普通の車はガソリンで、ディーゼル車は軽油で動きます。しかし、車はそれ以外にもエネルギーが必要な乗り物です。それは電気。エンジンルームなどに備わっているバッテリーに電気がたまっていなければ、エンジンをかけることすらできなくなってしまうのです。
近年の車はメンテナンスのいらないメンテナンスフリーバッテリー(MFバッテリー)が使われていますが、メンテナンスがいらないといえど、実は日々のチェックは欠かせません。ドライブ中に車が動かなくなる、なんてトラブルを防ぐためにも、バッテリーの状態は日常的にチェックしましょう。
点検項目1 バッテリーの外装を確認
まずはバッテリー本体の外装部を確認します。固く絞った雑巾で周囲を拭き、汚れを落とした状態にしてから、ヒビや割れ、欠けなどの有無を確かめましょう。またバッテリー端子や液口栓付近につまったゴミも取り除きましょう。
もし異常があったらすぐに交換を!
点検項目2 液量の点検
通常のバッテリーは半透明のケースに入っており、中の液量が確認できるようになっています。ケースにはUPPERとLOWERという線がプリントされているので、バッテリー内のバッテリー液がその範囲に収まっているかどうかを確認しましょう。
もしも液量が足りないときはカー用品店やホームセンターでバッテリー補充液(精製水)を購入し、バッテリー上部の液口栓を開けて足していきます。なおバッテリー液は希硫酸であり、こぼしてしまうと金属も塗装も繊維も皮膚も腐食させてしまいます。足すときは細心の注意を払いましょう!
MFバッテリーはバッテリー液の量こそ確認できますが、ユーザーがバッテリー液を足すことはできません。そうそう減ることがない設計になってはいるものの、もしもバッテリー液が減っていることがわかったら、ディーラーやカー用品店でバッテリーを交換しましょう。
バッテリーには電気容量や箱の大きさの区別のほかに、左、右の別があります。端子を手前にして置いたときにマイナス端子が左右のどちら側にあるかで、L,Rと表示されています。端子のプラスとマイナスが逆になっているバッテリーを選んでしまうと、ケーブルの取り回しができなくなることもあるので、安かったとしても、他の形式のバッテリーには交換しないようにしてください。
点検項目3 端子・ターミナルの緩みや腐食をチェック
バッテリーの電力を車全体にいきわたさせるために、バッテリーの端子にはケーブルがついています。このケーブルが緩んでいたり、バッテリー液をこぼしたために腐食させたままにしておくと、走行中にいきなりエンジンが停止するといったトラブルも起こります。
まずバッテリーについているケーブルの被覆部分をつまんで軽く左右に動かしてみましょう。この時点でガタつくようなら、工具を使って締め直します。
ただし端子部分が黒ずんでいたら、増し締めする前に磨く必要があります。マイナス側からケーブルを外して、端子を金属ブラシで磨いて黒ずみの正体の酸化皮膜を削り落とします。またケーブル側の接続部(ターミナル)の内側も黒くなっていたら、チューブ型の金属ブラシか小指サイズくらいに丸めた紙やすりを使って磨きましょう。
艶がでてきたら接点復活剤を吹き付けて、ターミナルをしっかりと締め上げます。
車の調子を維持するためには日々の点検が重要。タイヤだけではなく、エンジンルーム内のバッテリーの様子も確認するようにしてくださいね。
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