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ドライバーへの“メリット”も!事故対策の「斜め横断歩道」

歩行者が道路を安全に横断するため、交差点などさまざまな場所に設けられているものといえば…「横断歩道」。車道に対して直角に設置されているのが一般的ですが、一部地域ではちょっぴり変わった横断歩道が導入されているのをご存じですか? 今回は、近年注目を集めている「斜め横断歩道」についてご紹介します。

“斜め”の横断歩道とは?

“斜め”といっても、交差点の斜め向かい側に渡れる「スクランブル交差点」の横断歩道とは異なります。2012年、愛知県警が東郷町の音貝小学校西交差点に全国で初めて導入したの「斜め横断歩道」。ドライバーが歩行者や自転車を見落としにくくするために考案されたもので、車道に対して直角ではなく、約12度斜めに横断歩道が引かれているのが特徴です。

斜め横断歩道のメリット

実際に渡ってみても違いに気付かない歩行者が多いという斜め横断歩道ですが、クルマで走行してみるとよくわかります。ドライバーが横断歩道の安全確認をする際、直角よりも斜めの横断歩道のほうが見渡す角度が小さくて済むため、確認時間が短縮できるようになります。その分、周囲の安全確認に余裕が生まれるのです。

導入後は人身事故が約3分の1に

全国初の斜め横断歩道の導入前と導入後の1年を比較してみると、人身事故件数は3分の1程度に減少しており、効果は実証済み。愛知県内では現在約30か所で導入されています。

なお愛知県警では「斜め横断歩道」のほかにも、東京都葛飾区などでも導入されている「狭窄(きょうさく)横断歩道」(両端を目立つように塗装し、ポールを立てて横断歩道の長さを短縮した横断歩道)を2017年から試験的に設置するなど、横断歩道の事故防止に力を入れています。

交通事故による死者数が、16年連続全国ワースト1であることでも有名な愛知県。今後さまざまな対策で、不名誉な記録から脱却できるのか注目したいところです。