雨の日のドライブでワイパーを作動させたとき、引っかかるような異音が聞こえたことはありませんか? 「ビビり」と呼ばれるこのトラブルは、単に耳障りなだけでなく安全運転の妨げにもなります。
この記事では、ワイパーのビビりの原因と対策について詳しく解説していきます。
目次
ワイパーのビビりとは
ワイパーのビビりとは、ワイパーを作動させた際に「ギュギュギュ」「ガガガ」といった異音が聞こえる現象です。ワイパーが波打つような動きをするのも特徴で、特に雨の降り始めや小雨などでフロントガラスがあまりぬれていないときに発生しやすくなります。
ビビりが起こる原因
ワイパーのビビりにはさまざまな原因が考えられますが、大きく「ワイパー側の問題」と「フロントガラス側の問題」の2つに分けられます。それぞれの原因について詳しく見ていきましょう。
ワイパーに問題があるケース

まずワイパー側に問題がある場合、主に以下の3つの原因が考えられます。
1つは「ワイパーゴムの劣化」です。ワイパーに使用されているゴムは日々紫外線や雨風などにさらされることで徐々に劣化していきます。ゴムが劣化して硬くなると、ワイパー本来の機能を果たせなくなります。季節による温度変化でもゴムの硬さが変わり、ビビり音が出やすくなることもあります。
2つめは「ワイパーアームの湾曲」です。経年劣化で適切な圧力がかからなくなったり、逆に新品で圧力が強すぎたりした場合にビビりが発生することがあります。また、積雪時に雪の重みでアームが曲がってしまうケースもあります。
そして3つめは「取り付け不良」です。ワイパーの交換後、正しく取り付けられていないと、ガラスとの接触が不均一になりビビりの原因となります。
ガラスに問題があるケース

一方、フロントガラス側に問題がある場合は、主に以下の2つの原因が考えられます。
1つは「コーティング剤のムラ」です。施工したガラスコーティングの厚みにムラがあると、ガラス表面が均一でなくなり、ワイパーの動きが滑らかでなくなります。
そしてもう1つは「油膜の付着」です。車体のワックスや排ガス、大気中の油分などがガラス面に付着して油膜を形成すると、この油膜がワイパーの滑りを悪くしてビビりを引き起こします。
ビビりを放置するとどうなる
ワイパーのビビりを放置すると、さまざまなトラブルが生じる可能性があります。
まず、ワイパーの異音はドライバーの集中力を妨げる原因になります。絶えず発生する不快な音によって注意力が散漫になり、思わぬ事故につながるおそれがあります。
また、ビビりは運転中の視界不良も引き起こします。水滴を除去しきれず視界が悪くなることによって、事故のリスクが高まります。
さらに、問題のあるワイパーを使い続けることで周囲のパーツにも負担がかかり、故障の原因になります。その結果、修理・交換費用が余計に増えてしまうことも考えられます。
ビビりが起きたときの対策
以上のことから、ワイパーのビビりが起きた場合は一日も早い対処が重要です。ここでは原因ごとに効果的な対策をご紹介します。
ワイパーに問題があるケース
ワイパーゴムが劣化している場合はすみやかに交換しましょう。ワイパーブレードもゴムと同様に消耗品なので、ブレードごと交換するのが理想的です。ワイパーゴムの寿命は一般的に約1年といわれていますが、使用環境によってはそれより早く劣化することもあるので、状態を見ながら交換時期を見極めましょう。新しいものを購入する際は必ず車種に適合した商品を選んでください。
交換したばかりなのにビビり音が気になる場合は、ワイパーが正しく取り付けられているか今一度ご確認を。ワイパーアームが曲がっている場合は自分での整備は難しいので、プロに依頼することをおすすめします。なお、日常的なお手入れとして、ぬれ雑巾などでワイパーゴムをこまめに掃除しておくのもビビり対策に効果的です。
ガラスに問題があるケース
フロントガラスの油膜やコーティング剤がビビりを引き起こしている場合は、その原因をしっかり取り除くことが大切です。油膜が見られる場合は専用の除去剤で油膜取りを行い、コーティングに問題がある場合は再施工を行いましょう。なお、コーティングに関してはムラなく施工できていてもワイパーとの相性の問題でビビりが発生することもあります。この場合はコーティングに対応したグラファイトワイパーなどに交換するのも1つの方法です。
まとめ

ワイパーのビビりの原因は大きく「ワイパー側の問題」と「フロントガラス側の問題」に分けられ、それぞれに適した対処法があります。また、定期的なメンテナンスで未然に防ぐことも可能です。ワイパーゴムは半年〜1年を目安に交換し、洗車の際にはフロントガラスの汚れや油膜も丁寧に除去しておきましょう。もしもビビりが発生した場合は放置せず、早めの対処が肝心です。
ワイパーのメンテナンスは雨の日の安全運転に直結します。快適なドライブ環境を維持するためにも、日頃からのチェックをお忘れなく!