高さに換算するとビルの14階にも!? 時速80kmでの制動距離は何m?
- トリビア
- 2017.06.01
「車は急には止まれない」……交通標語などで誰もが一度は耳にしたことがあるフレーズですが、車が停止するために必要な距離はそのときのスピードによっても大きく変わってきます。警視庁の資料によると、時速30kmで急ブレーキを踏んだときの停止距離は約14m。この距離はビルの4階から地面までの高さに相当します。今回は、ドライバーが意外と見落としがちな、自動車の「停止距離」について解説していきます。
停止距離=空走距離+制動距離
停止距離とは、ブレーキを踏んでから車が停止するまでの距離のこと。ブレーキを踏んでからブレーキが利き始めるまでの「空走距離」と、ブレーキが利き始めてから車が止まるまでの「制動距離」の2つからなります。制動距離の方は速度の2乗に比例して長くなるため、速度が2倍になれば制動距離は約4倍に。その結果、停止距離は時速30kmで約14m、時速40kmで20m、時速80kmで約56mと、速度が上がるにつれて大きく増加していきます。自分の車の速度は把握していても、正確な停止距離まで把握しているドライバーは意外と少ないのではないでしょうか。
速度ごとの停止距離を「ビルの高さ」で例えると
距離の長さをわかりやすくするために、それぞれの停止距離を「ビルの高さ」に置き換えてみましょう。ビルの1フロアを約4mとすると、30kmの場合3〜4階程度、40kmの場合5階程度、80kmで14階程度にもなります。ビルの14階から地面に落下することを想像したら……事故を起こしたときの恐ろしさを実感できますよね。さらに制動距離は路面やタイヤの状態によっても変化し、停止距離がより長くなることもあるため注意が必要です。
速度が20km上がるだけで致死率は70%も跳ね上がる
また、警視庁の資料によると、衝突時の時速が30kmだった場合の歩行者事故の致死率は約10%であるのに対し、時速50kmになると約80%にまで跳ね上がるのだとか。こうして見ても、少し速度を抑えるだけでも事故の被害は大きく軽減できることがわかります。
新緑が美しい初夏のドライブ。遠出をする方も多いとは思いますが、スピードの出やすい直線道路や広い道路に差しかかったらぜひ「停止距離」について思い出してみてくださいね。