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東京では100%に!LED信号機の普及率とその進化とは?

東京では100%に!LED信号機の普及率とその進化とは?
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都市部の道路をドライブしているとよく見かけるLED信号機。身近な場所の信号機も、いつの間にかLED信号機に変わっていたりしませんか? LED信号機が普及している理由には交通インフラとしての運用のしやすさや、視認性向上による事故防止に役立つというメリットがあるといわれています。

今回は全国のLED信号機の普及率や、その進化に注目していきます。

LED信号機が最初に導入された場所は?

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名古屋市中区の「広小路久屋東」交差点

日本で最初のLED信号機は、平成6年(1994年)に愛知県と徳島県で設置されました。

愛知県のLED信号機は平成6年7月、名古屋市中区の「市役所北」信号交差点に全国で初めてLED式の青色矢印灯器が、10月にLED式の3色灯器が名古屋市中区の「広小路久屋東」交差点に設置されました。

徳島県のLED信号機は徳島県警察本部の前に設置されており、平成6年10月21日に設置されたことを示すプレートも掲示されています。同じLED信号機でも、青信号の色味が現在と異なっていたりLEDの粒数が荒かったりと、初期ならではのたたずまいが感じられるのだとか。

また、これまでLED信号機は灯火部分のレンズ経が直径30センチでしたが、平成29年度から直径25センチの小型化灯器が導入されました。今後はこの小型化された灯器が順次整備されていくそうです。LED信号機も少しずつ変化していくのですね。

全国のLED式信号の割合は?

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現在、全国のLED信号機はどれくらい普及しているのでしょう。

警視庁の発表によると、令和2年3月末現在で、全国の車両用灯器は約127万灯、歩行者用灯器は約102万灯で、合計約230万灯となっており、このうち「LED式信号灯器が占める割合は、約60.7%(車両用約63.1%、歩行者用約57.8%)」とのこと。

都市圏ではほぼLED信号機が普及しているように感じますが、車両用も歩行者用も全体の約6割程度といったところのようです。

令和元年度末時点での、都道府県別の普及率を比べてみると、東京都(警視庁)が100%でもっとも高く、福岡県、長崎県、沖縄県は車両用・歩行者用とも90%を超える普及率になっています。一方、普及率が低いのは北海道で、車両用・歩行者用とも20%台、広島県と静岡県が車両用が30%台・歩行者用が20%台となっています。

LED信号機のメリットとは?

LED信号機が導入されるのには、LEDならではの3つのメリットがあります。電球式に比べ消費電力が6分の1程度という「省エネルギー効果」、そして約6~8年と見込まれる「長寿命」、そして電球式では西日などが当たった際に点灯しているように見える「疑似点灯現象」が起きてしまうのですが、LED式ではそのような現象が防止されるのです。

LED信号の致命的な弱点、「雪への対策」は…

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普及が進むLED式信号機ですが、消費電力が少なく発熱しないため、雪国では雪が付きやすいといったデメリットがあります。

青森県や山形県では融雪機能を持つヒーター付きのLED信号機の導入を進めたり、以前のLED信号機には大型の屋根を付けたり、レンズ面にカバーをかけたりするなどして着雪を防いでいます。それでも除雪が追いつかない場合は、警察官や業者が除雪作業に当たるそうです。なかなか、大変そうですね…。

そこで新たに、厚さを6cmにまで薄くした「フラット型信号機」などが開発されています。レンズの表面にも雪が付着しにくい素材を採用するなど工夫が施され、さらに雪が積もらないよう信号機自体を20度ほど下に傾けた作りになっています。

他にも、ひさしをとんがり屋根の形にしたり、消費電力を抑えるため赤信号にだけ電熱線を取り付けたりと、ユニークなアイデアのLED信号機は数多く生まれています。

しかし消費電力などの運用コストや、「溶けるとかえってくっつきやすくなる」という雪の特徴から、決定的な雪対策の実現にはまだ至っていないようです。
交通道路の安全管理に欠かせないLED信号機、今後も土地や気象に合わせて多様な進化を遂げていくかもしれませんね。

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