通勤・通学や早朝のお出掛けの際、愛車のフロントガラスが凍り付いていたという経験はありませんか? ただでさえ忙しい朝、スムーズに出発するには正しい対策を知っておくことが大切です。今回の記事ではクルマのフロントガラスが凍結する原因と対処法について詳しく解説します。
目次
フロントガラスはなぜ凍結するのか
そもそもフロントガラスはなぜ凍結してしまうのでしょうか。凍結しているのが外側か内側かによってそれぞれ原因は異なります。
外側のフロントガラスが凍結する理由
フロントガラスの凍結の多くは外側で起こります。この場合の主な原因は「放射冷却」です。
そもそも放射冷却とは、物体が熱エネルギーを放射して冷却される現象のこと。すべての物体に起こる現象ですが、気象情報などでよく耳にする放射冷却とは、日中に温められた地表の熱が上空に逃げて冷え込むことを指します。特に晴れていて風の弱い夜は、さえぎる雲がないので地表の熱が逃げやすく、さらに冷えた空気が周囲の暖かい空気と混ざりにくいため、急激に冷え込みやすくなります。その結果、空気中の水蒸気が霜となってフロントガラスに降りるのです。
内側のフロントガラスが凍結する理由
こちらはレアなパターンですが、フロントガラスの外側だけでなく内側にも凍結が起こる場合があります。東北などの寒さの厳しい地域では、車内の湿度が高かったり、ガラスの内側が汚れていたりすると、内側まで凍結する場合があるようです。
フロントガラスが凍結した場合の対処法
フロントガラスが凍結したら、「とにかく解かさなくては!」と思うかもしれませんが、焦りは禁物。正しい手順を踏まないと破損につながる危険性があります。
凍結したときの対処法
フロントガラスが凍結したときの対処法として最もポピュラーなのが、クルマのくもり止め機能(デフロスター)を使う方法です。内気循環で最高温度に設定して運転することで、10分程度で視界を確保できます。
さらにおすすめなのが、「解氷剤」や「解氷スプレー」を使うという方法。エタノールなどを主成分としたこちらのアイテムは、アルコールの融点の低さを利用して素早く簡単に解凍する効果があります。安いものなら数百円程度で購入できるので、冬場は1本あると安心です。解けたあとの水分は、布やスクレーパーなどでふき取りましょう。
このような便利アイテムをデフロスターと併用すればアイドリング時間を短縮できるため、単に時短になるだけでなく、環境面にやさしいのも大きなポイントです。
凍結したときにやってはならないこと
焦っているときにやってしまいがちなNG行動が、凍結したフロントガラスにお湯(熱湯やぬるま湯)をかけてしまうこと。解けた水が再び凍ってしまうほか、急激な温度変化でガラスが割れてしまう危険性もあるので注意しましょう。
フロントガラスの凍結予防
事前に冷え込みが予想される場合、対策をしておけば凍結を防げます。最も有効なのが、夜間にあらかじめフロントガラス部分に「凍結防止カバー」をかけておく方法。夏は日よけとして兼用できるタイプもあります。カバーによってサイズや取り付け方法は異なるため、カー用品店などで購入前にご確認ください。
また、フロントガラスに「撥水剤」を塗布しておくのもおすすめです。撥水剤といえば梅雨時の使用を思い浮かべる方も多いかもしれませんが、水滴以外にも霜や雪が付きにくくなる効果があります。事前に塗っておけば、上に雪が積もってしまっても、スノーブラシやスクレーパーでサッと落とすことができ、スムーズに視界を確保できます。ただし、ガラスに汚れがある状態でスクレーパーなどを使用すると傷つく原因になるので、常にきれいに保っておく必要があります。
なお、冬場に凍結するのはフロントガラスだけではありません。ワイパーのゴムやリアガラス、ドアや鍵穴なども凍結する可能性があります。寒冷地の屋外に駐車する際は、ワイパーは必ず立てておき、ドア付近の水分はこまめにふき取るようにしましょう。