これまでにも車にまつわる和製英語の数々を紹介しましたが、まだまだ意外な和製英語はたくさん! 今回はバックの時に使う「オーライオーライ」のかけ声をはじめ、ドライバーが一度は使ったことのある表現のトリビアを紹介します。
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「オーライオーライ」に当たる英語の言い方はさまざま

バック時の後進を促す「バックオーライ」「オーライオーライ」のかけ声は、英語の「back, all right」「all right, all right」ではありますが、明治時代に開国とともに流行した表現で、実は英語では通じない和製英語です。
バックする車に、合図として掛ける表現としては「Back up! Keep going! 」「Keep coming, keep coming,」などが一例としてあげられます。日本のように、誰にも伝わる同じ表現があるわけではなく、一般的な表現で「オーライオーライ」の意味を伝えているようです。また、車がバック(後進)することは、「back」ではなく「reverse a car」や「back up」ということが多いようです。
「ガソリンスタンド」は英米で言い方が違う!

令和元年度末で全国に約3万か所あり、ドライバーには身近で欠かせない存在「ガソリンスタンド」。この「gasoline stand」も海外では、そのままでは通じません。アメリカ英語では「gas station」、イギリス英語では「petrol station」と呼ばれています。「gas」「petrol」ともにガソリンのことです。ちなみに、セルフ給油所は「self-serve gas station」で「セルフサービス」という表現は使いません。
「インパネ」は「instrument panel」の短縮系

運転席前面の計器盤のことを「インパネ」と呼びますが、これはエアーコンディショナーをエアコンと短縮したのと同じタイプで、「インストルメントパネル」を短縮した名称です。英語では「instrument panel」と略さずに呼びます。
運転席前面部分をダッシュボードとも呼びますが、本来は「自動車の運転席とエンジン室の間に組み込まれた仕切板」のことで、元々は馬車に装備され、馬が蹴上げる石や泥を防ぐのが本来の役目でした。馬車時代の名残が今でも車の各部名称に残っているのです。
「エンスト」も短縮系だが「engine stop」ではない!

エンジンがドライバーの意図しないところで停止してしまう「エンスト」も和製英語で、海外ではそのまま通じません。エンジンがストップするからエンストだと、勘違いしていないでしょうか? 英語での表現は「engine stall」。stallとは「失速する」「停止する」という意味で、飛行機が失速した時にも「stall」を使います。
すでにご存じの用語でも、英語由来なのに海外では通用しない和製英語とは知らなかったものもあったのではないでしょうか? このほかにも和製英語の自動車用語はたくさんありますので、和製英語やカタカタ用語に関する過去記事も合わせてご覧ください。