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【保存版】エアバッグ警告灯の点灯・点滅の違い|車検への影響と修理フロー

メーターパネルに突然現れる赤い警告灯。見慣れないマークが点灯していると、「これって何?運転して大丈夫?」と不安になりますよね。

中でも「エアバッグ警告灯」は、車の安全装置に関わる重要なサインです。適切に対処しないと、万一の事故の際に命を守る装置が働かない可能性があります。この記事では、エアバッグ警告灯の意味から対処法、車検への影響まで、知っておくべき情報を分かりやすく解説します。

エアバッグ(SRS)警告灯とは

エアバッグ(SRS)警告灯とは、車の重要な安全装置であるSRSエアバッグシステムやシートベルトのプリテンショナー機能などに異常が発生した際に点灯する警告灯のことです。

SRSは「Supplemental Restraint System(補助拘束装置)」の略称で、シートベルトとあわせて乗員の安全を守るシステムのことを指します。

点灯・点滅・消灯の意味

•消灯

エンジンをかけた直後の数秒間、警告灯が点灯してから消える場合は正常です。これはシステムの自己診断が行われているサインで、異常がないことを確認した後に消灯します。必ず消灯したことを確認してから走行を開始してください。

•点滅・点灯

警告灯が点滅または点灯し続ける状態は、SRSエアバッグシステムやプリテンショナー機能などに何らかの異常が発生していることを示しています。この状態では、衝突時にエアバッグが正常に作動しない恐れがあります。

点灯時のリスクと「やってはいけないこと」

エアバッグ警告灯が点灯したとき、慌てて自己流の対処をするのは危険です。インターネットで見つけた情報を鵜呑みにして間違った対応をすると、かえって状況を悪化させる可能性があります。

コネクタの抜き差し・エアバッグユニットの素手作業は避ける

エアバッグ警告灯はバッテリーの電圧低下が原因で点灯することもあるため、ネット上ではコネクタの抜き差しによる対処法が紹介されることがありますが、おすすめはできません。また、エアバッグシステムには火薬類が使用されている場合があり、素人判断での取り扱いは非常に危険です。そのほかにも、静電気や間違った操作によってエアバッグの誤作動や故障を引き起こす場合もあるので、自分でメンテナンスする場合は細心の注意が必要です。

まずは安全確保:無理な運転を避け、早めにプロの点検へ

各自動車メーカーの公式マニュアルでも、警告灯点灯時は速やかな点検を推奨しています。無理に運転を続けるのではなく、速やかに整備工場や販売店に相談することが最も確実な対処法です。

修理時のマメ知識

エアバッグ警告灯の点灯は、比較的深刻なトラブルです。法的な規制や保証制度についても確認しておきましょう。

車検が通らない警告灯の一つ

2017年2月以降、エアバッグ警告灯が点灯または点滅している車両は、車検時に審査を受けることができなくなりました。これは自動車技術総合機構が定めた「審査時における車両状態」の規定によるものです。

具体的には、前方エアバッグ、側方エアバッグ、ブレーキ、ABS、エンジン関連の警告灯が継続して点灯または点滅している場合、修理を完了してからでないと車検コースに入ることができません。

保証・リコール・サービスキャンペーンの確認(VINでの該当確認)

エアバッグ(SRS)システムの不具合は、過去にリコールやサービスキャンペーンの対象となったケースが複数あります。警告灯が点灯した際は、まず自分の車両がリコール対象かどうかを確認してみましょう。

確認方法は簡単で、車検証に記載されている車両識別番号(VIN)を使って、各メーカーの公式サイトなどでリコール対象車両を検索できます。対象車両であれば、無償で修理を受けられます。

点灯予防チェックポイント

エアバッグ警告灯の点灯を完全に防ぐことは難しいですが、いくつかの注意点を知っておくことで、トラブルを早期発見できる可能性があります。

SRS警告灯の点灯要因は複数ある

エアバッグ警告灯が点灯する原因は一つではありません。エアバッグ本体の故障のほか、制御コンピューターの異常、センサー類の不具合、配線・コネクタの接触不良、シートベルト関連の故障、バッテリーの不具合などさまざまなものが挙げられます。警告灯が一度でも点灯したら、早めの点検で原因を特定することが重要です。また、日ごろからのこまめなメンテナンスも点灯予防に効果的といえるでしょう。

なお、エアバッグ警告灯は事故でエアバッグが作動した場合にも点灯します。一度展開したエアバッグの再利用は不可能で、部品を交換するまで点灯し続けるので、この場合も速やかに販売店や整備工場に相談してください。

状況別FAQ

実際に警告灯が点灯した場合の対処法について、よくある状況をもとに解説します。

走行中に点滅から点灯へ変わったら?

走行中に警告灯の表示が点滅から点灯に変わった場合は、システムの状態がより深刻になっている可能性があります。このような場合は、なるべく早く安全な場所に停車し、エンジンをいったん切ってから再始動してみましょう。

何度かエンジンを再始動しても警告灯が消えない場合は、ロードサービスや整備工場に連絡することをおすすめします。車種やメーカーによって点滅のパターンは異なりますが、いずれにしても早急な対応が必要なサインです。

無理に運転を続けると、万一の事故の際にエアバッグが作動しなかったり、逆に走行中に突然展開したりする危険性があります。乗る人の安全を守るための重要な機能だからこそ、慎重に対処することが大切です。

まとめとチェックリスト

最後に、今回ご紹介した内容のまとめをチェックしておきましょう。

要点再掲:原因は配線・センサー・電源系などさまざま/自己流リセットはNG

エアバッグ警告灯の点灯原因は多岐にわたり、エアバッグ本体の故障から配線の接触不良、センサー・電源系統の不具合までさまざまです。自己流のリセット方法は、かえって状況を悪化させる恐れがあるため避けましょう。

火薬を使用する安全装置だけに、専門知識をもった整備士による適切な診断と修理が不可欠です。コストを抑えたい気持ちは理解できますが、命に関わる装置のため、確実な修理を行うことが重要です。

点検前メモ:点灯条件・直前作業・異音や運転時の違和感の有無を記録して整備工場へ

整備工場で診断を受ける前に以下の情報を整理しておくと、原因の特定がスムーズになり、修理時間や費用の削減にも役立ちます。

  • 警告灯が点灯したときの状況(エンジン始動時、走行中、停車時など)
  • 点灯直前に行った作業(バッテリー交換、他の修理など)
  • 異音の有無(警告音、機械的な音など)
  • 運転時の違和感(振動、ハンドルの重さの変化など)
  • ほかの警告灯の同時点灯の有無

エアバッグ警告灯にかぎらず、メーターパネルの警告灯はドライバーに車の異常を知らせてくれる重要な目印です。警告灯の色によっても緊急性が分かれており、黄色はなるべく早く、赤色はすぐに点検・修理が必要であることを意味します。この機会に各警告灯の意味もあわせて確認しておくことをおすすめします。