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知らずに乗っていませんか? トレッドパターンについての基礎知識

わたしたちが雨の中でも安全にドライブできるのは、タイヤ表面に刻まれた「溝」のおかげ。しかしカー用品店などでタイヤを見くらべてみると、この溝の刻まれ方にはさまざまなバリエーションがあることがわかります。ここでは、タイヤの「トレッドパターン」の基本を解説します。

トレッドパターンとは

トレッドパターンとは、溝や切り込みで構成されたタイヤ表面の模様のこと。これがあることによって、単にタイヤを美しくデザインするだけでなく、操縦安定性や放熱性の向上、さらに雨天時の排水性や、静粛性、燃費など、クルマのさまざまな性能も高めてくれるのです。このトレッドパターンは大きく分けて、

  • 対称パターン(表裏・回転方向に関わらず装着可能)
  • 非対称パターン(タイヤの内側・外側で非対称なパターンによってコーナリング性能などがアップ)
  • 方向性パターン(溝や切り込みに方向性を持たせて排水効果がアップ)

の3つのタイプがあります。自分がクルマにどの性能を重視するかを考えて、それに合ったトレッドパターンのタイヤを選ぶことが大切です。

V字のトレッドパターンが持つ排水性

一般的にはタテ型の溝を持つトレッドパターンが主流ですが、雨天時に高い効果を発揮してくれるのが「V字型」の溝。まるで濡れた路面を切り裂くかのような優れた排水能力を持ち、雨の日でも安定感のある走りを実現します。この技術は、「PROXES T1R」などのタイヤに採用されています。ただし、タイヤへの過信は禁物。濡れた路面でハンドル操作が効かなくなる「ハイドロプレーニング現象」を防ぐためには、タイヤのほかに運転方法などにも細心の注意が必要です。詳しい対策は、こちらの「『ハイドロプレーニング』対策、教えます!」の情報も合わせてご参考ください。

雨の日に強いタイヤに欠かせない材料は

ちなみに、雨の日のドライブで同じく強い味方となってくれるのが「シリカ」です。タイヤにはゴムの強度を高めるために「カーボンブラック」という材質が使われていますが、ここにシリカを加えることで低温時でもゴムをより柔らかく保てます。ゴムが柔らかければ路面への密着効果が高まるので、雨の日でも制動距離を短くすることが可能なのです。さらに、シリカには「転がり抵抗」を小さくする働きもあるため、近年多くの低燃費タイヤに配合されています。タイヤ選びの際には、トレッドパターンとあわせて材質にもぜひ注目してみてくださいね。

タイヤ表面の何気ない模様にも、ひとつひとつ必ず意味があります。今度の休日は、愛車のタイヤとじっくり向き合う時間を作ってみてはいかがでしょうか。