運転経験が長くなってくると、ハンドル操作(ステアリング)が自己流になることもめずらしくありません。中でも「送りハンドル」は多くのドライバーが使用している方法ですが、デメリットも理解しておく必要があります。そこで今回の記事では、送りハンドルの意味やNGとされているハンドル操作などについて詳しく解説します。
目次
送りハンドルとは
送りハンドルとは、一言で言えば「握る位置をほとんど変えずにハンドルを回すこと」です。例えば右折をするときは、ハンドルを右方向に少し回したらすぐに右手の位置を元に戻し、左手の位置も元に戻します。常に、基本となる「9時15分」の位置に両手がある状態です。この送りハンドルでは腕が交差しないため、「ハンドルを握る力が安定しやすい」「ハンドルを切り足しやすい」「姿勢を保ちやすい」といったメリットがあります。
送りハンドルのデメリット
その一方で、送りハンドルには「とっさの危機回避に対応しづらい」「操作の途中でタイヤの方向がわからなくなりやすい」といったデメリットもあります。特に大きく曲がるときやUターン(転回)するときなどは、ハンドルを持ち替える回数が増えて操作が遅れやすいので注意が必要です。
状況に応じた送りハンドル・クロスハンドルの使い分け
送りハンドルとは異なるハンドル操作方法として「クロスハンドル」があります。
クロスハンドルの場合は、ハンドルを回すときに左右の腕をクロス(交差)させるような形で大きく持ち替えていきます。「素早くハンドルが切りやすい」「ハンドルをどれくらい切ったかがわかりやすい」といったメリットがある一方で、「ハンドルを片手で握る時間が長いため安定性が落ちる場合がある」「細かい切り足しがしづらい」というデメリットもあります。
このようにそれぞれにメリット、デメリットがあるので、どちらかに固定しなければならないというわけではありません。基本的に右左折は送りハンドル、転回時はクロスハンドルといったように、状況や操作のしやすさに応じて柔軟に使い分けることをおすすめします。
行ってはいけないとされるハンドルの持ち方
最後に、一般的に行ってはいけないとされるハンドルの持ち方を2種類ご紹介します。
内掛けハンドル
1つは、ハンドルを内側から握る「内掛け(逆手)ハンドル」。緊急時のハンドル操作が難しく、さらにエアバッグ作動時に腕を負傷する危険性もあるため、なるべく避けたい操作方法です。
片手ハンドル
そしてもう1つは、片手でハンドルを握る「片手ハンドル」です。片手での運転は一見楽なようにも見えますが実は疲れやすく、「ハンドルに力が伝わりにくい」「安定性が損なわれる」「緊急時に操作が遅れる」「腕に隠れてスピードメーターが見えにくい」などの多くの危険があるため、絶対に避けたい操作方法です。
まとめ
ハンドルの回し方は車の安全性に大きく関わってくる部分です。曲がり角の大きさやスピードなど、そのときの走行状況に応じて最適な方法を選びましょう。正しいハンドル操作を心掛け、安全かつ快適なドライブを楽しんでくださいね。