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なぜ“ミニ”じゃなくても「ミニバン」? その名称の理由とは?

車高が高くて大きな車内空間のミニバンは、ファミリーでのドライブはもちろん、荷物の多い大人数でのアウトドアにも大活躍。都市部での普段使いにも便利なコンパクトミニバンも人気上位をキープしています。でも、ほかの車とくらべて小型というわけでもないのに、なぜ「ミニ」なのか気になったことはありませんか? 今回は、そんなミニバンの名前の由来について解説します。

ミニの”対義語”は、フルサイズ?


アメリカでは、小型トラックやSUVなどが含まれる車種「ライトトラック」に分類される「バン」。そこからさらに大型の「コンベンショナルバン(フルサイズバン)」と「ミニバン」の大きく2種類に分けられます。

「バン(van)」の語源は英語の「キャラバン(caravan)」で、もともと屋根付きの車を指す言葉です。細かな定義は国によって違いますが、多くの人や貨物を運搬できるため、商用から家庭用まで幅広い分野で活躍してきました。1980年代に一回り小さなサイズのバンがアメリカ市場で人気となり、「ミニバン」という呼称が生まれたのです。

日本では、大きくても「ミニ」バン


ミニバンの「ミニ」には明確な規格はなく、アメリカの標準的なフルサイズバンは全長5m以上、全高2m以上なので、それよりも小さければミニバンといえます。日本では「ミニバン」の呼称だけが輸入された形で、国産車には比較対象となるフルサイズバンがないため、大きなサイズ(とはいえアメリカのフルサイズバンよりは小さい)のバンでもミニバンと呼ばれているのです。

販売台数の統計上はミニバンではなく「セミキャブワゴン」

なお、自販連(一般社団法人日本自動車販売協会連合会)の販売統計を見てみると、ミニバンが含まれる分類名は「セミキャブワゴン」として記載されており、「ボンネットのある車高の高いワゴン車。3列シートのある車。(例外として一部2列シートの車種も含む)」と定義されています。

また、レジャー性のある車種として、ミニバン、ステーションワゴン、セミキャブワゴン、オフロードをまとめて「RV(recreational vehicle)」と呼ばれることもあります。

ファミリー層にも人気で使い勝手のよいミニバンですが、意外と定義は曖昧なのですね。同じミニバンでもメーカーや車種によって特徴が異なるので、購入の際はしっかり比較・検討してみてください。