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ドライブ中の「スタック」の意味とは?適切な脱出方法を解説!

ドライブ中の「スタック」の意味とは?適切な脱出方法を解説!
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記録的な寒波に見舞われると、増えるのが「スタック」によるトラブルです。事故や渋滞の原因にもなり、ロードサービスの出動件数も急増します。今回はスタックについて、そしてケース別の対処法を解説します。

スタックとは

スタック(stuck)とは、「動かせなくなる・はまりこむ」ことを意味し、雪が深く積もった道や、土が水を多量に含んで泥がぬかるんだ道、砂浜、広くて深い溝などにタイヤがはまり、空転し前進も後退も不可能な状況をいいます。アクセルを踏んでも路面とタイヤがスリップしてしまって駆動輪が空回りし、ハンドルを切ってもタイヤの周囲の雪や泥、砂を巻き込むだけでやはり動けない状態です。

スタックを防ぐために意識すべきこと

スタックを防ぐために意識すべきポイントは次の2つです。

  1. スタッドレスタイヤを装着していてもスタックの可能性がある
  2. スタック対策にはタイヤチェーンが有効

国交省の資料「近年の積雪状況および平成29年度豪雪の状況について」に掲載されたデータによれば、スタッドレスタイヤを装着していても縦断勾配5%以上の区間では立ち往生が多く発生しており、立ち往生した車両の89%はタイヤチェーン未装着でした。ドライブ前には必ず気象情報をチェックして、大雪が予想されるときは必ずタイヤチェーンを準備しておきましょう。

スタック状態から抜け出すには、どうすればよい?

積もった新雪に埋もれたり、ぬかるみにはまってスリップする場合

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スタックの原因として多いのが「雪道」です。踏み固められていない新雪が積もった道を進もうとしたときに、タイヤが空転し始め、そのままアクセルを踏み続けるといっそう深みにはまってしまいます。雪道でスタックした際はまず、前進とバックを少しずつ繰り返したり、クルマから降りて足で踏み固めたりしてタイヤ周辺の雪を踏み固めます。クルマを動かすときには、空転を防ぐためにアクセルはゆっくりと踏み込みましょう。

スコップを持っていたら、タイヤ周辺の雪を取り除いたり、スコップで雪を固めてみましょう。タイヤが雪の路面を捉え始めたら、積雪の少ない方向へハンドルを切り勢いをつけて移動させます。豪雪地帯では滑り止め用の砂が道路脇に設置されていることもありますので、利用しましょう。

なかなか脱出できない場合は、市販の脱出プレートやチェーンなどを駆動輪の下の雪に深く噛ませて、ゆっくりとアクセルを踏みながら進むと脱出しやすくなります。

泥によるぬかるみの場合も、ほぼ同様です。まずタイヤの周囲の土を取り除き、タイヤの前後に空間を作ります。その後は周囲の土をタイヤや足、スコップなどで踏み固めるようにしてタイヤが地面を捉えるようにしましょう。それでもスタックしたままであれば、タイヤと地面との間に木の板や布、フロアマットなどを敷いて空転を防ぐ方法もあります。

雪塊などに乗り上げ、車体が浮いてしまっている場合

硬い雪の塊などに車体が乗り上げてしまい、複数のタイヤが宙に浮いてしまっているケースでも、基本は同じです。初めは雪を踏み固めるように、徐々に前後に車体を動かします。タイヤと雪の路面とが接しない場合は、スコップなどで周囲の雪をかき出してタイヤが路面に着くようにします。

溝にはまるなど脱輪してしまった場合

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雪などで見えなくなっていた側溝などにはまって、完全に脱輪した場合は、対応に不慣れなドライバーが自分だけで対処するのは難しく特に注意が必要です。軽い車であれば同乗者に後ろから押してもらうか、周囲にサポートを依頼できそうな他のクルマがいれば、けん引してもらって脱出できる場合もありますが、自信がないときはJAFや自動車保険などのロードサービスに救援を求めましょう。

スタック防止に役立つグッズ

万が一スタックしてしまったときにあると便利なのが、「脱出用ラダー(スタックラダー、スノーヘルパー)」。板状やロール状になっており、駆動輪に噛ませることで脱出を助けるアイテムです。布・タオル・フロアマットなども代用品として使えますが、専用アイテムを購入しておけばより高い効果が期待できます。

また、タイヤがスリップしてしまうときは「砂」も効果的です。駆動輪やその周囲に砂を振りかければグリップ力を上げられます。北海道などの雪国には砂(滑り止め材)の入った袋を配布する「砂箱」が設置されていますが、近くにない場合に備えてペットボトルや袋に砂を入れて常備しておいても良いでしょう。

まとめ

スタックを防ぐには、冬タイヤの装着や天気予報の確認に加えて、雪道走行の基本「急ハンドル、急発進、急ブレーキなど『急』のつく運転を避ける」ことが大切です。またスタックが原因で雪の中で長時間立ち往生を余儀なくされてしまう場合もあります。

このとき一番怖いのが、マフラーが雪で埋もれることによる一酸化炭素中毒です。安全のために、エンジンは必ず切っておきましょう。クルマの中には、スコップやシャベルなどの雪かきアイテムや、非常用の食料や充電池などを備えておくと安心ですよ。

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