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実はガソリン車よりも歴史が古かった! 5月20日は電気自動車の日

普及率アップの一途をたどる「次世代自動車」。その代表格が、ガソリンを使わず走行中に排ガスを出さない「電気自動車」です。先端技術によって生まれた新しい自動車…というイメージを持つ人も多いのですが、実は、その歴史はガソリン車よりも古いのをご存じでしょうか? 本日、5月20日は「電気自動車の日」ということで、電気自動車のトリビアを紹介します!

5月20日制定の理由は「電気自動車・デトロイト号の復活」

5月20日が「電気自動車の日」となったのは、2009年のこと。この日、1917年にアメリカから日本へ輸入された電気自動車「デトロイト号」が約90年の歳月を越えて「復活」したことを記念し、株式会社ジーエス・ユアサ コーポレーションによって制定されました。

同社の前身となる企業の創業者・島津源蔵氏の愛車として利用された「デトロイト号」は、戦後まもなく倉庫に保管されていましたが、2008年8月に再びデトロイト号を運転可能な状態へと再生するプロジェクトが始動。約1年かけて復活したその記念日が5月20日だったのです。

四輪ガソリン自動車誕生の5年前に、電気自動車が登場!

電気自動車に欠かせないもの、それは「電池」と「モーター」です。電池は1800年にイタリアの物理学者・ボルタによって発明され、モーターは1832年にイギリスの電気物理学者・スタージャンが発明した回転式電動機が最初と言われています。電池とモーターを組み合わせた車の開発は1820年代から各地で行われ、電動馬車や電動機関車、電動三輪車など、「電気自動車」の原型が登場しました。

その後、実用的な蓄電池が登場した1881年、フランスで初めて充電池を搭載して走る電気自動車が誕生します。同年の4月に行われた実験では、開発者トルヴェの友人が搭乗し、速度は時速12kmで1時間半の試運転を行ったとされています。

そして、ガソリン車が登場するのはそれよりも後。1883年にドイツの技術者・ダイムラーがガソリンエンジンを発明し、1886年にガソリンエンジンを搭載した四輪車を開発し、ガソリン自動車の歴史を切り拓きました。

時速100km超えを記録したのも、電気自動車が先!

自動車が初めて、時速100kmを突破したのは1899年のこと。その記録を作ったのも、実は電気自動車でした。1899年4月29日にフランスで開催された自動車レースで、ベルギー人のヤナッイが乗ったロケット型の電気自動車が時速105.88kmを達成します。クルマの名前は「La Jamais Contente(飽くことのない/満足することのない)」。車名で検索すると、再現レース映像で走る雄姿が見つかりますよ。

日本での電気自動車の普及率はどのくらい?

ガソリン自動車よりも先に誕生した電気自動車でしたが、ガソリンエンジンの能力が飛躍的に向上したことで、一度の充電で走行できる距離や最高時速、登坂能力、搭載能力もガソリン車に劣るようになり、衰退していきました。しかし、皆さんご存じのとおり、近年は蓄電能力の高いリチウム・イオン電池が開発されたことや、環境意識の高まりで排ガスを出さないクリーンさが注目され、現在では実用的な電気自動車がガソリン車と同様に活躍しています。

ところで日本ではどの程度普及しているのでしょうか? 日本自動車販売協会連合会の「新車販売台数に占める割合」によると、2021年の電気自動車の新車販売台数は21,139台で0.88%。自動車検査登録情報協会の「電気自動車の保有台数推移」で見ると2021年3月末時点では12万5,855台で0.15%。

電気自動車だけの数値を見るとまだまだ普及はこれからですが、経済産業省では新車販売台数に占める割合を、2030年には20〜30%へと高める目標を掲げています。10年後にはもっと身近な次世代自動車になっているかもしれませんね。