パンクの心配がなくなる!「エアレスタイヤ」とは
- トリビア
- 2026.02.17
空気入りのゴムタイヤが生まれたのは、今から約130年前。それ以来、ドライブにはパンクの心配がつきものでした。
しかし近年、パンクしない夢のタイヤとして開発が進められていた、空気を使わない「エアレスタイヤ」が実用段階へと大きく進歩し注目を集めています。タイヤメンテナンスの常識を変える、空気を使わないエアレスタイヤの仕組みや今後の展望について解説します。
目次
タイヤの常識が変わる! エアレスタイヤとは
エアレスタイヤとは、その名が示すとおり「空気の要らないタイヤ」のこと。
私たちがふだん使用するタイヤは、タイヤ内に空気が充填されており、その空気圧によって自動車の重さを支え、また空気は路面から伝わる衝撃を抑えるクッションの役割も担っています。
数トンにもなる車重をタイヤ1本につきハガキ1枚分というわずかな面積でしっかりと支える機能、そして路面の凹凸から生じる揺れを柔軟に吸収して走行中の乗り心地を保つ機能、この二つの機能について、「空気」を使うことで両立させるという「常識」を、空気を使わずに実現させたのがエアレスタイヤです。
エアレスタイヤの仕組み
空気の代わりを担っているのが、スポークです。トーヨータイヤのエアレスタイヤ「noair(ノアイア)」では、特殊な樹脂をタイヤの側面側と内側に交互に交差させた、独自のデザイン「X字型スポーク構造」を採用しています。このスポークがクッションとなりタイヤの形を支持しているのです。
考えられるエアレスタイヤのメリット・デメリット
「未来のタイヤ」ともいわれる、エアレスタイヤ。そのメリットとデメリットは何なのでしょうか?
メリットは、何といっても「パンクの心配がない」こと。空気の充填が不要なエアレスタイヤは、パンクやバーストがありません。そのため、スペアタイヤを搭載する必要からも解放されます。最近ではパンク修理キットが主流となり、スペアタイヤを搭載するクルマは少なくなりましたが、約15kgにもなるスペアアタイヤ一式が不要となると、クルマの重量が減り、燃費向上にもつながります。もちろん、空気圧のチェックなど、メンテナンスの手間が減ることもメリットのひとつです。
デメリットとして考えられるのは、空気の入った従来のタイヤとの価格差や、操作性能の違いです。価格については今後、実用化と市販化が進み、一般に普及することで量産化され、価格差が縮まっていく可能性があります。
性能差についても「noair」では、ぬれた路面でのブレーキ性能を示すウェット制動性能を向上させたほか、路面に接するトレッドゴムには新開発の低燃費トレッドゴムを採用し、「走る、曲がる、止まる、支える」というタイヤに求められる基本性能と燃費性能を実現させています。今後の開発によって、性能の差についても空気入りタイヤに近づくことが予想されています。
エアレスタイヤの今後
現時点では、法律によりエアレスタイヤでは一般道を走行できず、私有地でしか走行できないという規制があります。
「道路運送車両法の保安基準」の法整備
エアレスタイヤの実用化と普及に欠かせないのが、法整備です。国土交通省による「道路運送車両の保安基準」では、走行装置等の一つとして「空気入りゴムタイヤ」が規定されており、それを前提に状態やサイズ、性能などが定められています。
記憶に新しいところでは、間接視界(ミラー等)に関する国際基準の改正に合わせて、2016年6月17日に「道路運送車両の保安基準」も改正され、バックミラーの代わりに「カメラモニタリングシステム」(CMS)が利用可能になりました。
このように国際基準や、クルマやドライブに関連する環境の変化に合わせて、保安基準もアップデートされていますので、実用化されたエアレスタイヤに対してドライバーや社会のニーズが高まることで、法整備が進むものと期待されています。
実用化へ向けて
「noair」は軽自動車での通常走行が可能なレベルにまで到達しており、法整備が整ったらすぐに市場投入できる状態を目指しています。その一環として、国内ゴルフ場の施設内で使用されるカートへの装着や試乗会の実施。また国際的なイベントの従業員用電動カートに装着されたほか、時速20km未満で走行する電動車を活用した移動サービス「グリーンスローモビリティ」での利用など実用化に向けた実証実験や性能向上にも力を入れています。
「noair」が活躍する様子は、ぜひこちらの動画でご覧ください!
夢のまた夢だった、パンク知らずのエアレスタイヤの実用化まで、あとわずか。パンクの心配から解放されたドライブを体験できる日が待ち遠しいですね!
