する手順

  1. 指定空気圧の確認
    運転席ドアの開口部や取扱説明書で、指定空気圧(適正空気圧)を確認します。前後輪で数値が異なる場合があるので、必ず両方を確認しましょう。
  2. エアバルブキャップの取り外し
    タイヤのエアバルブからキャップを外します。小さな部品なので、紛失しないよう注意しましょう。
  3. エアゲージでの測定
    エアゲージのホース先端をエアバルブに押し当てて、現在の空気圧を測定します。
  4. 空気圧の調整
    測定結果と指定空気圧を比較し、必要に応じて調整します。「+」ボタンで空気を入れ、「-」ボタンで空気を抜いて、適正な空気圧に合わせます。
  5. エアバルブキャップの取り付け
    作業完了後は、必ずエアバルブキャップを取り付けます。ここまでの工程を4本分繰り返しましょう。
  6. 据え置き型の空気圧調整機の使い方
    また、場所によっては据え置き型の調整機が設置されている場合もあります。デジタル式とダイヤル式、それぞれの使い方についても確認しておきましょう。

デジタル式の使用方法

  • 車両を調整機の近くまで移動させます。
  • 調整機のボタンを操作して指定空気圧を設定します。
  • エアバルブのキャップを外し、ホース先端をタイヤバルブに押し当てます。
  • 自動的に空気圧が調整され、完了音が鳴ったらキャップを閉めて終了です。

ダイヤル式の使用方法

  • 車両を調整機の近くまで移動させます。
  • 調整機のメーター横のダイヤルを回して、針を指定空気圧に合わせます。
  • エアバルブのキャップを外し、ホース先端をタイヤバルブに押し当てます。
  • 自動的に空気圧が調整され、完了音が鳴ったらキャップを閉めて終了です。

据え置き型の機器は、現在の空気圧の測定はできませんが、設定した空気圧まで自動で調整してくれるため、初心者でも簡単に使用できます。

自分でタイヤの空気圧を点検する際の注意点

最後に、自分で空気圧点検を行う際に注意したいポイントについてご紹介します。

タイヤが冷えた状態で点検をする

タイヤが温まると内部の空気が膨張し、実際よりも高い空気圧が表示されます。正確な空気圧を測るために、点検は必ずタイヤが冷えた状態で実施しましょう。タイミングとしては、早朝や夜間の走行開始前が理想的です。ガソリンスタンドなどで点検をする場合はなるべく近距離の場所を選び、低速走行を心がけると良いでしょう。

より正確に空気圧を管理したい場合は、エアゲージを購入して自宅で点検するのも手です。コンプレッサーを接続できるものを選べば、計測と空気入れ作業を同時に行えます。

タイヤが温まった状態で空気は絶対に抜かない

タイヤが温まった状態で適正値まで空気を抜いてしまうと、タイヤが冷えた時に空気圧不足になる可能性があります。やむを得ずタイヤが温まった状態で点検する場合は、指定空気圧よりもやや高めに設定し、冷えた後に再度調整を行うことをおすすめします。

まとめ

タイヤの空気圧管理は、クルマの安全性やコスト、乗り心地を左右する重要なメンテナンスです。月1回程度の点検を習慣化し、正しい手順で空気圧の測定・調整を行いましょう。スペアタイヤの点検も忘れずに行い、インチアップや規格変更を行った場合は専門店での相談を受けることをおすすめします。

こまめな点検に不安がある場合は、空気圧が低下しにくくなる「窒素ガス充填」も検討してみてください。

pagetop