今年は特に多く、ニュースなどでよく耳にする「熱中症」。熱中症といえば、高温の室内や日差しの強い屋外などで発生するイメージが強いかと思いますが、夏の車内でも十分な注意が必要です。今回は、「ドライブ中の熱中症予防」について解説します。
そもそも熱中症とは?
まずは「熱中症」について軽くおさらいしましょう。熱中症とは、わたしたちの体が高温環境に適応できなくなり、体温調節が正常にできなくなる状態のことです。めまいや火照りは代表的な初期症状で、そのほかにも筋肉痛やけいれん、体のだるさや吐き気、発汗の異常(大量の汗または汗をまったくかかない)などの症状が起こる場合もあります。
呼びかけに反応しない、自力で水分補給ができないなどの症状が出たら、特に要注意。命にかかわることもあるので、すみやかに医療機関を受診してください。
渋滞時の車内環境について
さて、外は厳しい暑さでも、クルマの中に居ればカーエアコンが効いているから安心だと思っていませんか? 実はドライブ中も油断は禁物です。閉めきられた狭い車内はカーエアコンで乾燥しやすいうえに、前後左右の窓から強い日差しが入り込んでくるため、気付かないうちに深刻な脱水症状を起こしやすいといわれています。
特にドライバーは、運転による緊張と集中で体温調節機能が低下しやすく、トイレ休憩を少なくするために水分摂取を控える場合もあるので、脱水状態が進みやすいのです。
ケアや対策について
楽しいお出掛けを台無しにしないために、夏のドライブでは、最低限でも1~2時間ごとに15分以上の休息を取り、100~200mlの水分を補給しましょう。その際には、ドアを開放して車内の乾燥した空気を新鮮なものに入れ替えるとより効果的です。
水分補給時に選ぶ飲料は、緑茶や紅茶、コーヒーなどのカフェイン飲料よりも、麦茶などのノンカフェイン飲料がベター。眠気を覚ますためについついカフェイン飲料を選んでしまうという方も多いかもしれませんが、カフェインには利尿作用があるため、せっかく補給した水分が体の外に排出されやすくなってしまうので夏場はなるべく避けたいところです。
さらに、万が一脱水を起こしたときのために、人数分の経口補水液も用意しておくと安心ですよ。
また、長距離ドライブや渋滞中の車内では、長時間シートベルトで同じ姿勢に固定されるため、「エコノミークラス症候群(水分不足・血行不良でできた血栓が肺塞栓症などを誘発すること)」も起こしやすいといわれています。予防のために、休憩時には水分補給とあわせて軽く体を動かしておくと効果的です。
今回ご紹介したポイントに気をつけて、夏のお出掛けも元気に楽しみましょう。