風のように駆けるクルマのサイドウォールに映える、白い文字。「ホワイトレター」を見かけることが増えてきたのではないでしょうか。ドレスアップ効果や足回りの個性を表現するものとしてSUVや4WDドライバーに人気の高い、このホワイトレター。今回は、ホワイトレターの製造方法や美しさを保つメンテナンス方法を紹介します。
目次
そもそもホワイトレターはどうやって作る?
黒地に白く浮かぶホワイトレターの文字は、そもそもどうやって作られているのでしょうか。
文字の部分を上から白く塗っている…と思ったら、実は大間違い! ホワイトレタータイヤの構造は、サイドウォール部にホワイトゴムが埋め込まれた構造になっています。
加硫(生タイヤを金型に入れ、熱と圧力を加える工程)の直後は、文字の表面はタイヤのほかの部分と同じように黒ゴム(カバーゴム)で覆われています(上部写真左側)。
最後に、文字の上面部分をグラインダーで削り、文字面のホワイトゴムが露出します。こうして白い文字のホワイトレターはできあがります(上部写真右側)。
購入後・使用前のお手入れ方法
出荷時にはホワイトレターを保護するために、青い保護剤(ブルーペイント)が表面に塗られています。購入後、初めてホワイトレターのタイヤを使用する前には、この保護剤をふき取る必要があります。タイヤショップやディーラーで納品・納車前に落としてくれていることもありますが、もし保護剤が付いたままでも簡単に落とせます。
丁寧にふき取る場合はサイドウォール全体に水またはぬるま湯を掛け、スポンジやウエスで保護剤をこすり落とします。ホースの水で洗い流す程度の水圧でも落とせます。高圧洗浄機を使うとタイヤの表面に傷が付く恐れがありますので注意しましょう。
長期間、保護剤を着けたまま保管していると、落としにくくなるケースもあります。その場合は、中性洗剤を使ってふき取るのがオススメです。
汚れが気になったときや日々のメンテナンス
長期間使用していると、ホワイトレター部分の黒ずみが気になってくることも。「水・ぬるま湯を掛けてウエスで拭く」のが基本ですが、それでは落とせない汚れの場合は、以下の方法を試してみましょう。
まずは中性洗剤で洗浄!
ホワイトレターの黒ずみは、白ゴムの剝がれではなく、表面に付着した汚れです。水拭きで落とせないときは、タイヤを傷めない中性洗剤を使って絞ったきれいなウエスでふき取ります。汚れが付いたウエスでふき取ると、ホワイト部にウエスの汚れが付いてしまうことも。ホワイトレターのお手入れ時は、汚れたウエスは新しいものに交換するようにしましょう。
洗剤でも落とせない頑固な汚れにはスチールウールを!
ウエスではなかなか落とせない、頑固な汚れの場合はスチールウールで優しく汚れている部分をこすり洗いします。スチールウールで黒いゴムの部分をこすりすぎると、タイヤの表面に傷が付く恐れがありますので、ホワイト部分だけをこするようにします。
ツヤ出し成分を含まない、水性の弱アルカリ性タイヤクリーナーでふき取るのもオススメ
スチールウールが手元にない場合は、ツヤ出し成分を含まない、水性のアルカリ性タイヤクリーナーを使ってふき取るのもオススメです。ただし、過度に使用するとタイヤに含まれている劣化防止剤を除去してしまうため使いすぎ・こすりすぎには注意しましょう。
パーツクリーナーは黒ゴムがホワイト部に付着する可能性があるためNG
なかなか落とせない汚れに、パーツクリーナーを使いたくなるケースもありますが、ホワイトレターのお手入れ方法としてはNGです。拭き取り方によっては、ホワイト部周辺の黒ゴムがホワイトレターに付着して白の上に黒が塗り伸ばされ、かえって黒ずんでしまう可能性があります。
クルマの足元は、ほかのドライバーからの目にとまりやすく、オシャレのしがいのあるポイントの一つ。せっかくのホワイトレターの美しい見栄えを守るためにも、日ごろからの正しいメンテナンスを心がけたいですね。