冬の運転にも注意が必要!運転中に起こりやすい“目の錯覚”
- トリビア
- 2019.02.132020.09.09Update
「あやうく事故を起こしそうになってヒヤッとした……」。クルマを運転している人なら、一度はこんな「ヒヤリ・ハット経験」があるはずです。多くはドライバーの不注意によるものですが、中には人間の「目の錯覚」が原因となっている場合もあります。今回は、運転中に気をつけたい目の錯覚についてご紹介します。
注視した方向へクルマが引き寄せられる「視覚吸引作用」
「視覚吸引作用」とは、魅力的なものや危険なものを無意識に見つめてしまう人間の習性のこと。クルマのウインカーやトラックの荷台の文字、通行人など、周囲のちょっとしたものに視線がくぎ付けになり、無意識にそこに近づこうとしてしまうことでハンドル操作を誤り、事故を引き起こすことがあります。
いつの間にか視線がくぎ付けになってしまうのを防ぐためには、遠くを見つめたり、少し首を振るなどして意識的に視野を広げるように心がけましょう。また、ドライバーの目をひくものは、車外だけでなく車内に存在する場合もあります。運転中視界に入りやすいダッシュボードの上やフロントガラスの上などは、日頃からきれいに片付けておくと安心です。
暗さにクルマが同化する「溶け込み現象」
夕暮れ時や、日中トンネルに入った瞬間などに、暗い色のクルマが突然見えにくくなった経験はありませんか? このようにクルマの色が周囲の暗さに同化することを「溶け込み現象」といいます。
黒や濃色系のクルマは、特にこの現象を起こしやすいので注意が必要です。周囲のクルマはなるべく早めにライトを点灯するように心がけ、自分のクルマが見えにくくなりそうな場合はテールランプ(尾灯)を、トンネルから出てすぐに消さず少し長めにつけておくなどして、後続車からの追突を防ぎましょう。
強い光で対象が見えなくなる「蒸発現象」
また、溶け込み現象とよく似た現象として、日中トンネルや地下駐車場を出た瞬間、明るい色のクルマが太陽光に照らされて見えにくくなる「蒸発現象」というものもあります。白やシルバー系などのクルマは特に見えにくくなりやすいので気をつけたいところです。
この現象は夜間にも起こり、走行中に自分のクルマと対向車のライトが交錯すると、道路を横断する歩行者の姿が突然見えなくなるケースもあります。ライトが乱反射しやすい雨の日などは、特に注意が必要です。
日頃からこまめにフロントガラスを掃除してクリアな視界を維持し、事故の起こりやすそうな場所ではスピードを落とすように心がけましょう。
人間の目は完璧ではないため、錯覚を起こすのは避けられないことです。このような現象があることを知ったうえで、スピードを出し過ぎない、視野を広くするといった安全運転の基本を心がけることが一番の対策となります。