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ドローンが救世主に?!道路老朽化による事故を防ぐ技術

ドローンが救世主に?!道路老朽化による事故を防ぐ技術
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1964年の東京オリンピックで整備された首都高速1号線をはじめ、高度成長期以降に整備したインフラの老朽化が深刻な問題になっています。すでに老朽化を原因とする重大事故も発生しており、その対応策にドローンをはじめとした最新技術の活用が注目されています。

高度経済成長の遺産が引き起こす、深刻な老朽化問題

ドローンが救世主に?!道路老朽化による事故を防ぐ技術

2012年に山梨県の笹子トンネルで天井板のコンクリート板が落下し、走行中の車複数台が巻き込まれ多くの死傷者を出した痛ましい事故は、設備の老朽化が原因により起こったもの。しかも、今後20年間で、建設後50年以上経過する施設の割合はさらに高くなると見込まれています。

トンネルや道路など社会インフラの老朽化は人命に関わるため早急に整備点検や立て直し、あるいは取り壊しを行いたいところ。しかし、建設場所が山間部など危険な場所にある場合、点検・調査にも危険や膨大な費用が伴ってしまうため、放置されてしまっているのが現状です。

注目集まるドローン活用、一方では課題が多い現状も

ドローンが救世主に?!道路老朽化による事故を防ぐ技術

そんな中、注目されているのがドローンの活用。損傷画像の把握などの路面調査にドローンを用いたり、AI 解析によって道路の老朽化を予測するなどの最新技術が利用され始めています。こうした新技術やビッグデータの活用により点検精度が向上すれば、危険な場所での点検も可能になるためメンテナンスも省力化でき、コスト削減が見込まれます。

しかしながら、現時点では設定されている点検要領が人による点検を基本としているため、新技術により点検を代替する場合に満たすべき性能基準や判断の考え方が示されていません。また維持管理に資するデータの整備が十分でない点やドローンの利用における手続きが煩雑である点など、新技術の活用を推進する環境が整っていないのが現状です。

例えば360 度監視可能なカメラの搭載など目視と同等の機能・性能が認められる場合は、ドローンの使用環境の多様化や安全性を高める技術の進展に合わせて、手続きの簡素化を行うよう求める声が上がっています。もちろん、簡素化の際には、住民等の安全・安心への配慮を行うことが大前提です。

海外では試験施行中、日本でも災害時に活用が進む

ドローンが救世主に?!道路老朽化による事故を防ぐ技術

例えばドイツでは、建設中のアウトバーン(自動車専用道)を対象にドローンの目視外飛行で路面状況調査を行う試みが行われています。現在は建設中区間における試行でしたが、将来的には一般に使用されている路線でも調査を可能にしたいとしています。

日本でも豪雨や雪害などの災害・防災対策ではドローンを活用した土壌調査を行っている事例もあります。老朽化した道路の地域住民や作業者の安全のためにも、今後道路メンテナンスの分野でもドローン活用が進むとよいですね。

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