TOYO TIRES

厳罰化で飲酒運転事故件数は、この10年でどのくらい減った?

2007年9月、道路交通法の改正・施行によって、「飲酒運転」が厳罰化。酒酔い・酒気帯び運転への罰則が強化され、さらに酒類や車両を提供した人、同乗者などを罰する規定も盛り込まれました。厳罰化から10年以上たった今、飲酒運転事故の状況はどのように変化しているのでしょうか。

飲酒運転事故件数の推移

警察庁の統計によると、飲酒運転事故の件数は2000年度の26280件をピークに年々減少。飲酒運転が厳罰化された2007年には前年比35%減の7562件、翌年2008年には前年比18%減の6219件となり、大きな効果を発揮しました。これ以降は減少幅が大幅に縮小したものの、減少傾向は毎年維持しており、2017年には3582件にまで減少。10年で事故件数は半分以下になりました。ピーク時と比較すると約13.6%にまで減っています。

飲酒死亡事故件数の推移

一方、飲酒死亡事故件数は、22年前の1996年には年間で1300件近く発生していました。2001年に「危険運転致死傷罪」が新設、2002年には改正道路交通法が施行され、飲酒運転の厳罰化、酒気帯び運転の罰則適用対象見直されたこともあって、2002年には1000件まで減少。さらに2007年には前年比29%減の434件、翌年2008年には前年比30%減の305件に減少しました。

飲酒運転事故件数と同じく、初めのうちは好調に数を減らしていましたが、これ以降は減少幅が大幅に縮小。おおむね減少傾向ではあったものの、2010年と2016年は前年比で増加しました。2017年には再び減少し、201件となっています。こちらも事故件数自体は10年で半分以下になっていますが、推移を見る限りではどちらも厳罰化の著しい効果があるのは初めのうちだけのようにも見えます。残念ながら、いまだに飲酒運転をするドライバーが後を絶たないのが現実です。

また、近年は「ながらスマホ」による交通事故も社会問題になっており、こちらも今後厳罰化される見込みです。現行の道路交通法においても、スマホなどを操作しながらの運転は、事故を起こしていなくても違反(5万円以下の罰金/反則金 大型7千円、普通6千円、二輪6千円、原付5千円/基礎点数 1点)になるので注意しましょう。

「自分だけは大丈夫」と過信せず、常に緊張感をもった安全運転を心がけたいものですね。