クルマの美しさを保ち、キズや汚れを防ぐお手入れとして人気のボディコーティング。中でも特に性能が高いといわれているのが「ガラスコーティング」ですが、プロに頼むと高額な費用がかかるため、施工をためらうドライバーさんも多いかもしれません。
今回はガラスコーティングを自分で行う方法を調べようとしている方のために、施工方法とコツについて詳しく解説します。
目次
クルマのコーティングを自分で行うメリット
コーティングを自分で行う一番のメリットは、施工費用を抑えられる点です。プロに依頼すると安くても2万円程度、より効果の高いものでは20万円以上になる場合もあるのに対して、DIYのガラスコーティングの相場は6,000円〜9,000円程度です。下地処理などを含めても合計1万5,000円程度で十分なので、施工費用を大幅に抑えられます。また、気になる部分を重点的にできるのもDIYならではのメリットといえるでしょう。
コーティング施工で成功するためのコツ
DIYコーティングをきれいに仕上げるためにはいくつかのコツがあります。ここでは4点のポイントをご紹介します。
作業は朝から行う
コーティング作業は、洗車からコーティングまでおよそ10工程、時間にして8時間程度かかります。作業を中断すると汚れやホコリが付いてしまう可能性があるため、明るいうちに一気に終わらせることを考えると朝から作業を始めるのが理想的です。
下地処理を丁寧に行う
美しいコーティングに下地処理は不可欠です。下地処理では、普段の洗車では取り除けない油膜や鉄粉、水垢などの除去を行います。手間はかかりますが、丁寧に行うことでより美しい仕上がりが長持ちします。
洗車は水道水で行う
下準備の洗車では必ず水道水を使うようにしましょう。井戸水など、ミネラルを多く含む水で洗車すると水滴が乾いたときにミネラル分が白く残り、水垢の原因になります。
コーティング後は最低でも24時間はぬらさない
使用する商品の種類によって異なりますが、コーティング被膜が乾燥・定着するまでには1日程度かかるといわれています。完全に乾く前にぬらしてしまうと、硬化不良を起こして耐久性や撥水性が落ちたりする可能性があります。施行前には必ず天気予報をチェックして、万が一雨などでぬれてしまった場合はすみやかに水気を拭き取りましょう。
コーティング前の下地処理手順
ここからは実際の作業手順について解説します。まずはコーティング前の準備です。洗車と下地処理は大まかに以下の7つの手順に沿って行います。
- 隙間やパーツ周辺の汚れ除去:普段の洗車では落としにくい、エンブレムやライト周辺、エアロパーツなどの隙間の汚れを除去します。筆や小さなブラシがあると便利です。
- ボディの洗車:摩擦によるキズを防ぐため、全体をぬらしたうえでしっかり泡立てて洗車しましょう。後の作業があるのでここでは拭き上げの必要はありません。
- 鉄粉の除去:ボディがぬれた状態で鉄粉除去剤を塗布します。時間を置くと鉄粉部分が変色するので専用の粘土を使って取り除き、水ですすぎます。
- 油膜の除去:油膜除去剤をスポンジで塗り込み、すすぎます。すすぎが甘いとシミの原因になるので注意しましょう。十分に洗い流したら水分を拭き上げます。ワックスや排ガスなどでできた油膜を除去しておくことで、コーティングの密着性を高められます。
- イオンデポジット(水垢)の除去:イオンデポジット除去剤で、白く残った水垢を落としていきましょう。落としきれない水垢は、塗装面が陥没した「ウォータースポット」の可能性があります。無理に擦ると傷つく原因になるので注意してください。
- 小キズの除去:小キズがある部分に研磨剤(コンパウンド)をやさしく塗り込み、ぬれタオルで拭き取ります。新車などで小キズがない場合は必要ありません。
- 脱脂作業:マイクロファイバークロスなどの布に脱脂剤をとり、ボディ全体にムラなく塗り込んでいきます。塗装面の油分や余分な成分を除去することによってコーティングが密着しやすくなります。
コーティングの手順
準備が終わったらいよいよコーティングです。手順を3つに分けてご紹介します。
コーティング剤の塗り込み
専用のスポンジにコーティング剤を付けて、ボディに塗り込んでいきます。一気に広範囲に塗り込むと硬化してムラになりやすくなります。特に気温の高い日や直射日光が当たる場所では乾燥が早いので注意しましょう。
約20cm四方の狭い範囲で少しずつ塗り進め、「ドア1枚分塗り込み終わったら拭き取る」といったように、1カ所ずつ進めていくことをおすすめします。
コーティング剤の拭き取り
マイクロファイバークロスでコーティング剤を拭き取ります。クロスにコーティング剤が多く付着すると、パネルやガラス面にはみ出して固まったり、ムラになったりする可能性があるので、数枚用意しておくと安心です。
コーティング剤の定着
コーティングした部分を乾燥させます。表面が乾燥する前にぬれると持続期間が短くなったり、本来のツヤが失われたりする可能性があります。最低でも24時間は水に触れないように注意しましょう。
コーティング施工後のお手入れについて
美しい光沢を維持するためには施工後のメンテナンスも大切です。2つのポイントをご紹介します。
最適な洗車の頻度
駐車環境やボディの色によって、汚れの付きやすさと目立ちやすさは異なります。以下の目安を参考に洗車を行いましょう。
- 青空駐車(ボディの色:濃色)…週1回
- 青空駐車(ボディの色:淡色)…月2回
- 屋内駐車(ボディの色:濃色)…月2回
- 屋内駐車(ボディの色:淡色)…月1回
なお、洗剤の成分によってはコーティングに影響を与える可能性があるため、基本的には水洗いをおすすめします。
適度なコーティングメンテナンス
施工から時間が経つと、コーティング層に汚れが蓄積されていきます。放置すると固着して浸透してしまうため、定期的にメンテナンスクリーナーなどを使って取り除く必要があります。洗車と同様、愛車の駐車環境とボディの色に応じてメンテナンスを行いましょう。
- 青空駐車(ボディの色:濃色)…月1回
- 青空駐車(ボディの色:淡色)…2か月に1回
- 屋内駐車(ボディの色:濃色)…3か月に1回
- 屋内駐車(ボディの色:淡色)…半年に1回
まとめ
今回の記事では、ガラスコーティングを自分で行う方法について解説しました。「素人では手がかかる」といわれるガラスコーティングも、道具さえあればそれほど大変な作業ではありません。ガラスコーティング剤ひとつとっても商品によって価格や特徴が異なるので、これから道具をそろえるという人はよく比較しながら選んでみてくださいね。