毎年9月の防災週間や、3月になると自宅での防災対策を見直す方も多いかもしれませんが、災害は自宅にいるときに起こるとは限りません。今回は、ドライブ中に大地震に見舞われたときに、どう行動すればよいのかを、シチュエーション別に紹介します。
高速道路上で大地震に遭遇したとき
- 高速道路でのドライブ中に緊急地震速報のアラートを受信したり、大きな揺れを感じたら、慌てずゆっくりと速度を落とし、クルマを左側の路肩に停車させエンジンを止めましょう。大地震の後、中央の本線車道は緊急車両が通行することになりますので、その通行の妨げにならないようにするためです。ただし、左側の路肩に停車するのが困難だったり危険だったりする場合は、右側の路肩に停車します。また、のり面(切り土や盛り土などでできた傾斜面)やトンネル坑口の付近は、大きな揺れによって崩落する危険があるため、極力そのような場所は避けて停車しましょう。
- エンジンを止めたら、追突防止のためにハザードランプを点灯させ、停止表示板を後方車両から見えやすい位置に置いてください。揺れがおさまるまでは、一般ラジオの地震情報、高速道路上に設置された電光掲示板(道路情報板)、ハイウェイラジオ(1620KHz)などで正しい情報の収集に努めましょう。スマホやカーナビのラジオアプリや、テレビの放送をスマホで見られる同時放送アプリなどを活用するといいでしょう。
- 揺れがおさまった後は車内や路肩にとどまらず、非常駐車帯やガードレールの外など安全な場所にすみやかに避難しましょう。なお、車両は災害対策基本法に基づいて、救護活動や緊急車両通行のために道路管理者によって移動されることがあります。クルマを離れる際はドアのロックはせず、キーは付けたままにしておきましょう。
トンネル内で大地震に遭遇したとき
- 各地で補強計画に基づく耐震工事が進められているものの、揺れの大きさによっては天井や壁面が崩落する可能性はあります。 トンネル内での走行中に緊急地震速報に気付いたり大きな揺れを感じたら、出口が見通せる短いトンネルの場合は低速で脱出しましょう。長いトンネルの場合は、クルマを左側に寄せて停車し、キーを付けたままの状態(スマートキーの場合は車内に置いたまま)で降り、近くの非常口から脱出します。高速道路内のトンネル内の非常口は約50m〜約500mごとに設置されています。
- トンネル内で落下物や亀裂があった場合、他のドライバーがパニックを起こして周りのクルマが思わぬ動きをすることがあるので注意しましょう。周囲の状況をしっかり確認しつつ、トンネル内の緊急放送にしたがって安全な場所へ避難してください。
橋梁・高架の上で大地震に遭遇したとき
- 橋梁(きょうりょう)や高架も、耐震工事は進んでいますが、古いものは崩壊のおそれがあります。「橋梁や高架の上」で緊急地震速報を受信したり、大きな揺れを感じたりしたら、渡り終わる直前であれば低速で渡りきりましょう。まだ先が長い場合は、慌てずゆっくり速度を落とし、左側に停車しましょう。
- 揺れがおさまったら、崩壊に備えてその場からすみやかに避難しましょう。キーを付けたままの状態でクルマを降り、近いほうの岸へ移動します。むやみに川などに飛び込むのは危険なので、絶対にやめましょう。
なお、ドライブ中の大地震への基本的な対処法については、ON THE ROADの過去記事でも紹介しています。あわせてチェックして、いざというときに思い出せるようにしておいてくださいね。