時速100km以上で走れる高速道路の制限速度は、時速何km?
- トリビア
- 2020.05.222022.02.02Update
一般道路よりも速い速度で走行でき、長距離移動の際には非常に便利な「高速道路(高速自動車国道・自動車専用道路)」。交差点や信号がなく単調な風景がつづくため、ついついスピードを出し過ぎてしまいがちです。今回は、高速道路で出せる「最高速度」のルールについておさらいしてみましょう。
目次
高速道路の「法定最高速度」は100km/h
高速道路の法定最高速度は、道路交通法により「100km/h(大型貨物車、トレーラーなどは80km/h)」と定められています。反対に遅すぎる走行もかえって危険なため、最低速度は「50km/h」と定められています。
ただし、これらの速度は、往復の方向別に分離帯などで完全に分かれている本線車道で、標識などによる速度指定がない場合に限り適用されるものです。対面通行の本線車道では、基本的に一般道と同じ制限速度となります。
「指定最高速度」がある場合はこれに従う
また、標識や標示で「指定最高速度(指定速度)」が決められている場合は、これを優先して守る必要があります。指定最高速度とは、道路の構造や、雨・雪などの気象状況、交通事故の発生などの交通状況に応じて、各都道府県の公安委員会や警察が定めているものです。
法定最高速度が100km/hでも、指定最高速度が80km/hならこれに従って走行する必要があります。反対に、指定最高速度が100km/hを超えていれば、法定速度をオーバーして走行できます。
スピード違反の罰則
法定最高速度または指定最高速度を1km/hでも超えると「速度超過」、いわゆるスピード違反となります。違反の基準と主な罰則の一覧は以下の通りです。
反則金(普通車の場合)
- 高速道路
- 35 km/h以上40 km/h未満…3万5,000円
- 30 km/h以上35 km/h未満…2万5,000円
- 一般道路
- 25 km/h以上30 km/h未満…1万8,000円
- 20 km/h以上25 km/h未満…1万5,000円
- 15 km/h以上20 km/h未満…1万2,000円
- 15 km/h未満…9,000円
違反点数
- 50 km/h以上…12点
- 30 km/h(高速道路は40 km/h)以上50 km/h未満…6点
- 25 km/h以上30 km/h(高速道路は40 km/h)未満…3点
- 20 km/h以上25 km/h未満…2点
- 20 km/h未満…1点
超過速度が大きくなるほど罰則も厳しくなり、30km/h(高速道路は40km/h)以上50km/h未満の超過は6点で一発免停となります。
また、一般道路で30km/h以上、高速道路で40km/h以上超過すると刑事処分として6カ月以下の懲役または10万円以下の罰金が科せられる(=前科がつく)場合もあるのでくれぐれも注意しましょう。
スピードを出さないというのも違反!「最低速度違反」
速度が遅すぎて違反となる場合もあります。高速道路など車の流れが速い場所でのノロノロ運転はただ危険なだけでなく、妨害運転(あおり運転)とみなされることも。
高速道路で定められている最低速度「50km/h」は遵守しましょう。ただし、一般道路でも道路標識などで最低速度が定められている場合は、それに従う必要があります。
最低速度違反の反則金、違反点数は?
最低速度違反の反則金は普通車の場合6,000円、違反点数は1点。速度超過と比較すると罰則は軽いものになっています。
一部区間では最高速度120km/hのところも!
高速道路の一部区間では最高速度の見直しも始まっています。2020年9月からは東北自動車道の花巻南IC~盛岡南IC間で、同年12月からは新東名高速道路の御殿場JCT~浜松いなさJCT間で、最高速度が「120km/h」に引き上げられました(大型貨物車などは変わらず80km/h)。
段階的な試行を経て事故発生状況や実勢速度などの変化がほとんどなかったことから正式な導入となったものの、最高速度が引き上げられている区間を走る際は、いつも以上の注意が必要です。特に合流や追い越し車線の走行、区間終了後のスピード超過などに気をつけましょう。
最高速度はそれぞれの道路で定められていますが、もちろん最高速度で走らなければいけないというわけではありません。天候や交通状況などに応じて速度を調整し、十分な車間距離をとった安全な運転を心がけてくださいね。