警察庁が毎年まとめている「運転免許統計(令和2年版)」によると、令和2年(2020年)の1年間での免許証再交付件数は459,815件。もっとも多いのは人口の多い東京都で59,591件にのぼります。また、2020年の免許保有者10万人当たりの件数で見ると、もっとも再交付件数が多いのは沖縄県で、もっとも少ないのは秋田県だとか。再交付の理由の1つが「免許証の紛失」ですが、貴重な免許証をもし紛失したらまず何をするべきなのかを解説します。
目次
免許証を紛失したらまず最初にすること
いつも免許証を入れているところに、免許証がない! 家のどこを探しても見つからない! もしかして、あの時に置き忘れたか…。と、免許証の紛失(遺失)に気付いたら、まずはすぐに遺失物届を提出しましょう。免許証は本人確認書・身分証として使用できる重要なもの。銀行口座の開設やクレジットカードの発行、携帯電話の契約などに悪用される可能性もありますので、速やかに手続きを行います。手続きの窓口は最寄りの交番や警察署です。また、地域によっては電子申請で遺失届を提出できるところもあります。
警察へ寄せられた拾得物の保管期限は3か月間で、この期限内に落とし主が分からないと返還を受けられなくなってしまいます。紛失に気付いたらすぐに遺失届を提出するのは、このためです。
続いて、再交付手続きを行おう
次は、免許証の再交付手続きを行います。受付窓口は、各地の免許センターや運転免許試験場、地域によっては一部の警察署や交番で受け付けているところもありますので、各地域の警察のWEBサイトで確認しましょう。また、受付場所によって受付時間が異なり、さらに即日交付ができるところと、再交付まで数週間かかるところとがありますので、事前に確認しておきましょう。
再交付は本人のみ。代理人による申請は不可
免許証の再交付手続きができるのは代理人が申請を行うことができません。免許センター等などが遠方にあるからといって、誰かに任せずに自ら窓口へ赴くようにしましょう。免許がない状態ですので車の運転は、もちろん控えましょう。
必要な書類等は?
「運転免許証再交付申請書」と「運転免許証紛失顛末書(てん末書)」
再交付窓口で「運転免許証再交付申請書」と、「運転免許証紛失顛末書(てん末書)」を記入して提出します。地域によっては「免許証遺失・盗難てん末書」(福岡県)という書類名の場合もあります。また、遺失届または盗難届出時に警察署や交番などで発行するケースもありますので、その場合は再交付の窓口に持参しましょう。
申請用の写真(3cm×2.4cm)1枚
免許証に表示される写真とは別に、申請の手続きに顔写真が1枚必要になりますので、運転免許申請用写真の基準に則したものをあらかじめ撮影しておきましょう。免許証に表示される写真は、再交付申請手続きと同時に撮影します。
申請者の住所・氏名・生年月日が確認できる身分証
免許証以外の、身分証が必要となります。具体例としては「住民票の写し(コピーは不可)」「マイナンバーカード」「健康保険証」「社員証」「学生証」などです。
手数料
再交付手数料は2,250円です。地域によっては、運転免許証の再交付申請にキャッシュレス決済(QRコード決済、クレジットカード決済、ICカード決済等)が利用できますが、一部の窓口に限られることもあるので、念のため現金を用意しておくと安心です。
紛失以外でも免許証の再発行は可能
免許証の再発行は、以下の理由でも可能です。
- 免許証を汚損、破損した場合
- 裏面に住所、氏名等の記載事項の変更、旧姓の表記、免許の条件の記載がある場合で、裏面の表示内容を表面に表示する場合
- 住所、氏名を変更する場合
- 旧姓を表記する場合
- 免許の条件変更にあたり、変更内容を表面に表示をする場合
- 写真を変更したい場合
初めて免許証の再交付を行うと、免許証の番号の末尾が「0」から「1」に変わります。つまり、末尾が再発行回数を示しているのです。
まとめ
もし紛失した運転免許証が悪用されると、本人に知らないところで金銭契約を結ばれたり、なりすましの被害に遭う可能性もあります。もし紛失に気付いたら速やかに遺失届を提出し、再発行の手続きを行うようにしましょう。