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落雷したとき車内は安全?雷の被害は保険適用される?

近年、ゲリラ豪雨と呼ばれる「短時間の局地的豪雨」が急増するなど、夏場の急な天気の移り変わりが増えています。特に夏の7月〜9月は台風の発生も多く、全国各地で雷が多く発生する季節です。

もしドライブ中にクルマの近くで落雷が発生した場合、どうすれば良いのでしょうか? 安全な場所はどこなのか、万が一クルマに雷が落ちた場合どんな危険が伴うのか、解説していきます。

自動車内は、比較的安全な雷の避難場所

屋外にいるときに天気が急変して雷雲が発生したり、雷鳴や稲光を近くに感じたら安全な場所へのすみやかな避難が重要です。このときの避難先は鉄筋コンクリートの堅固な建物などが比較的安全とされています。金属に囲まれた建物に落雷しても、電流は建物の外側を流れるため内部に電流が侵入しないのです。

実は「自動車の中」も、落雷から身を避ける安全な場所の1つ。鉄筋コンクリートの建物が安全なのと同じ理屈で、もしクルマに落雷があっても、電流はクルマの外側を伝ってタイヤから地面に流れます。そのため車内に電流は流れません。

これは電気自動車にももちろん当てはまります。電子機器や充電池への落雷の影響が心配になるかもしれませんが、各メーカーでは実際に雷に打たれる落雷実験を行ったり、ガソリン車とは異なる電気自動車ならではのさまざまなメニューを用意して、耐久試験を行ってしっかりと落雷に対する安全を確認していますのでご安心ください。

そうはいっても、落雷による大きな音や激しい光に不安を感じるドライバーさんは多いかもしれません。もし気になる場合は、天気予報アプリなどで落雷の発生状況をチェックして、雷雲を回避する方法もあります。また、AMラジオは雷の放電に反応して「ガリッガリッ」といったノイズ音を発生させるので、スマホが使えないときの雷探知機として便利です。

オープンカーは例外

上の段落で、落雷しても車内は比較的安全とお伝えしましたが、ソフトトップ(幌タイプ)のオープンカーは例外です。乗員が落雷をじかに受けてしまう可能性があります。また、落雷時にドアノブなど車内の金属部分に触れると感電する恐れがあるのでご注意ください。

クルマに雷が直撃したときの対応

それでは、実際にクルマに雷が直撃したときはどうしたら良いのでしょうか。3つの注意点をご紹介します。

パニックにならない

落雷時に最も注意すべきは、パニックに陥らないことです。落雷に驚いてハンドルやアクセルなどの運転操作を誤ると、重大な事故につながる可能性があります。上記の通りクルマは比較的安全な場所だと理解して、落ち着いた運転を心がけましょう。冷静な運転が難しい場合は、クルマを安全な場所に止めて雷雲の通過を待つのも1つの手です。

落雷が発生するほどの激しい気象下は、台風やゲリラ豪雨、雹(ひょう)・竜巻などの危険を伴う自然災害が同時発生するケースもあるため、落雷以外の危険性にも十分注意しましょう。

停車後は慌てて外に出ない

また、停車後に慌てて外へ出るのはとても危険です。クルマの近くに立つと、落雷が人を直撃するケースがあります。雷雲が遠ざかった後も、数十分は落雷の危険があり、さらに別の雷雲が接近していることもあるので注意しましょう。

ちなみに、雷は身につけている金属に反応するといわれますが、これは誤解です。金属の有無に関わらず高いところへ落ちる性質があるため、できる限り身を低くして過ぎ去るのを待ちましょう。

早急にクルマの点検を受ける

クルマへの落雷によって、窓ガラスの破損、ボディの焦げや穴あき、タイヤのバーストなど、さまざまな損傷が起こる可能性があります。外見の状態に異常が見られなくても、電気系統に影響が及んでいる場合もあるため、落雷を受けた後はすみやかにディーラーや整備工場で点検を受けましょう。

落雷での修理費用は車両保険でカバーできる?

車両保険契約には、補償範囲の広い「一般型」と、補償範囲を絞って保険料を抑えた「エコノミー型」がありますが、落雷による損害は台風等の自然災害に該当し、どちらのタイプの車両保険でも補償されます。落雷の損害に備えるには、自動車保険と車両保険をセットにしましょう。

ただし、そもそも「クルマへの落雷」はほとんど発生しないレアな事故のため、補償内容に掲載されていない場合があります。また、落雷による補償を対象としている場合でも、実際の事故が雷による損害だと証明するのが難しい場合は補償の対象外になる場合があります。

まとめ

運転中に落雷に見舞われても、車内にいれば比較的安全なので、パニックに陥らず冷静に対応することが何よりも重要です。万が一、クルマが落雷の被害を受けた場合は、すみやかにプロの点検を受けましょう。落雷による損害の補償内容は保険会社によって異なる場合があるため、事前に確認しておくことをおすすめします。

安全で快適なドライブを楽しむためには、事前の気象情報チェックも大切です。走行中に落雷に遭う可能性がある場合は十分な注意を払い、危険を感じたら無理せず安全な場所に避難してくださいね。