クルマの性能を大きく左右する重要なパーツ「タイヤ」。日頃から空気圧や摩耗具合などを入念にチェックしているドライバーさんも多いかと思います。
しかし意外と忘れがちなのが、「スペアタイヤ」の点検。搭載義務がなくなってからは大幅に数が減少しましたが、SUVなどの一部車種にはいまでも搭載されています。
今回は、そんなスペアタイヤの点検ポイントについて解説します。
スペアタイヤを点検すべき理由
パンクなどのタイヤトラブルに備えて搭載しておく、スペアタイヤ(spare=予備)。せっかく搭載していても長い間点検せずに放置していると、いざ使おうとしたときに空気が抜けていて使えなかった……なんてこともあり得ます。
2018年10月1日に、道路運送車両法が改正され、車両総重量8トン以上または乗車定員30人以上の大型自動車のスペアタイヤについては、3カ月ごとの点検が自動車使用者に義務付けられました。たとえ普通車であっても、スペアタイヤを保有するユーザーならば決してひとごとではないといえるでしょう。
スペアタイヤ点検のポイント

スペアタイヤ点検のポイントは主に2つ。
まず1つは、「空気圧」のチェックです。Tタイプの応急用タイヤの場合、指定圧は420kPaと標準タイヤの約2倍となっており、見た目や感触ではわからないので注意が必要です。Tタイプの応急用タイヤには「応急用」と日本語でタイヤの側面に刻印されています。
そしてもう1つは、「取付部分」のチェック。目視だけでなく実際に触って、緩みやがたつき、損傷などがないかしっかり確認しておきましょう。
点検を怠ってスペアタイヤを落下させると、重大な事故につながるだけでなく、法律で罰せられる場合もあります。道路交通法では、高速道路での落下物は落とし主の責任と定められており(第75条の10)、3カ月以下の懲役もしくは5万円以下の罰金、または10万円以下の罰金が科せられる可能性があるほか、第三者に損害を与えた場合は賠償責任も生じるため、くれぐれも注意したいところです。
点検の手間は生じますが、備えておけば安心のスペアタイヤ。愛車のメンテナンスをする際は、ぜひ思い出してみてくださいね。
まとめ
スペアタイヤは、いざというときの命綱となる重要な装備です。しかし、普段使用する機会が少ないからこそ、定期的な点検が欠かせません。
特に、空気圧と取付部分の2点は重点的にチェックしましょう。応急用タイヤの場合は標準タイヤの約2倍という高い空気圧が必要なため、エアゲージを使った確実な確認が大切です。また、取付部分の緩みやがたつきは重大事故につながる可能性もあります。こちらも入念な確認を心がけてくださいね。