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エンジンの冷却水とは?補充や点検・交換の方法を解説!

エンジンの冷却水とは?補充や点検・交換の方法を解説!
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クルマのエンジンルーム内にはさまざまな液体類・オイル類が装備されています。中でも比較的目立つのが、ピンクや緑色などの色がついた「冷却水」です。

この記事では冷却水の役割や注意したいトラブル、メンテナンス方法などの情報について詳しく解説します。

クルマの冷却水はどんな役割?

冷却水とはその名のとおりエンジンを冷却するための水で、別名「ラジエーター液」「クーラント」とも呼ばれます。通常の水とは異なり、冬場でも凍結せず、エンジン内の金属部品をサビさせたり腐食させたりしないのが特徴です。

現在国内で自動車メーカー純正品として採用されている冷却水は、赤・緑・青・ピンクの4色。赤と緑はエチレングリコールが主成分の「LLC(ロング・ライフ・クーラント)」、青とピンクはプロピレングリコールが主成分の「スーパーLLC」といったように色によって成分は異なりますが、基本的な役割は同じです。スーパーLLCの方がLLCよりも長寿命というメリットはありますが、どちらもエンジンの熱を奪った後ラジエーターで冷やされ、再びエンジンに循環する……という流れを繰り返しています。

冷却水の点検方法

ボンネットを開けて、エンジンルーム内のリザーバータンクを目視で確認します(ウォッシャー液のタンクと見間違えないように注意!)。液面が「MAX / MIN」または「FULL / LOW」の間に収まっているか、冷却水の色が濁っていないかを確認します。

見えづらければ、ラジエーターキャップを開けて直接確認しても良いでしょう。ただし、この場合は必ずエンジンが冷えた状態で点検を行うことが重要です。高温の冷却水や蒸気が噴き出してやけどを負う恐れがあるからです。

冷却水の補充・交換方法

エンジンの冷却水とは?補充や点検・交換の方法を解説!

冷却水は、先述した漏れがなくても、長期間使用するうちに蒸発・劣化していく消耗品です。必要に応じて補充や交換を行いましょう。

冷却水の補充・交換頻度

耐用年数は冷却水の種類によって異なり、LLCなら2年~3年、スーパーLLCなら7年〜10年と言われています。メーカーや車種によっても異なるので、詳細は説明書をご確認ください。

冷却水の補充方法

補充する際は、リザーバータンクの目盛りを見ながら、適正量まで冷却水を注入します。冷却水は水で希釈するタイプと、そのまま使えるタイプがあるので確認しておきましょう。

なお、冷却水は漏れたときにわかりやすいよう、なるべく同じ色の冷却水を入れるのがおすすめですが、「赤と緑」「青とピンク」など同じ耐用年数(成分)のものなら混ぜて使用することも可能です。

補充できたらキャップを閉め、次はラジエーターキャップを外してエンジンをかけます。液面から空気の泡が出なくなったことを確認してから、再びキャップを閉めます。これは「エア抜き」と呼ばれる作業で、冷却水の経路に入った空気がエンジンにダメージを与えるのを防ぐためのものです。少量の補充であれば、エア抜きは必ずしも必要ではありません。

冷却水の交換方法

冷却水が耐用年数を迎えたら、補充ではなく交換が必要です。古い冷却水を排出し、洗浄してから新しい冷却水を補充します。交換時はジャッキアップしてクルマの下に潜る必要があるため、得意でなければ無理せずプロにお任せしましょう。

また、耐用年数以内でも色が変わっていたり、泡立ちやすかったりといった状態は冷却水の劣化が進んでいる可能性があります。気になることがあればお近くのディーラーや自動車整備工場に相談してみてください。

冷却水の漏れや不足が原因で起きるトラブル

エンジンの冷却水とは?補充や点検・交換の方法を解説!

冷却水が漏れたり不足したりすると、エンジンの冷却性能が落ち、オーバーヒートを引き起こします。そのまま走行を続けるとエンストを起こし、エンジンが破損した場合は高額な修理工賃がかかることもあるので注意が必要です。

このほかにも、エンジン車の暖房はエンジンの熱で温まった冷却水を熱源として利用しているため、冷却水が不足するとエアコンの温風が出なくなることもあります。また、冷却水はラジエーターなどの部品内部の錆や凍結を防ぐはたらきもあるため、漏れや不足がこれらの部品の破損につながる場合もあります。

冷却水が漏れる原因

冷却水が漏れてしまう主な原因は、ラジエーターやラジエーターホース、ウォーターポンプなどの周辺部品の破損です。これらの部品が破損する原因は、経年劣化のほか、ラジエーター本体は飛び石などで穴が空いてしまうケースもあります。

また、古い冷却水を使用し続けることで部品内部の金属が劣化して、部品の寿命を早めてしまう場合もあります。冷却水の定期的な補充・交換はくれぐれもお忘れなく!

トラブルが起きたときの対処法

オーバーヒートの兆候としてわかりやすいのが、タコメーター近くにある水温計の上昇です。針がHマークに至らなくても、手前の目盛りまで温度が上がったり警告灯が光るなど異常を感じたら、速やかに安全な場所へ停車してエンジンを停止しましょう。このとき、むやみにボンネットを開けたりラジエーターキャップを開けたりすると、やけどを負う危険性があるのでくれぐれもご注意ください。

エンジンが十分に冷えたら、冷却水やエンジンオイルの状態を確認します。冷却水の量が極端に減っている場合は、液漏れが考えられます。同様にエンジンオイルも量が減っていたり、異物が混じっていたりする場合は何らかの異常が考えられるので、プロに相談しましょう。

なお、再度運転できるようになったとしても、オーバーヒートが発生したということはクルマに何らかのトラブルが隠れている可能性があるため、プロによる点検をおすすめします。加入している保険会社によってはオーバーヒートを起こした際に無料でロードサービスを受けられる場合もあるので、契約内容を確認してください。

冷却水の代わりに水道水を使うのはアリ?ナシ?

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ドライバーさんのなかには、「わざわざ冷却水を買うのが面倒」「水道水でもエンジンは冷えるのでは?」なんて思う方もいるかもしれません。実際のところ、冷却水の代わりに水道水を使うことは可能なのでしょうか。

基本的にはナシ

結論から言えば、冷却水として水道水を使用するのはNG。水道水は凍結して膨張するため部品の損傷をまねくほか、塩素やナトリウムなどの成分で金属部品を腐食させる危険性もあるからです。

緊急時にはアリ

エンジンを冷却するだけなら、水道水でも効果はあります。冷却水が著しく減っているのに近くに補充できるところがない場合など、あくまで緊急時の応急処置として、使った後は放置せずにお近くの整備工場などで点検を受けると安心です。

エンジンを搭載しているクルマにとって、冷却水は必要不可欠な存在です。うっかり手入れを怠ると、クルマが走行できなくなったり、パーツが故障して莫大な修理費用がかかることも……。自分で簡単に確認できる部分でもあるので、ぜひ今回ご紹介したポイントを定期点検にお役立てください。

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