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スーパーカーってどんなクルマ?スポーツカーとの違いとは

機能性とデザイン性を兼ね備えた「スーパーカー」には、クルマ好きはもちろん、そうでない人も目を奪われる魅力があります。今回の記事では、スーパーカーの定義やスポーツカーとの違い、1970年代後半に起こったブームなどについて解説します。

スーパーカーの定義とは

そもそもスーパーカーとはどのようなクルマのことを指すのでしょうか。高級なクルマ? それとも高馬力なクルマ?

実はこれにはハッキリとした定義はなく、人によってさまざまな解釈があります。『大辞泉』には「性能・美しさ・装備のよさ、価格などで並の自動車を超えたクルマ」と記載されています。

スーパーカーという言葉が一般に使われるようになったのは、1977年ごろの日本で起きた「スーパーカーブーム」が始まりと言われています。「スーパーカー」という呼び名は海外ではほぼ通じない和製英語です。

スーパーカーとスポーツカーとの違い

また、関連する言葉に「スポーツカー」というカテゴリーがあります。こちらのほうがスーパーカーよりも歴史は古く、1910年ごろにはスポーツカーによるレースも開催されていました。スポーツカーの本場はヨーロッパで、レースの最高峰と言われているのがかの有名な「フォーミュラ1(通称:F1)世界選手権」です。

スポーツカーの定義もスーパーカーと同じくあいまいですが、大辞泉には「一般に実用車と競走車との中間の性能をもつ乗用自動車」と記載されています。一般的には「希少性や車両本体価格はスポーツカーよりもスーパーカーのほうが上」という点で区別されることが多いようです。

日本で起きたスーパーカーブームとは

スーパーカーが国内で注目されるきっかけとなったスーパーカーブーム。ここでは当時の様子を簡単にご紹介します。

漫画『サーキットの狼』が火付け役

ブームの火付け役となったのが、1975年から週刊少年ジャンプで連載された池沢さとしの漫画『サーキットの狼』(※現在の筆名は池沢早人師)。走り屋の主人公がプロレーサーに転身してF1に挑戦するまでを描いた成長物語で、イタリアの「フェラーリ」や「ランボルギーニ」といった実在メーカーのクルマが登場する漫画は当時としては画期的なものでした。1977年には実写映画化もされています。

1979年に連載が終了した後も続編漫画が描かれ、2009年には作中登場するスーパーカーを集めた博物館「池沢早人師サーキットの狼MUSEUM」が開館するなど、時代を超えて愛される自動車漫画の金字塔となっています。

スーパーカー消しゴムやスーパーカー専門のクイズ番組も

連載当時には漫画の人気にともなって、スーパーカーのエンジン音を収録した「スーパーカーレコード」が発売されたり、スーパーカーをかたどったゴム製のおもちゃ「スーパーカー消しゴム(通称:カー消し)」が流行したり、スーパーカーを題材にしたテレビ番組「スーパーカークイズ」が放送されるなど、派生ブームが次々と起こります。スーパーカーブームは1970年代後半にピークを迎えました。

スーパーカーの漫画・アニメは定番ジャンルに

漫画やアニメなどの世界でも、スーパーカーの登場は定番となりました。例えばランボルギーニの名車の名を冠した『カウンタック』では、カウンタックはもちろんポルシェ928やフェラーリ 360モデナ、メルセデス・ベンツ SLRマクラーレンなどさまざまな種類のスーパーカーが登場。

また、『バリバリ伝説』などで知られるしげの秀一の最新作『MFゴースト』では、日本の自動車メーカーのクルマを主に扱った過去作『頭文字D』とは異なり、海外のスーパーカーも多数登場しています。

さらにアメコミ原作で実写映画が大ヒットした『アイアンマン』では、主人公の愛車としてアウディR8やテスラ ロードスターなどが登場し注目を集めました。

2017年には「日本スーパーカー協会」が設立

2017年3月には、2015年に設立の「全日本スーパーカー連絡会」から移行するかたちで、一般社団法人「日本スーパーカー協会」も設立されました。この組織は「日本のスーパーカー文化のさらなる発展と、社会的スーパーカー活動の推進を理念とし活動を行う」ことを目的とした協会で、スーパーカーに関する情報の発信をはじめ、オーナーの交流の場となるイベントの運営などさまざまな活動を行っています。

11月1日はスーパーカーの日

日本スーパーカー協会は、「スーパーカーはパフォーマンスNo.1、スタイルNo.1、エモーションNo.1(性能、デザイン、気持ちがNo.1)」であるとして、毎年11月1日をスーパーカーの日としています。毎年秋ごろには全国各地でスーパーカーの日を記念したツーリングイベントなどが開催されています。

TOKYO SUPERCAR DAY

また、貴重なスーパーカーを一挙に展示するイベント「TOKYO SUPERCAR DAY」も不定期開催されています。昨年のJAPAN MOBILITY SHOW 2023内での開催では100 台を超える車両が展示され、11日間で約 111 万人の人出でにぎわいました。

さらに2024年3月30日~31日に行われた「TOKYO SUPERCAR DAY in E-Tokyo Festival 2024」ではZEV スーパーカーが展示されたり、4⽉7⽇に行われた「TOKYO SUPERCAR DAY 2024 黒磯」ではレクサスパトカー先導によるスーパーカーパレードが行われたりと、開催地ごとにユニークな催しが行われています。

スーパーカーを“超える”ハイパーカーと呼ばれるクルマも

なお、スーパーカーよりもさらにハイスペックで高額な車両は「ハイパーカー」と区別されることも。例としては、パガーニ ゾンダやブガッティ ヴェイロン、マクラーレン P1などの車種が挙げられます。

とはいえ「ハイパーカーどころか、スーパーカーもなかなか手が届かない……」というドライバーさんも少なくないはず。そこでおすすめなのが、カーシェアリングやレンタカーを利用するという方法です。サービスによっては新型車をいち早く試すこともできるかもしれませんよ。

ハイパーカーを超えるメガカー?

ちなみにこちらも明確な定義はありませんが、近年はハイパーカーを超えるクルマとして「メガカー」という呼び名も多く聞かれるようになりました。

これは2014年にスウェーデンの自動車メーカー・ケーニグセグ(Koenigsegg)が「アゲーラ One:1(ワン・トゥ・ワン)」というクルマを発表したのが始まりと言われています。One:1は量産車として世界で初めて最高出力1MW(メガワット)を達成したモデルであったことから、現在は1 MW以上の出力をもつクルマを指す言葉として「メガカー」という呼称が使われているようです。

まとめ

40年以上前のブーム以降も、多くの人々を魅了し続けているスーパーカー。近年は世界的なEV化の流れで、100%電気自動車のスーパーカーも登場しています。今後はどんなクルマが出てくるのか、最新情報にも注目したいところです。