運転免許の更新をうっかり忘れそうになったことはありませんか? 期限切れの対処法はそのときの状況によって異なります。今回の記事では、免許の更新期間から失効後の手続きまで、ケース別に詳しく解説します。
目次
運転免許の更新期間
運転免許の更新期間は、更新する年の誕生日の1カ月前から1カ月後までの2カ月間です。ただし、最終日が土曜日・日曜日・祝日・休日・年末年始の休日期間の場合は、次の平日まで更新期間が延長されます。
更新時期が近づくと、お住まいの地域の公安委員会から通知ハガキ(更新連絡書)が届きます。届く時期は都道府県によって多少異なりますが、誕生日の約31~40日前が一般的です。
更新手続きに必要なもの
続いて、免許更新をする際の持ち物についてご紹介します。通知ハガキにも記載されているので、自分に必要なものをしっかり確認しておきましょう。
- 現在の運転免許証
運転免許証は免許更新に必須の持ち物です。紛失などにより手元にない場合は、必ず事前に運転免許センターなどで再交付手続きを行ってください。また、行政処分中で免許証がない場合は免許停止処分書などを提示します。
- 通知ハガキ
免許の更新時期を知らせる通知ハガキも持参しておきましょう。何らかの理由で用意できなかった場合は、受付窓口でその旨をお伝えください。なくても更新は可能ですが、持参した場合に比べて時間がかかります。
- メガネや補聴器(必要な場合)
適性検査(適性試験)では視力や聴力などの検査が行われます。メガネや補聴器などが必要な方は忘れずに準備しておきましょう。
- 暗証番号
免許の更新時には、ICカード免許証用に数字4桁の暗証番号を2種類設定します。あらかじめ番号を決めておくとスムーズです。
- 高齢者講習終了証明書(70歳以上の方)
更新期間満了日の年齢が70歳以上の方は、高齢者講習終了証明書などが必要です。さらに75歳以上の方は、認知機能検査結果通知書や運転技能検査受検結果証明書(※誕生日の160日前の日前3年間に一定の違反行為がある方)なども必要になります。
- 証明用写真(必要な場合)
更新場所によっては、証明用写真を持ち込みできる場合もあります。ただし、使用可能な写真の内容には規定があり、免許証が後日交付となる可能性もあるので、詳しくはお近くの免許センターにお問い合わせください。
- 在留カードなど(外国籍の方)
外国籍の方は、在留カード、特別永住者証明書、住民票(個人番号が記載されていないもの、コピー不可)、パスポートなどが必要です。
免許の更新を忘れてしまった
運転免許の更新期限を過ぎてしまうと、「免許失効」という状態になります。当然ながら、この状態ではクルマを運転できないので注意しましょう。
その後の対応は、失効後の経過期間や失効理由などによって異なります。基本的には更新手続きではなく、新たに免許を取得する手続きとなります。ここからはケース別の対処法を見ていきましょう。
期限超過後6カ月以内の場合は再取得可能
失効理由にかかわらず、更新期限を過ぎてから6カ月以内であれば、所定の講習と適性検査を受ければ免許証が再交付されます。学科試験と技能試験は免除されるため、大きな負担なく再取得が可能です。
うっかりで6カ月以上更新を忘れた場合
それでは6カ月を過ぎてしまうとどうなるのでしょうか。うっかり失効してしまった場合の手続きは以下のとおりです。
期限から6カ月以上〜1年以内の場合
うっかり失効してから6カ月を超えて1年以内の場合は、それまで取得していた免許の種類に応じた「仮免許」の交付手続きとなります。仮免許の学科試験と技能試験は免除されますが、交付されるのはあくまで仮免許のため、その後路上練習や本免許の学科試験・技能試験などを受けて本免許証を取得し直す必要があります。
期限から1年以上経過した場合
うっかり失効してから1年以上経過してしまった場合は、ゼロから免許を取り直す必要があります。試験の免除は一切なく、教習所の費用や試験費用なども新たにかかるため、経済的・時間的な負担が大きくなります。
やむを得ない事情があった場合
ただし、更新期限を過ぎた理由が「やむを得ない事情」によるものだった場合は、特別な対応が可能な場合があります。
やむを得ない事情とは
やむを得ない事情として認められるのは、主に海外赴任や海外留学を含む海外旅行、入院、在監などです。これ以外にも、公安委員会がやむを得ないと判断する事情があれば認められます。
期限から6カ月以上〜3年以内の場合
やむを得ない事情があり、免許失効後6カ月以上3年以内の場合は、やむを得ない理由が終わった日(帰国や退院など)から1カ月以内であれば学科試験と技能試験が免除されます。つまり、適性検査のみで再取得が可能となります
期限から3年以上経過した場合
やむを得ない事情があったとしても、失効から3年以上経過した場合は、原則としてゼロからの再取得となります。
ただし、海外赴任等の理由で更新ができず、失効して帰国した際に「失効後3年以内で帰国後1か月以内」であれば、学科試験と技能試験が免除される特例があります。また、滞在先の外国・地域で免許を取得している場合は、失効後の期間に関わらず学科試験と技能試験が免除され、免許を取得する特例もあります。
更新手続きに必要なもの
やむを得ない事情があった場合の更新手続きには、通常の持ち物に加えて以下のものが必要です。
- 本籍(国籍等)が記載された住民票の写し(住民基本台帳法の適用を受ける方)
マイナンバー(個人番号)が記載されていないものを用意しましょう。コピーは不可となります。
- 失効した運転免許証
紛失などで手元になくても手続きは可能ですが、持参した場合に比べて時間がかかります。
- 申請用写真1枚
各試験場や免許センターにある自動証明写真機(スピード写真機)でも撮影可能です。申請用の写真であり、免許証に使用される写真ではありません。
- やむを得ない理由及びその期間等を証明する書類
パスポート(旅券)、入院証明、診断書、在監証明など、やむを得ない事情とその期間を証明する書類を持参しましょう。
特に海外渡航で、出入国の際に自動ゲートを利用してスタンプが押印されていない場合は、在外公館が発行する在留証明や、申請者の勤務先が発行する駐在証明など、日本を出国した日と日本に入国した日を確認できる書類が必要です。出入国年月日が確認できるものを用意できない場合は、出入国在留管理庁から出入国記録を取得してください。
再取得の場合、ゴールド免許は引き継がれるか
なお、免許の再取得時にゴールド免許が引き継がれるかどうかは、失効理由と経過期間によって異なります。
うっかり更新を忘れた場合は、6カ月以内の更新でもブルー免許になってしまいます。一方、やむを得ない理由がある場合は、6カ月以内の更新であればゴールド免許が維持されます。
海外渡航や出産などが免許の有効期限に重なることが事前にわかっている場合は、期間を待たずに更新手続きをすることも検討しても良いでしょう。ただし、更新期間前に手続きをすると、運転免許の有効期間は通常の更新より短くなります。
まとめ
運転免許の更新を忘れてしまった場合、経過した期間や理由によって対処方法が異なります。できる限り期限内に更新することが大切ですが、やむを得ない事情がある場合は、証明書類をそろえてすみやかに手続きを行いましょう。
免許更新は、日頃の自分の運転をふり返る大切な機会です。交通ルールの再確認や安全運転の意識を高めることもお忘れなく。