全国各地で桜が咲き乱れ、すっかり春の陽気。冬のドライブで活躍してくれたスタッドレスタイヤは、そろそろお休みの時期に入り、夏タイヤへの交換が始まります。今回は、タイヤを保管するうえで気を付けたいポイントをご紹介します。
目次
保管前に減り具合・劣化具合をチェック
まずは、履き終えたスタッドレスタイヤの溝をチェック。スタッドレスタイヤとしての使用限界は、溝の深さが新品時(7~9ミリ程度)の50%までです。この限界を知らせてくれるのが、溝に現れる「プラットホーム」という目印です。この「プラットホーム」が露出するとスタッドレスタイヤといえども、氷雪路面での性能が低下するため冬用タイヤとしての役目は終わりになります。これ以降は雪道の走行はできないのでご注意を。また、さらに摩耗して残溝が1.6ミリになると「スリップサイン」と呼ばれる目印が現れます。この状態でのタイヤの使用は季節問わず法律で禁止されているので、すみやかに交換しましょう。そのほか、タイヤのひび割れなどゴムの劣化具合も忘れずに確認しておいてくださいね。
保管前には必ずクリーニングを
タイヤの状態に問題が無ければ、クリーニングを。泥などで汚れたままの保管は、ゴムの劣化の原因になります。タイヤ全体を水洗いして、溝の間に入った汚れや小石までしっかり落としましょう。また、油分や水分はゴムを変質させる恐れがあるため、洗剤を使う場合は十分に水で流したうえで、完全に乾燥させてからの保管が重要です。
保管中の変形と色移りを防ぐために
クリーニングが終わったら、いよいよ保管。保管する場所は、直射日光が当たらず、風通しがよく、ひんやりして乾燥したところが理想的です。ホイールを付けたまま保管する場合は、空気圧を適正空気圧の1/2程度にして、タイヤの緊張状態を和らげてから、平らな床面に平積みで保管します。ホイールを外してタイヤのみで保管する場合は、パイプラックでの縦置きでも、平らな床での平積みでもOK。平積みの場合は下のタイヤに負荷がかかるため、定期的な配置換えを行うことで変形を防げます。
また、保管するうえでもうひとつ気をつけたいのが、タイヤの色移り。タイヤからいろいろな薬品が染み出すことがありますので、ビニールタイルや壁紙に色が写ってしまいます。必ずベニヤ板や段ボールを間に挟んで保管しましょう。さらに余裕があれば、専用のタイヤカバーをかけるのもオススメ。カバーの遮光・防水効果がタイヤの劣化防止に役立ちます。
これだけは避けたい! 3つのNG行動
1.タイヤを洗わずに保管する
タイヤの劣化を防ぐためにも、来シーズン気持ちよく履き替えるためにも、保管前のクリーニングは重要です。タイヤに付着した泥などの汚れは必ず落とし、しっかり乾燥させてから保管しましょう。タイヤをすみずみまで洗浄しておけば、保管場所もきれいに保たれます。
2. ホイールを付けた状態(リム組み)での縦積み
ホイールを付けた状態でタイヤを保管する場合は、タイヤを横に寝かせて積み上げる「平積み」で保管しましょう。タイヤを立てて並べる「縦積み」で保管すると、ホイールの重さでタイヤの接地面が変形してしまう恐れがあります。
3.ワックスやクリーナーの使用
タイヤ用のワックスやクリーナーは、成分によってはタイヤの劣化につながることもあるため、使用はなるべく避けたいところ。タイヤのお手入れは基本的に「水洗い」が理想です。それでも汚れが気になるときは、販売店などと相談したうえで慎重に選びましょう。
正しく保管すれば、次の冬の履き替えもスムーズに。今回ご紹介したポイントを、タイヤのお手入れにぜひ役立ててみてくださいね。