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アイスバーンにも種類がある!もっとも怖いのは…?

初心者ドライバーだけでなく、ベテランドライバーにとっても難易度が高い雪道ドライブ。ON THE ROADでは、これまで雪道に潜む危険ポイントを何度かお伝えしてきましたが、雪解け後の運転にも十分な注意が必要です。今回は、雪がやんだ後にこそ気をつけたい、「アイスバーン」の種類と特徴について解説します。

アイスバーンには3つの種類がある

「アイスバーン」とは、氷のように凍結した路面のこと。雪が降った翌日に気温が上昇し、夜になって急激に冷え込むと、道路の雪解け水が凍って発生しやすくなります。アイスバーンは、その道路の状況や気象条件などによって以下の3タイプに分けられます。

氷結路面の「圧雪アイスバーン」

路面に降り積もった雪がタイヤによって踏み固められて凍った状態は「圧雪アイスバーン」と呼ばれます。ほかのアイスバーンと比較すると走行しやすい方ではありますが、日差しで雪が解けたり雨でぬれたりすると滑りやすくなるので油断は禁物です。

凍って固まった、鏡のような「ミラーバーン」

また、雪道が鏡のようにツルツルになった路面は「ミラーバーン」と呼ばれます。雪がタイヤで踏み固められ磨かれることによって発生するもので、交通量の多い道路や交差点などの場所で起こりやすいので注意が必要です。

特に交差点でのミラーバーンは、停車時や発進時のスリップの原因となり、追突など重大な事故につながる危険性があります。

ぬれた路面に見える「ブラックアイスバーン」

アイスバーンの中でも特に厄介なのが「ブラックアイスバーン」。ぬれた黒い路面に見えて実は凍結している状態で、昼間のウエット路面との違いがわかりづらいのが特徴です。

JAFが行った実験では、ブラックアイスバーンを起こした路面での制動距離は、ぬれた路面にくらべて約6倍も伸びる(ウエット路面:11.0m、ブラックアイスバーン:69.5m)という結果に。見た目にはほとんど差がないだけに、大変危険です。

夜間は特に見えづらいので注意し、 雪に限らず雨の後にも起こりやすいので、冷え込みの激しい朝晩や日陰などの凍結しやすい場所では十分に気をつけましょう。

アイスバーンのでき方

水は0℃で凍り始めますが、気温0℃以上であってもアイスバーンは起こります。これは気温と路面温度に差があるからです。気温が氷点下でも路面に日が当たっていれば路面温度が上がって凍結しにくくなりますし、反対に気温が高くても日差しが当たらず雪に覆われた路面は路面温度が下がって凍結しやすくなります。アイスバーンが起こるかどうかは気温だけで判断しないことが大切です。

アイスバーンが起こりやすい条件や場所とは?

風通しのよい橋の上や陸橋、トンネルの出入り口付近、常に日陰になる道路、市街地の交差点の停止線の手前などは、特にアイスバーンが発生しやすい場所といわれています。このような場所では十分に速度を落として走行しましょう。

また、前述のとおりアイスバーンは気温にかかわらずさまざまな要因が重なって起こります。いつもよりも冷え込んでいる日や風が強い日には、路面凍結やアイスバーンの可能性を考えながら運転することが大切です。

アイスバーン時の運転のコツ、注意点

アイスバーン時の運転には、スタッドレスタイヤへの履き替えが必須です。スタッドレスにはスリップの原因となる水膜を瞬時に取り除き、路面とタイヤを密着させて滑りにくくする効果があります。チェーン規制が敷かれている地域では、加えてタイヤチェーンの装着もお忘れなく!

また、運転方法についても「急」のつく操作(急発進・急ブレーキ・急ハンドル)は絶対に避け、いつも以上に慎重な運転を心がけましょう。ゆとりのある車間距離や、ゆるやかなアクセル操作もスリップ対策に有効です。

まとめ

冬のドライブ前には、天気予報や交通情報サイト、ドライブルートなどをいつもより念入りにチェック。凍結状態の道路では、たとえスタッドレスタイヤを履いていたとしても油断はできません。アイスバーンが予想されるときには、普段よりもスピードを落とし、車間距離を十分にとって余裕ある運転を心がけたいものです。