高速道路で除雪車の追い越しは禁止?正しい対応について解説!
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- 2019.12.252023.12.01Update
雪の中をドライブしていると、たびたび見かける「除雪車」。雪道を運転する際には、路面や視界はもちろん、こういった車両にも十分な注意が必要です。
今回は、冬の高速道路を走る除雪車の役割と、実際に遭遇したときの運転ポイントを紹介します。
除雪車は緊急車両?
道路交通法上、除雪車などの雪氷作業車は「道路維持作業用自動車」(道路の維持や修繕、道路標示を設置するための自動車)に該当します。緊急車両(緊急自動車)ではありませんが、一般車両は通行を妨害しないように注意したいところです。
道路運送車両の保安基準によると、道路維持作業用自動車には「黄色であって点滅式の灯火」、緊急車両には「赤色の警光灯」を備えるように定められており、ランプの色で見分けることができます。
除雪車をはじめとする雪氷作業車の、3つの役割
除雪車をはじめとする雪氷作業車には、大きく分けて3つの役割があります。
まず1つは、凍結防止剤(固形の塩や塩水などの塩分)の散布作業。路面の凍結を防ぐため、気温が本格的に下がり始める前に出動して散布します。
2つめは、除雪作業。車両前面に板状の装置が付いた「スノープラウ」で除雪し、それでも取り除けない場合は、建設作業などでも使われる「モーターグレーダー」を使って除去します。豪雪地帯として有名な名神高速道路「関ヶ原」付近では、各インターチェンジやサービスエリアに約80台もの除雪車が配備されており、降雪時には15分~20分間隔で除雪作業を行っています。
そして3つめは、排雪作業。ロータリー除雪車で、路肩にたまった雪を本線の外へと排雪します。除雪車のほかに、ダンプトラックが使用される場合もあります。
道路上で遭遇したらどうする?
走行中、除雪車に遭遇したときは、安全のために十分な車間距離をとりましょう。また、凍結防止剤を散布している車両に近づきすぎると、凍結防止剤が自分のクルマにかかってしまう場合があります。凍結防止剤に含まれる塩化ナトリウムや塩化カルシウムの「塩(えん)」は、クルマに付着したまま放置すると金属部分を腐食させてしまう場合があるので注意が必要です。凍結防止剤が散布された道路を走行した後も、ボディや下回りを洗浄しておきましょう。
追い越しは法的には規制されていない
作業中の除雪車の追い越しは法律で禁止されているわけではありませんが、NEXCOなどの道路管理者はなるべく追い越さないように呼びかけています。
追い越しが危険な理由
作業中の除雪車の周りは雪が舞って視界が悪くなっており、状況によっては前進と後退を繰り返すこともあるため、追突の危険があります。高速道路では除雪車が複数台連なって作業するため、さらにリスクが上がります。作業車が通った後の路面は整備されているので、追い越し・追い抜きはせずに後ろを走行した方が安全です。
まとめ
除雪車は基本的に低速走行しているため、後ろを走っているとやきもきすることもあるかもしれません。追い越したからといって交通違反になることはありませんが、雪道ドライブはただでさえ危険がつきもの。思わぬ事故を防ぐためにも、安全な車間距離を保つことをおすすめします。