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タイヤの色は、なぜ黒だけか? その理由は素材にアリ

タイヤと一口にいっても車種や用途によってタイプはさまざまですが、どのタイヤもカラーは決まって黒色。「そういえば、どうしてカラータイヤってないんだろう……」と疑問に思ったことはありませんか? ここではタイヤの「黒」に隠された秘密と、紫外線との関係をご紹介します。

タイヤの色はなぜ黒い?

タイヤといったら誰もが思い浮かべるあの黒色の正体は、「カーボンブラック(炭素の粉)」。もともと印刷などに使われていた素材ですが、1910年頃アメリカでカーボンブラックを補強材として使用したタイヤが開発されてから、タイヤの色は一気に黒色へと変化していきました。意外なことに、それまではタイヤといえば白色やあめ色が定番だったのです。

カーボンブラックの効果

カーボンブラックの一番の効果は、なんといっても強度アップ。耐摩耗性や耐カットチップ性を必要とするゴム製品には必ずといっていいほど使用されており、量が多ければ多いほどゴムが硬くなるので、使用目的によって混ぜる量は変わります。近年は同じ補強材としてシリカも多く使用されていますが、普及から100年近くを経たいまもカーボンブラックに代わる素材は発明されていないのが現状です。今後の研究によっては、カラフルなタイヤで愛車をコーディネートできる日が来るのかも……?

タイヤの「黒」と夏の紫外線との関係

また、カーボンブラックは紫外線の吸収力にも優れており、他の薬品と組み合わせることにより日光の紫外線によるゴムの劣化を抑制致します。夏の厳しい条件下でも、私たちのカーライフを力強く支えてくれるのは、まさにカーボンブラックのおかげなのです。

なんてことないタイヤの黒にも、少しだけ愛着が湧きそうな豆知識。タイヤのお手入れをする際にはぜひ思い出してみてくださいね。