もっとも多いタイヤトラブルは「空気圧不足」、では2位と3位は?
- メンテナンス
- 2018.12.18
昨年の1年間、日本自動車タイヤ協会(JATMA)が一般道路と高速道路で合計1600台の車両に路上タイヤ点検を実施したところ、整備不良が見つかったのは314台。全体の19.6%という結果になり、前年とくらべて3.8ポイントの増加という結果になりました。
今回は、日本自動車タイヤ協会が今年2月に発表した「2017年『タイヤ点検結果』の報告」を元に、特に多かったタイヤトラブルをランキング形式でご紹介します。
第1位:「空気圧不足」
タイヤの整備不良を項目別に見てみると、ワースト1位は前年と同じく「空気圧不足(14.6%)」で、前年とくらべて3.9ポイント増加していました。
タイヤの空気圧は、高すぎても低すぎても本来のパフォーマンスを発揮できません。特に空気圧不足は、高速走行時にタイヤが波打ってバーストを引き起こす「スタンディングウエーブ現象」や、ぬれた路面を高速走行するときにタイヤのコントロールがきかなくなる「ハイドロプレーニング現象」の原因になるほか、タイヤの転がり抵抗が増えて燃費悪化などにもつながります。
タイヤの適正空気圧がわからないという人は、運転席のドア付近に貼ってあるシールをチェック。少なくとも月に一度のペースで点検しておくと安心です。
第2位:「偏摩耗」
また、ワースト2位だったのは「偏摩耗(2.3%)」。前年とくらべて0.6ポイント減少していました。
タイヤは日々の走行で少しずつすり減りますが、4輪すべてが均一に摩耗するわけではありません。駆動方式や運転方式や使用条件、空気圧不足などによって、どうしても摩耗に偏りが出てしまいます。偏摩耗を放っておくと、燃費の悪化や性能の低下につながるので注意が必要です。
基本的にFF車(前輪駆動)はフロントタイヤ、FR車(後輪駆動)はリアタイヤが早くすり減る傾向にあるので、定期的にタイヤの取りつけ位置をローテーションすることでタイヤの摩耗が均一になり、長持ちします。ただし、車両によってはタイヤをローテーションできない場合もあるので、わからない場合はお近くのディーラーなどに相談してみましょう。
第3位:「タイヤ溝不足」
そして、ワースト3位だったのは「タイヤ溝不足(1.2%)」。こちらは前年とくらべて0.7ポイント減少という結果になりました。
夏用タイヤにも、スタッドレスタイヤにも、タイヤの溝の使用限界の目安として「スリップサイン」が設けられています。溝が不足した状態で走行すると、排水機能が低下してぬれた路面で滑りやすくなったり、グリップ力が低下して雪道で走行不能になったりと、大変危険です。なお、夏タイヤのスリップサインが露出した状態での走行は法令違反になるので注意しましょう。
基本的に新品時の溝の深さ(8~9ミリ)の半分程度までは心配ありませんが、3ミリ程度になったら買い替えを検討し始めたいところです。
時に重大な交通事故につながる「タイヤ」のトラブル。日頃からしっかりとメンテナンスをしておきたいものです。今回ご紹介したポイントに特に注意して、春のお出掛け前にいま一度点検してみてくださいね。