よく聞くタイヤの「○○現象」、ちゃんと知っていますか?
- トリビア
- 2016.07.05
ときどき耳にするものの、意外と詳しく知らないタイヤの「○○現象」。「うちのクルマは大丈夫……」と油断をしていると、思わぬ事故につながるかもしれませんよ。高速道路を使うときには特に注意しておきたい、2つの現象をご紹介します。
ハイドロプレーニング現象
通常、雨の日のタイヤは“溝”によって雨水を排水し、路面をつかんで走行しています。しかしある程度のスピードを出してしまうと排水が追いつかなくなり、タイヤのトレッド面と路面との間に水の膜ができてタイヤが浮いた状態に! そうするとハンドルの操作がきかなくなってしまうのです。この現象こそが「ハイドロプレーニング現象」。防ぐためには、日頃からタイヤに十分な溝があるかをチェックし、適正な空気圧を保つことが重要です。加えて、一番の対策は水たまりができている場所では速度を控えること。十分に溝があるタイヤでも、速度の出やすい高速道路ではよく起こる現象なので注意が必要です。
また、もし起こってしまった場合は、無理にハンドルを切ったり急ブレーキを踏むと大変危険です。焦らず徐々に速度を落として回復を待ちましょう。とはいえパニック時には至難のワザなので、事前にしっかり対策しておくのが賢明です。
スタンディングウエーブ現象
高速道路走行時はただでさえタイヤへの負荷が大きいものですが、特に多いタイヤトラブルがバースト(破裂)。ほとんどの原因はタイヤの空気圧にあります。空気圧が不足した状態で高速走行を続けると、タイヤが波状に大きくたわみ過剰な発熱が起こることによってバーストしてしまいます。こういった現象が「スタンディングウエーブ現象」です。厄介なことに、タイヤが大きくたわむとはいってもクルマの揺れなどの兆候はほぼ現れないため、走行中のドライバーが気づきにくいのも特徴です。
最も効果的な対策としては、常に適正な空気圧を保つこと。高速道路を走行する場合は、クルマの指定空気圧よりも少し高め(20kPa増程度)に設定しましょう。また、ハイドロプレーニング現象の対策と同様に、速度を控えることも重要です。また、最大積載量を超えた状態での走行は、タイヤに大きな負担がかかります。自分のクルマの最大積載量はあらかじめ確認しておくと安心です。同じく偏った積載も負担がかかるので気をつけましょう。
こまめなタイヤ点検の重要性は言うまでもありませんが、どちらの現象もクルマの速度が大きく影響します。高速道路を使うことも多くなる夏のお出かけシーズン。スピードの出やすい場所では特に気を引き締めたいところです。