TOYO TIRES

高速を走る前におさらいを!高速道路で起こりやすい「○○現象」(後篇)

この夏は帰省を自粛したため、今年の夏休みは珍しく長時間の運転をしなかったしたという方も多いかもしれません。一般道よりも速いスピードで長時間運転する高速道路では、特有の現象が起こることがあります。今回は高速道路を安全に走行するため、今度、高速道路を走るときまでにおさらいしておきたい「高速走行中に起きやすい現象」の後篇をご紹介します。

動いていないものが動いているように見える現象「仮現現象」

「仮現現象」とは、実際には静止しているものが運動して見える現象です。2つの光の点を一定の時間をあけて交互に点滅させると、1つの光の点が左右に動いているように感じてしまうもので、別名を「仮現運動」や「ファイ現象」ともいいます。文字が流れる電光掲示板などは、その現象を応用したものです。

具体的には、停車している車のハザードランプ(非常点滅表示灯)やウインカー(方向指示器)の点滅時間の間隔が、動いて見える間隔に偶然に当てはまってしまい、実際には止まっている車が動いて見えることがあるのです。

高速道路では夜間に車を路肩に停止してハザードランプをつけていると、「仮現現象」により、後続車が実際には停止している車を「動いている」と錯覚して衝突する事故が多発しています。

このような事故を防ぐため、高速道路でやむなく車を停止させる場合には、ハザードランプの使用に加え、三角表示板を掲示したりや発炎筒を焚くなどして、後続車に停止しているとハッキリと分かるように伝えるのが大切です。

目は開いていても脳が休んでいる現象「半覚醒現象」

意識がはっきりしているように感じていても脳が休んでいる状態を「半覚醒現象」といいます。高速道路などで長く運転するときに景色が単調でハンドル操作がなく一定のリズムが続くために、半覚醒の状態になることがあります。

半覚醒の状態になると目の動きが緩やかになったり、短時間の自覚がない眠り「瞬眠」が生じます。このような状態からとっさの判断に対しての対応が遅れてしまい、大事故を引き起こす原因となります。

強い眠気は主に疲労や睡眠不足が原因で引き起こされますが、生体リズムによって早朝と午後に眠気を感じることがありますので、この時間帯も要注意。

半覚醒状態を防止するには、普段から睡眠を十分にとるなどの対策のほか、音楽を聴きながら大きな声で歌う、冷たい風に当たる、洗顔するなど覚醒刺激を与えることが大切です。また、コーヒーなど覚醒効果のあるカフェインなどをとることもひとつ。そして、眠気を感じたときには迷わずサービスエリアで休憩をとりましょう。20分程度仮眠することでスッキリと運転ができます。

走行ラインが内側に切れ込んでしまう「オーバーステア現象」

「オーバーステア現象」とは一定の角度で旋回している最中に速度を上げた場合、後輪が横滑りすることで、ドライバーの想定する走行ラインよりも車が内側に曲がってしまう現象をいいます。

高速走行中は、進路変更をしようとハンドルを切ったときに即座に車が反応しないため、その間に、さらにハンドルを切ると切り過ぎになってしまうので、注意してください。

オーバーステア現象は雨天に発生することが多く、ワゴン車やワンボックスカー、4トン程度のトラックなどに起こりやすいといわれています。特に積み荷の重心が後ろに偏っている場合は危険度が高くなります。

オーバーステア現象が起こってしまった場合、アクセルを緩めて減速させることが重要ですが、減速しすぎると、オーバーステアリング特性が強調されることもあることも覚えておきましょう。

高速道路をよく使う方も、たまにしか使わないという方も、高速道路特有の現象とその対処法を知っておくことで、安全に、そして、安心して高速道路を走れるようになります。高速道路を走る前にはぜひ、今一度「高速道路で起こりやすい現象」をチェックしてみてください。